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雑木の庭つくり日記

全国メガソーラー問題シンポジウム開催のお知らせ 平成30年8月16日
 

 ここは、房総半島南部、千葉県鴨川市の山中です。

 この地域は三浦層群と言われる、力のある岩盤層によってとても豊かな森が太古から保たれ、それが素晴らしく豊かな生態系を育み、力のある水が湧き出してふもとの暮らしを千年万年と支え続けてきました。
 今やここは、千葉県内では最も生態系豊かな森の一角と言えるでしょう。

 この山の頂部一体、300ヘクタールという見渡す限りの広大な範囲の木々を伐り、総延長3キロメートルという広大な範囲で尾根を削り取り、谷を埋めて、造成される、日本最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電設備)建設の計画が進んでおり、今回、その計画地踏査にうかがいました。




 計画地とその周辺一帯の山域に無数の谷が刻まれ、そしてそこには川底からも山襞からも湧水が染み出し、それが今もなお、渓流の魚やカジカなど、今や貴重な川の生きものを育みます。
 
 ひとたび山が削られると、山が本来保ってきた貯水機能、洪水調整機能、浄化機能も失われます。
 森が水を貯えなくなった分、こうした大規模開発においては造成の際、表面を流れる水をいったん蓄えて調整する、巨大な調整池がいくつも建設されます。

 集落の水源になっているこの沢の上流部に調整池が建設され、そしてその排水はこの沢に放たれます。
 
 千年万年にわたってこの地の豊かな暮らしを支えてきた要の地形を根こそぎ削ぎ取って、未来にわたって不毛の地にしてしまう、このとんでもない計画が見直されることを願い、こうした現実を多くの人に知っていただきたいと願います。
 同時に、仮に計画が始まってしまったその後も、こうした、周辺河川の環境変化を観測し、そしてそれをきちんと伝えていき、全国の、そんな思いで今回、周辺環境調査地点の視察に入ったのです。



 時折強く降り注ぐ雨の中、この杜の母のような大木たちの霊気に打たれながら歩きます。
 小さな尾根や露岩の上に、モミの巨木が点々と見られ、その周辺は林床に至るまで、ひと際豊かな森の様相を呈します。杜の主木として巨木となったモミの木が、マザーツリーとなって森を育んでいるのでしょう。

 それにしても、房総半島の極相林(その土地の風土環境が到達する森の最終形態)において、林冠の最高木として、細かな起伏の高みにはかつてはモミの木がこうして点在していましたが、今、そんな豊かな森はもう、房総ではこの山域から続く三浦層群一帯のほかにはないことでしょう。

 


 高木、中木、低木、そして林床の幼木、下草、土の中の菌類微生物たち、その豊かな営みがこれまでそれこそ数千年以上もの暮らしの環境を支え続けてきたのです。

 世界有数の人口密度を支え続けてきた、限りなく豊かだった日本の国土、その75%は山地であって、人間の大半は今、平野部に暮らし、そして社会インフラの多くもまた、平野に集中します。
 その平野の暮らしの安全と豊かさ、生産力も資源も、いのちの水も、空気も、そして快適で暮らしやすい微気候をも、永遠に生み出し続けてきたのが、一見経済価値がないように見られてしまう、この山地における豊かないのちの営みにあるのです。

 かつてはこの山の営みを守るため、要の樹木をご神木とし、環境の要を鎮守の杜として守り、そして水の湧き出しに龍神を祀り、そうして先人の懸命な努力によって、世界有数の人口密度を抱えながらもなお、この国は豊かな環境を今に繋いできたのでした。



 尾根筋に達すると、とても心地よい風が吹き上げて涼しく、大木が点在する森はまた、この土地の長年の営みを物語ってくれるようです。
 さっきまで地下足袋にたくさん吸い付いてきたヒルも、心地よい尾根の環境には全くいなくなります。
 不快な環境を招いてしまったのは基本的に人間に寄る環境の錯乱による部分があまりに大きく、ヒルも、荒れてしまった環境の叫びのように湧き出してくるもののように思えます。全てを壊してしまう人間を寄せ付けないための、大地の反応として、現れ、そして良い環境を保つ、例えばふかふかの苔むしたマザーツリーの根元や安定した尾根筋頂部などには、ヒルは全くいなくなります。
 そう思うと、人の営みと言うもの、そして自然の意志、そんなことをもっときちんと感じて、その法則の中に生きるすべを次世代に向けて知恵を絞って見出していかねばならないように思います。



 今歩いているこの尾根も、最大で標高40mにわたって削り取って平坦化し、そしてその土で深い谷を埋め、そして跡形もなく地形を変えたその上に、50万枚もの巨大なソーラーパネルが並ぶ、そんな計画が今にも動き出そうとしているのです。



