雑木の庭,造園のことなら高田造園設計事務所へ
HOME>雑木の庭つくり日記

雑木の庭つくり日記

神奈川県藤沢市の庭 植栽第2弾   平成24年2月28日
 

 輸入住宅のグッディホームズの本社事務所の植栽は、2週間に1度のペースで植栽を進めています。今日でトータル3日間の作業を終えて、ようやく敷地の半分程度の樹木植栽が終了したかな、というところです。

 丁寧なテクスチャと素材の温かみが活きた家で、家によい質感が感じられます。広い敷地に木々が入るたびに、家屋が馴染んで、更に美しく引き立ってきました。



 家屋周辺の近景植栽が今回でようやく終わりました。家際の木立は家屋を美しく見せるだけでなく、夏の木陰や揺れる枝影を室内に届けてくれて、暮らしを心豊かにしてくれます。
 近景植栽スペースをどのように配してゆくかが、心地よい雑木の住まい造りのための最大のポイントになると考えています。



 芽吹きの時期が楽しみです。白い壁面に新緑の葉が影を落とし、それはそれは美しい家屋の景色を見せてくれることでしょう。

 

 玄関前の樹木植栽も終わり、あとはアプローチや細かな地表の仕上げとなります。
 しかし、次にこの庭にの工事にかかるのは、おそらく半月以上先のことになります。

 こんなペースでゆっくりじっくりと植栽工事を進めさせて下さる会社の皆様に感謝申し上げます。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
古材を活かす 小屋を作る   平成24年2月26日
 古民家を解体する際に発生する古材の在庫が溜まってきたので、高田造園の出入り大工に好きなように扱わせたところ、私の自宅にこんな小屋が建ち始めました。



 柱と桁、梁に棟まで、軸組みの骨格が組みあがりました。
 建坪1坪あまりの小さな小屋ですが、素晴らしい古材をふんだんに扱った贅沢な作りです。



 梁や小屋束は、千葉県山武市の茅葺き民家の古材です。150年前の材で、味わい深く、長年のぬくもりが宿っています。
 桁と棟木は、千葉県佐倉市の入母屋民家を40年間支え続けて解体された通し柱です。



 曲がった松梁をうまく組み合わせて組み上げた小屋には力強さが宿り、見る人の体内エネルギーを活性化してくれるようです。
 150年前、梁を刻むのにチョンナではつったその跡が、温かみと素材の質感を引き立てています。



 柱の基礎もかつての民家同様、風化しにくい川石の形なりに柱をひかりつけて合わせていきます。
 柱は千葉県が誇る硬質で非常に耐久性のある良材、イシビを用いています。



それにしても、72歳のうちの大工は小屋造りを楽しみすぎです。たかが物置小屋なのに、その屋根も贅沢に木小舞を連ねて豊かな質感を演出しています。
 屋根は瓦屋根となります。

 小屋を組み上げる、あるいはつくり上げる、こうした小屋造りにこそ、かつての知恵が活きてきます。
 訳の分らぬ規制にがんじがらめの今の建築基準法住宅、あるいは工業製品としてのメーカー住宅によって破壊され続けるかつての住まいつくりの知恵、持続可能な未来を作る大切な知恵を、規制の対象にならない小さな小屋造りを通して伝えていければと思います。

 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
どんぐりの発芽      平成24年2月26日



 昨秋にポットに撒いたどんぐりです。かぶせていた落ち葉をめくってみると、かわいらしい根を一生懸命土の中に伸ばしていました。



 昨秋に撒いたどんぐりは、マテバシイにシラカシ、そしてコナラにクヌギです。近くの神社や森、庭からドングリを集めてポットに3粒から4粒ずつ撒きました。
 採取した時期と場所によって、発芽の良いものもあれば悪いものもあります。

 ちなみに、これは仕事ではなく私の趣味です。というよりも、私には仕事と趣味の区別がありません。。。



 昨年から始めたどんぐり苗造り。今年は社員を総動員して、本格的にやってみようと思っています。理由は、面白いからです。
 そして、たくさんのポット苗ができたら、それを使ってあちこちに安定した森を作りたいと思っています。
 数年後、たくさんのポット苗ができる頃、森つくりのチャンスもまた、私たちにたくさん与えられることと思っています。それが人生の縁と言うものだと、私は感じています。
 その時のために、これからどんぐりの苗をたくさん作ります。