そして、奥に見渡す尾根筋もすべて削り取って平らにし、地域の水源となってこれまで集落の暮らしを支えてきた尾根の手前の深い谷も、高さ80mもの高さで埋め尽くされようとしているのです。



 大切な山林の開発はこれまでも様々ありましたが、メガソーラーはそれらとは全く違う規模で、しかも壊して話いけない山地頂部もかまわずに行われるという点で、これまでの開発とはそのインパクトは比較にならず、それによって生じるであろう国土環境の劣化がどれほどの規模で広がってゆくか、想像もできないことでしょう。
 いや、もうすでに全国で様々な問題が早速起こり始めておりますが、まだそれは、ほんの始まりに過ぎません。
 それほどまでに、この開発はこれまでにない、未曽有の破壊につながる危険をはらんでおります。

 大規模造成事業の経済効果の高さも大きな後押しとなって、国策で強力に進められるメガソーラー事業、電力の需給に関係なく発電すれば、固定価格で必ず売却でき、そして大きな利益が見込めるメガソーラー造成の圧力は凄まじい勢いで、このまま放置すれば数年で国土はまるで別のものになり果ててしまう、そんな危険すら感じております。
 
 今、この現実を多くの人に知っていただき、身近な問題として放置できないことを多くの人と共有していかねばならないと感じます。

 西日本豪雨に広域被害もあり、今国土防災の在り方も問い直されております。
そんな中、メガソーラー造成含む太陽光発電設備造成のもたらす現実に、多くに人が気づき始め、全国各地で、計画地地元による反対運動が日増しに勢いを増してきました。

 反対賛成の二項対立ではなく、ただ単に、土地を生産力を未来永劫に修復不可能なまでに奪ってしまう今のメガソーラーは絶対にまずいということ、一時の繁栄のためにいのちの営みの根幹をここまで奪ってはいけない、そのことを基軸に、未来の暮らし方、文明の在り方へと力を合わせて方向を共有できればと願います。

 本質は、自然環境の健全化なくして、本当の安全も安心も、決して得られないということ。そのことを、声を大きくして伝え続けたいと思います。
 共感の輪を広げていき、少しでも早く、メガソーラー増設の波を収めていきたい、そう思います。

 今、全国で急速に広がるメガソーラーの問題を訴える各地地元の声を、大きな輪として伝えてゆくべく、来たる10月8日に急きょ、全国メガソーラー問題シンポジウムを開催することになりましたので、取り急ぎ、下記にご案内いたします。

 ~全国メガソーラー問題シンポジウムのご案内~

 日時;2018年10月8日(体育の日)

 場所; 長野県茅野市(中央本線特急停車駅)

     第一部;茅野市市民館コンサートホール(定員300名)
     第二部;茅野ユイワーク 情報交換会・質問・お話し会

 参加費;無料

 主催;全国メガソーラー問題シンポジウム準備委員会(事務局;小林峰一)

 タイムスケジュール;

 12;30 開場、受付開始
 13;00 開演挨拶及びお話し
  「そもそもソーラーがなぜここまで増えたのか」(仮称)
   佐久裕二氏(10分)
 13;10 基調講演① 「メガソーラーが環境を壊す10の理由」40分間
     高田宏臣(環境活動家、造園家) 
 13;50 基調講演② 「メガソーラーを止める10の方法」30分間
     梶山正三氏(弁護士)
 14;20 休憩(10分)

 14;30 各地メガソーラー計画地における住民活動事例報告と現地からのご意見
     *4か所ほど、各20分程度、報告していただき、様々な地域の問題と取り組みを学びます。

 15;50 総括、まとめ(各報告者のコメント)
 
 16;00 第一部終了 第二部会場(茅野ゆいわーくに移動)

 16;30 第二部 情報交換、意見交換、お話し交流会 
     *お茶お菓子は用意いたします。アルコールの持ち込みはできません。
 お話ししたいことがある方、各地の報告、活動紹介、質問もざっくばらんに承りながら、この場で交流を兼ねて、それぞれが次への展望へとつながるような、有意義な交流会になればと思います。

 18;00 第二部終了 解散
 
 18;30 懇親会(会場未定。事前申し込み制となります)

 シンポジウム参加は事前申し込みは必要ございませんが、懇親会は事前申し込み制となります。詳しい案内は追って公開いたします。

 *なお、今回の開催地となる茅野市は、霧ヶ峰山麓に計画中の諏訪市四賀ソーラー事業地の下流域にあたります。
 地元の住民団体「米沢地区Looop対策協議会」の方々の全面的なご協力、ご賛同の上、シンポジウムが開催されます。

 この後、第2回シンポジウムは今のところ、千葉県鴨川市「鴨川の山と川と海を守る会」の方々が名乗りを上げてくださっております。

 これをスタートに、この問題の本質を知っていただき、考えていただき、その関心の高まりのきっかけになればと思います。

 また、こうした集いが各地域で活動される地元の方々の励みや力になる、そして、この問題に対する風向きを変えて、良い方向に向かう原動力になればと思います。

 多くのご参加、多くの方の関心が、この問題を鎮めてゆく力になります。どうか、一人でも多くのご参加を、心からお願い申し上げます。

 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
仕事納めのダーチャフィールドと新施設のご紹介 平成29年12月31日
 

 昨日30日、ようやく年内の仕事を無事に収めて、高田造園ダーチャフィールドにて好例となった猪鍋&餅つき忘年会を迎えることができました。

 年内に手入れに回れなかったお客様、設計見積もりの提出が間に合わなかったお客様、来年優先的に始動いたしますので、どうかご了承くださいませ。



 寒風のもと、ホッカホカの餅をついて、お汁粉に磯辺焼きに大根おろしにあんこ餅、一年の納めはみんなの笑顔と笑い声と、威勢の良い餅つきの掛け声の中で締めくくります。

 今年はいろいろなことがありましたが、こうして無事、みんな笑顔で締めくくれれば、最高の一年を過ごせたに気づきます。



 数か所で火を焚き暖を採る。そして火の回りで談笑の輪が生まれます。
 大人の楽しそうな様子を子供たちは火の番をしながら、その光景を楽しい思い出のページの中に刻んでいきます。



 この日訪れた仲間は10数世帯の30人以上。皆の分の餅を伸し、鏡餅を作ります。

高田造園の忘年会で餅つきを始めたのは実はつい去年のことなのです。
 O157による食中毒防止のためと称して、官庁から学校幼稚園など公的施設に対して餅つき自粛要請が出たことを受けて、それを機に、当社では子供たちと餅つきすることにしたのでした。
 危険だとか不潔だとか言っていちいちなんでも排除していたら、子供たちは何から学べるというのでしょう。何でも管理されようとするつまらぬ社会の中、いったいどこで子供たちは伸び伸びと魂を育てていけるというのでしょう。

 おおらかな自然が育てる昭和の温もりに包まれて、多くの子供たちに、本当の温かさと伸びやかさを感じてほしい、ダーチャフィールドのイベントはいつもそんな思いで楽しみます。


 
 薪割りや火の当番は子供たちの仕事です。小4のわが子もいつの間にか上手に割れるようになっていることに気づきます。



 フィールドの畑や芝地に火入れするのもこの日の子供の仕事です。

冬の間に夏草を焼いて炭にして、そして大地の環境を育ててゆく、人類がはるか昔から行ってきた、大地環境との絆を感じるひと時です。

 わが子には見慣れた作業ですが、初めての子供たちにはとにかく新鮮で楽しく、煙の臭いと温かさに五感がゆすぶられて駆け回ります。



この光景を見慣れない人にとっては、危険なことのように映ることでしょう。
しかし、冬場の野焼きによる管理は大地環境の豊かさを持続させるための大切な作業なのです。
 こうした、大地と向きあう大切な智慧も今は多くが忘れ去られてしまっている中、ここでは子供にも大人にも、フィールドの日常の中でごく普通に行います。

 むろん、万全の消火設備を用意して、大人が見守りながらも、子供たちに任せるのです。



 温かな里山のいのちに包まれて、大人もこどもも一緒にはじけて楽しい時間を共に刻む、このフィールド整備を始めてまだわずか4年ほどですが、気の良い場所は、その場所自体が人を呼び集めるようです。
 この場がたくさんの幸せと出会いを育んでくれる、その中で、みんなが温かな心を育む場、来年もまた、この場をたくさんの人に利用していただけますように、ますますよい場に育てていきたいと願います。



 さて、今年の最後に少しばかり、これから始める新たな集いの場をご紹介します。
千葉県佐倉市、岩富城址の畔、2棟の古民家をイベントスペース&シェアダーチャ&ゲストハウスとして、開放すべく、整備を始めました。
 詳しくは来年ゆっくりとご紹介したいと思いますが、少々、今のゲストハウスとなる母屋の様子をざっと紹介したいと思います。