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
まだまだ続く、千葉県佐倉市の庭造り   平成24年2月21日
 かなり以前からかかり続けている千葉県佐倉市の庭造り、とびとび日程で今もまだ施工中です。
 「いつ終わるんだろう・・」お施主のAさんのあきれ声が聞こえそうです・・・。




 庭の一角に施工中のベンチとテラス。明日完成予定です。芝生と木漏れ日の明るいベンチ広場になります。



 奥庭から樹木越しに垣間見たベンチ広場の様子です。
 奥は隣接するマンションが気になりますが、落葉樹の新芽が芽吹く頃にはきっと、緑の枝葉が周囲の家屋を心地よく見え隠れさせてくれることでしょう。



 施工面積800坪という、広大な庭スペース。全てを自立した雑木林の下の空間に仕上げていきます。
 造園工事も工程的にはようやく折り返し地点を過ぎたように感じますが、それでもこの庭のメインの工事は実はこれからです。

 春の新緑がとても待ち遠しい庭です。この庭は6月完成予定?・・です。
我がことながら、完成が楽しみです。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
父母の母校にて      平成24年2月17日

 

 成熟した都市樹林の様相を見せる美しい学校の森。ここは千葉大学西千葉キャンパス。
私の地元の大学であり、そして私の父母の母校です。

 この度、大学OBクラス会の依頼で、この構内に記念樹を植栽することになり、昨日その打ち合わせのためにキャンパスを訪れました。



 それにしても豊かな緑に包まれた美しいキャンパスです。キャンパスを彩る木々はケヤキにクスノキ、シイノキにヤマモモ、ヤマザクラ。千葉の風土に適応する木々たちが大木となって、このキャンパスに歴史の重みと風格をもたらしています。

 今回、期せずして記念樹植栽の依頼をいただき、そして昨日、植栽候補地や植栽の仕方を提案させていただきました。

 記念樹と言うものは、その性格上、一度植えてしまえば伐ることも移植することも簡単にできるものではなく、その後の長きにわたってその土地の風景の一角となります。
 それゆえに、将来にわたってキャンパスのよき風景として、しかもこの地で将来にわたり健全に生育できるよう、責任を持って慎重にその配置や植え方、樹種などを選定しなければなりません。
 安易な記念樹植栽がその場所の風景を乱したり、樹種や植え方を誤って、大切な記念樹が衰弱してしまうという例もよく見られます。また、その時の流行の樹種を安易に選んだ結果、その後衰退したり枯死してしまうこともよくあることです。
 そんなことでは何のための記念樹植栽なのか、分かりません。

 


 キャンパス全体の風景のつながりを尊重し、そしてふさわしい植栽場所を提案し、そして最適な植栽スペースが与えられました。



 長年にわたって健康に生育し、そして今現在から末永い将来にわたってキャンパスの風景に効果的に資する植栽とはどうあるべきか、万全の資料を整えて説明し、そして、植栽が決まりました。
 私の提案の植栽は、記念樹ではなく記念樹林の植栽、100年後の将来を見据えた植栽です。



 青空に枝葉を広げるキャンパスの大木達。50年近くも前のこと、この空の下で私の父と母は出会いました。
 植栽は、3月10日に決まりました。ちょうど、私の父が永眠して1年あまり、そしてあの3.11から丸1年という時です。

 父と母が青春を生きたこの地に植栽する機会をいただいたのは、偶然にも私の母の同期の方々でした。

 来たる3月10日、私は父の弔いのつもりで心をこめて木立を植栽し、そしてその後は父の墓参りのつもりでその木々の面倒を見続けたいと思います。
 不思議な縁で、こんな機会が与えられました。
 きっと天国の父が導いてくれたご縁に違いありません。

 このような機会を与えていただいた同窓会の方々、大学関係者の方々に心からの感謝を申し上げます。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
         
49