 一階の続き間4部屋程が、ゲストハウス兼イベントスペースとなります。



 渡り廊下はどこか懐かし気な香りを感じます。



 広間の神棚。千葉では基本的に神棚と仏間がセットで並び配されることが一般的でした。



 お風呂は24時間循環ろ過、酵素風呂です。



 薪ストーブのある共同のキッチンは集いと憩いの場となります。


 
 使いやすく温かい時計型ストーブは採暖のほか、煮炊きにも重宝です。



 玄関は、ジブリ映画、千と千尋の神隠しにでてくる湯屋をイメージして照明をコーディネートしてます。

 ここでもまた、様々な出会いと学びと憩いの場となり、いのちのつながりを感じる場として育てたい、そんな思いで「いのちの杜」と命名しました。
 
 高田造園設計事務所、ダーチャフィールドと共に、古民家ダーチャいのちの杜、これからどうぞよろしくお願いします。

皆様、よいお年をお迎えくださいませ。どうもありがとうございました。




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
本年の終わりに  これからの活動に向けて  平成28年12月27日


 例年のとおり、年末は来る日も来る日もこれまで作らせていただいた庭の手入れに追われます。
 造園の仕事を始めてまもなく四半世紀になりますが、師走はいつも、休みのない手入れ行脚を乗り越えて、新たな年を迎える、そんな生活をずっと繰り返してきたことになります。

 今年も残すところあと数日、今年の仕事もいよいよ終わりが見えてきました。

 写真は2年前に作った葉山Sさんの外空間、エントランスです。手入れと同時に、継続的な環境改善作業を施し、そして一日の作業を終えると、日は落ちて、夜景の中に浮かび上がります。



 今秋はどこも、見事な紅葉を見せてくれました。ここは4年前に作らせていただいた、千葉市内Sさんの外空間。
 お施主さんの愛情は確実に木々や庭の生き物たちに反映されます。
 私たちが手入れにうかがい、毎年手を触れて木々に語らうだけでも木々は喜び、元気に反応してくれるもので、ましてそこに住む人の木々やいのちに対する愛情と想いが環境を豊かに育てていき、そしてにぎやかないのちの輪の中に調和させてゆくことをいつも実感させられます。

 木々をいたわり、落ち葉にさえも感謝し、落ち葉掃除を心の掃除と考えて、優しい心持で住まいの環境と向かい合う、そんな方々は木々からも小鳥や様々な生き物たちからも歓迎されるのです。



 今年の春、埼玉県草加市のお施主さんから、シジュウカラのひなが庭でかえったという喜びのメールとともに、かわいいひなの写真が送られてきました。



 この写真は今年初めてウグイスが来てくれたという、歓喜のメッセージとともに送られてきた写真です。
 街中のわずかな一点、オアシスのような小さな雑木林の庭空間に、今はたくさんの小鳥たちが訪れて、そしてそこでまた巣を作り、巣立っては帰ってくる、そんな営みがにぎやかに繰り返される場所が、街中の点の空間に誕生するのです。

「小鳥たちにとって気持ちが良いように手入れしてくれればいいですから。」

 お施主のKさんはそう言います。そんな素晴らしいなお施主さん方々に私たちは育てられ、支えられているからこそ、、信念を曲げずに生きていけるのだなと、こうして手入れに回るたびに改めて感じさせられます。 そんなお客さんは何よりの心の宝です。

 手入れに回る中、かつて自分が作った庭の成長を感じるとともに、実はそれは過去の自分が作った庭であるということも、はっきりと感じさせられます。
 10年前の庭、5年前の庭、2年前の庭、、、どれも今の自分の作り方とはずいぶん違いますし、来年はさらに変わってゆくことでしょう。

 もちろん、だれがどんな作り方をしたかなどは些細なことで、植えられた後、木々や庭環境、生き物環境に対する人の愛情の注ぎ方、環境との対話と対処の仕方こそが、その環境を人にとっても他の生き物たちにとっても心地よい、穏やかになって自然の呼び声を感じさせてくれる空間へと育てていきます。
 大切なことは作庭後の環境との付き合い方なのでしょう。人が変わってゆくように、庭も変わっていきます。良い方向へと心地よく育ってゆくように庭を導くのは、お施主の愛情、そして同時に、人と木々の声とを繋いでゆく我々庭師の役目かもしれません。

 師走と言えども手入ればかりでは済まされません・・。今月、手入れの合間にかかり始めた海辺の庭・環境再生工事の様子を少しご紹介します。



 千葉県旭市、海岸平野の砂地の庭の改善工事に着手しました。
 カチコチに締め固められて呼吸しない大地。ここをいのちの息づく豊かな自然環境へと再生してゆくのです。
 海にほど近い砂地で、しかも土壌微生物環境も崩壊した土地に木を植えて、健康で息づく土地へと改善してゆく、その環境改善・植樹の模様をご紹介します。



ここで植樹の際の土壌環境改善資材として用いたのが、大量の廃瓦と、



剪定枝を山中に放置して菌糸の張り巡らされた腐植枝です。



 樹木を植えるために掘った植穴の底に数か所ほど縦穴を開けて、そこに廃瓦と有機物、炭を挟み込みながら、縦方向の通気浸透ラインを作ります。




その上に、植穴底に竹炭、燻炭をまぶして攪拌し、



その上に腐植枝と廃瓦をまぶし、



 さらに腐植枝葉をサンドイッチしながら炭をまぶし、また廃瓦を重ねていきます。



 それに、掘り起こした現地の砂に腐葉土、炭燻炭を攪拌してふんわりとまぶしていきます。
腐植枝、廃瓦、改良砂、炭、これらをサンドイッチするように繰り返しながら、植穴を埋め戻していきます。


 これで、砂地においてもしっかりと土壌環境が育ってゆく、そんな下地環境造作がひとまず完了です。



 植樹の前にさらに、再び腐植枝を井桁状に敷き詰めていき、



そしてその井桁の上に、掘り取った大木を載せていきます。
 見た通り、土に埋めるのではなく、砂の重さや根鉢の重さにも圧密されない空間豊富な下地の上に根鉢を載せるのです。



枝葉の井桁に乗っかることで下地土中の通気環境、隙間の空間を保つのです。
 腐植枝葉からすぐに様々な菌糸が伸びてきてその粘性によって砂を捕捉し、生き物の活動によって豊かな土壌へと変えてゆくのです。



 そして、埋め戻しの際にさらに割れた瓦片を根鉢の周りにすき込みます。
多孔質で保水性に富む瓦片に樹木根はすぐにびっしりと張り付いていき、そこで呼吸し、多様な菌類微生物の働きと相まって、この無機的な砂地の環境をいのちの源となる土壌環境へと短期間で変えてゆくのです。

 砂地は粒度一定であることが、多彩で豊かな植物環境が育ってゆくうえでのネックとなりますが、それを踏まえた改良のコツがあります。
 それは、例えば海岸砂丘に草木が生えて安定してゆく過程を見れば容易に掴めることなのです。
 何も特殊な資材や、土の専門家がすぐに勧めたがる培養土や改良材など全く必要なく、その辺の廃材を用いてこそ、恒久的な命の息づく土壌環境へと変貌させることができるのです。

 自然界の働きに沿ったこうした方法は間違いなく、環境を浄化していき、そして眠っていた命が再び目を覚まして、心地よい空気感へと変えていくのですが、人はどうして自然本来の働きの力を借りないのか、菌類微生物、そして植物の力を借りてこそ、我々は安全に快適に暮らせる環境が作れるというのに、それを、「有用微生物」と「有害菌」などと、自然界の命を人間都合で切り離して、都合のよいものばかりを集めようとし、そして都合の悪いものを排除しようとしてきた結果、今の取り返しのつかないバランスの崩壊、環境劣化、環境破壊を招いてきたと言えるでしょう。命はすべてつながっているのですから。
 誰のせいでもなく、我々一人一人の、大地における向き合い方を改めて問い直すときにいる、日々の仕事の中で今年ほどそれを強く感じた年はありません。



 根鉢の周囲を、改良した砂と廃瓦などで埋め戻せば、大木移植の完了です。
この方法で植えれば、支柱もいらなければ灌水も必要ありません。粘性のある菌糸が保ってくれるしっとりした土壌環境に根が完璧に守られるからです。

 これが真実なのです。自然に逆らうことばかりしていると、移植後も土が乾燥し、土壌生物環境は育たず根は守られず、したがって支柱も必要になり灌水も必要になります。
 これまでの狭い常識にとらわれず自然や目の前の事実から素直に学んで、そろそろ根本的に考え方をあらためるべき、人間は今こそそこまで進化しなければなりません。
 そうでなければ、人の存在すべては自然界のがん細胞として、いずれは自らの生存基盤をも失ってしまうことでしょう。



 自然の一員としての人の在り方、地球に対する責任、周辺環境に対する人の責任、そしてそんな配慮が心を豊かにしてくれる、そんなことを伝えたくて、今年は数えてみると、実に30回近い、環境改善講座やワークショップ、レクチャーをこなしてきましたことになります。
 
 今年の活動をじっくりと総括し、そしてさらに学びながら、来年の取り組みにつなげたいと思います。



 今月、おなじみの土気山ダーチャフィールドに新たに建てた山小屋です。
3坪の板倉小屋に屋根のあるデッキを伸ばして、五右衛門風呂と炊事場を一体化したモデルです。



 カラマツの焼き丸太杭を土台とした掘っ立て構造によって土地を傷めずに森の中にそっと割り込ませてもらいます。
 デッキの下のかまどは、五右衛門風呂の焚口です。



 デッキが炊事洗濯お風呂など、生活の場となります。その排水は土中の菌類微生物によって分解消失されるよう、浸透孔をつくり、この土地の環境中へと還していきます。
 命の循環はそこが実は最も大切なことで、還すところから新たな命が力を得てつながってゆく、その当たり前のことすら、今の文明は排除し続けているのです。
 本当の人の在り方を学び思い出す場所、志を共にする仲間たちとそんな取り組みをすすめてゆくために、今月、NPO法人地球守を設立いたしました。
 今年、私たちがやってきたことを継続し、さらに活動の幅を広げ、来年につないでいこうと思います。

 共感してくださる方、ともに楽しく関わってくださる方、どうぞご参加をお待ちしております。

 今年もたくさんの人にお世話になり、感謝の想いに満たされます。来年も力いっぱい生きていこうと思いますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

 皆様、良いお年をお迎えください。地球のすべての平和と安心と温かさをお祈りし、そして皆様のご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。

 どうもありがとうございました。






投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
植物酵素作り講座のご案内と、つくば市緑地環境再生経過報告 平成28年11月14日


 秋の雑木林、それに向かい合い静かに心を通わせることで、駆け抜けてきた一年間の心身疲れは心地よく癒され、その空気の優しさに包まれる中で、来年へと、未来に向けてすべきことを指し示してくれるようです。
 秋の紅葉と雑木林の静けさはいち早く年の瀬を感じさせてくれます。




 健康な森の林床ではこの時期、降り落ちたミズナラのどんぐりが根を出し、冬越しの準備を急いでいるかのようです。
 
 最近、荒れた森ばかり目にすることが多くなった中、まれにこうした健康な大地に踏み入ると、心からの安堵とともに、無性に愛おしさを感じ、体内のエネルギーが高まる気がします。
 大地の営み、いのちの輪、それを健康な形で未来へとつなぐため、こうしたいのちの息づく森の心地よさに背中を押される思いです。それを一身に背負ってこれからもさらに、頑張っていきたいと思います。

さて、遅くなりましたが、11月23日勤労感謝の日に予定しております、手作り野草酵素つくり講座は下記のとおりです。

講座名; キロン手作り野草酵素作りワークショップ&講座

講座内容;
 身近な植物、野草、果実を発酵させることによって、安全でおいしく、そして体に良い植物酵素の培養を学び、実際に各自作りながら、ノウハウを学びます。
 秋の果物や、周辺に普通に生えている野草、野菜から、酵素を作る方法を学びます。

講師; 
 「キロン癒しの自然食」山室紀子氏(五風十雨農場事務局)

講師略歴;
 弟の障害により福祉職を歩み、医療の実態を目の当たりにし、現代医学や薬に疑問を持ち自然に即した生活を営む。
 子供の植物アレルギーやアトピーに悩み、抜本的な改善を模索する。
 美味しさや体の喜びを追求し、手軽に継続できる「手作り酵素」つくりに魅了されて8年目。
 2年半前に埼玉県から山梨県北杜市へと移住。
 南アルプスの麓、安全でエネルギーあふれる食材に恵まれ、天然素材でより効果的な酵素研究を続ける。
 現在、関東各地で、移動販売&酵素を作る会を開催。全国の自然栽培農家さんを応援するため、農産物での酵素作りも実施。

キロンさんが作る手作り酵素の特徴

 健康な土地のエネルギーあふれる山野草や、天然のフルーツ&野菜で発酵。
 植物性乳酸菌をたっぷり含み、ミネラルとビタミンを意識し、絶えず酵素の力を高める工夫を続ける。
 大根から作られた甜菜糖を愛用しつつも、極力糖分を減量し発酵にこだわり作っています。
 非加熱のため、酵素は生きたまま体の隅々まで届き、瞬時に体温が上昇します。
 腸が活性化しデトックス効果も高まります。子供からお年寄りまで、どなたにも効果的に用いていただけます。


日時;11月23日(水) 勤労感謝の日
 午前9時15分開場 30分講座開始 14時~15時くらい終了予定

主催;NPO法人地球守 後援・協力;五風十雨農場、高田造園設計事務所
   講座担当 竹内和恵(NPO法人地球守理事 セルフ庭作り設計、風和里代表)

開場;千葉市緑区高津戸町 高田造園ダーチャフィールド(外房線土気駅より徒歩15分)
  駐車場あり。お申し込みの際、交通手段をお知らせください。

募集人数;ワークショップ作業参加者合計10名程度のほか、オブサーバー参加5~6名程度まで受付いたします。
 また、お子様連れ大歓迎です。小さな子も安心してお連れください。
 *実際に皆さんが作れるようになっていただくよう、濃密な内容の講座とするため、人数制限を設けさせていただきました。ご了承いただければ幸いです。

申し込み方法;

担当者まで電話または、高田造園設計事務所等にてメールでも受付いたします。
担当竹内和恵090-5501-4956

参加費; ワークショップ参加者;5000円(講習費・材料費込み。作った酵素は持ち帰りいただきます)
     オブサーバー参加者;3000円 講習に参加いただき、実際に作る作業は見学いただきます。

ワーク参加者各自の酵素仕上がり量;2キロ酵素原液 約一リットル弱
出来上がりまでの流れ
1.当日、会場で仕込み、種菌を投入自宅へ持ち帰り
2.5日前後、自宅で材料を混ぜる
3.発酵 容器に2度漉し1週間熟成
4.完成、保存
 

持ち物;
 屋外作業ですので動きやすい服装。雨カッパ、長靴、タオル、お弁当、

 ワーク参加者;包丁まな板、大きめの笊またはカゴ(*希望があればこちらで事前に用意いたしますので、その際は必ずお申し付けください)
 酵素を入れる仕込み容器 (果実酒8㍑サイズがベスト。混ぜるので、間口に手が入る大きさ*こちらでも容易可能) 
 他、使いたい果物など、600グラム程度(*なければ構いません)
 果物購入のポイント
・国産・旬・新鮮・種のあるもの・可能な限り無農薬無化学肥料(果物を酵素液に漬けおくことで農薬成分を分解することもできます)

詳細は電話またはメールにてお問い合わせください。

さて、ついでに、一昨年の秋、つくば市内の住宅開発地の緑地環境改善にかかりました、春風台住宅地の改善経過を、写真にて簡単に報告いたします。



 環境改善・植樹後2年経過。大型宅地開発の影響で土が固く締まり土中の水が広範囲に滞ってしまい、街路の樹木も健全に育たない環境を改善、植栽しました。
 改善実証区はその一部、街路延長約100mにて、実施しました。
 平坦な土地に溝を掘って土中の空気と水を動かし、そして土中の微生物環境多様化と共存効果を期して、植栽マウンドごとに密植混植を施しました。

 吹きさらしの開発地にあって木々は健全な樹勢を保ち、風景としても環境としても育ってきている様子がわかります。



 一方、実証区の隣接地に、同じ時期に従来の植栽方法によって植えられた木々は、土中滞水の影響を受けて根が伸長できず、枝先は枯れて成長せず、不健康な様相を見せていました。
 道路を挟んで向かい合う対照区を比較すると、土中の水と空気を動かすことが健康な環境再生のための決定的なカギとなることが明らかに見えてきます。



 この住宅地は接道部分12mもの幅の緑地帯を持つ、緑住農一体型の住宅地として計画されましたが、開発に伴う大規模造成によって壊してしまった土壌環境にいくら木を植えてもなかなか健康には育ちません。
 植樹の周囲だけ良い土に入れ替えようが、根本たる土地の通気透水環境が改善されない限り、入れ替えた良土もすぐに硬化し、いのちを失います。

 大地の力を徹底的に衰えさせてしまった現代において、我々は土の中の見えない世界にきちんと目を向けていかねばなりません。





 一方で、土壌通気環境を改善して植樹した環境再生実証区の緑地帯は今や、開発によって激しく傷んだ環境にあってもここだけは力強く、良い環境を再生しようとしているようです。

 木々が健康に育つ環境、それは人の健康にとっても大切です。植物も健全に育たない環境で人間だけ健康に生きられるなど、長い目で見れば本来あり得なるものではないはずです。

 その土地に向き合い、あらゆるいのちが息づくことのできる大地の呼吸環境を取り戻すことこそ、豊かな環境を再生、蘇生してゆくカギとなる、この実証区の木々はそのことを証明してくれます。



 一昨日、所用で訪ねた長野県諏訪郡の井戸尻遺跡。心地よいところです。縄文時代、この周辺には縄文集落が集中し、当時の日本の人口の10パーセントがこの地域に集中していたと言います。
 八ヶ岳や南アルプス周辺の山々と、そこから土中に流れる清冽で力強い水脈環境が、豊かな土地を育み、そしてその土地の生産力の高さゆえに多くの人口を養いえたのでしょう。

 豊かな環境、と言うと、つい目に見える緑ばかりを想いがちなものですが、本当の環境の豊かさは、見えない土の中の正常な呼吸と循環によって成り立つもの。
 豊かな未来の環境を見据えて、コツコツと歩んでいきたいものです。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
ダーチャ小屋つくりWSのご案内と、土屋根つくり 平成28年10月7日
 さて、千葉市緑区の高田造園ダーチャフィールドでの、板倉ダーチャ小屋つくりワークショップのお知らせです。
 板倉小屋つくりワークは昨年も行いましたが、大人にも子供にも好評でしたため、今回もまた、みんなで建てるワークショップにて行うことにいたしました。

詳細は下記のとおりです。

日時; 10月29日土曜日 朝9時より (30日に小屋本体完成です)

持ち物; 動きやすい服装、お弁当、水筒、軍手、着替え、タオルなど

費用; 無料です。

主催; NPOちば山、高田造園設計事務所 共催;NPOダーチャサポート、NPO地球守

参加資格;
 大人も子供も大歓迎です。子供はフィールドや小屋でたくさん遊べます。見学やリクリエーションとしても当日は公開ですので、どうぞ遊びに来てください。
 子供に大人気の五右衛門風呂もございます。よろしければ薪で沸かすお湯の気持ちよさを味わってお帰り下さい。

場所; 高田造園ダーチャフィールド(千葉市緑区高津戸町 外房線土気駅より徒歩20分)

申し込み方法;
 
高田造園設計事務所 高田、またはNPOちば山 中村まで電話、またはメールにてお問い合わせください。

 前回のWSの様子を少々、コメントなしの写真のみでざっとご紹介いたします。
















さて次に、高田造園設計事務所敷地内の自然分解バイオトイレの芝屋根施工手順を下記にご紹介します。




 敷地の一角に、自然分解バイオトイレ小屋を建てました。小さな建屋ですが出し桁で屋根をどっしりと設けます。



トイレは穴を掘って落ち葉枝葉、炭を敷いただけの簡素なものですが、頻繁に使ってもまったく匂いはなく、ハエも全く沸きません。腐敗させずに土壌中で分解してゆくサイクルができれば、匂いも腐敗も起こらず、糞尿はきれいに分解消失して、大地の生き物たちへと還元されてゆくのです。



今回は、この屋根を土草の屋根とする工事手順を紹介します。

 野地板、杉皮等を用いた、水を通さない下地の上、トタン波板を葺きます。破風、鼻隠しは土を載せる高さの分、6センチくらい高めに設置します。



 トタンを止めるビスにはしゅろ縄を巻いて防水します。この工法は江戸時代の木製水路の釘止め部分の水漏れ防止に用いられてきた方法で、高い防水効果が持続します。



屋根勾配は一寸から一寸五分程度の緩やかなものとし、軒先の鼻隠しの幕板との間に1寸程度の隙間を設けます。



そしてその部分に枝葉を絡ませていきます。



 軒先部分の枝葉絡み終了。ここに菌糸が絡み、それが土を安定させて大雨の際でも泥水を落とすことはなく、浄化されたきれいな水のみがシトシトト落ちるのです。



 波板の凹部分に木炭を敷き詰めます。これも、ここに微生物菌類が住み着き、常に適度な水と空気を保ちます。



土、もみ殻燻炭、竹炭を混ぜて攪拌し、軽量の屋根土を作ります。



軽く、通気性、保水性たっぷりの土壌となります。



 炭を敷いた上に、この土をかぶせていきます。作業は片面ずつ進めていきます。



 現場で余ったノシバを軒先に張り、それ以外の部分にはノシバの種を播種したうえで植物を繊維状にチップ化したものに燻炭を混ぜて絡ませるようにかぶせます。
 これですぐに菌糸が表層に絡み、大風でも大雨でも飛ばない安定した状態を作ってゆきます。



これに、菌類植物の生理活性のための複合発酵酵素液を散水して完成です。
 照り返しのない、環境にやさしく溶け込む屋根として育ってゆくことでしょう。

 このまま、ノシバとともにこの環境に適応できるコケや草が覆ってくるでしょう。この場で微生物菌類の住み着きやすい環境つくりに配慮すること、そのための植物資材の扱い方がポイントとなります。

 屋根緑化に、大げさな人工資材や、環境に悪いうえに効果の持続しない接着剤、防水剤など、本当は全く必要ないのです。
 屋根を伝う水をも浄化し、照り返しを防ぎ家屋周辺の微気候緩和にも貢献する、まるでかつてのかやぶき屋根のような和やかな風景や健康な空気感を低コストでつくる、こうした屋根も今後普及していくことを願います。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
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