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雑木の庭つくり日記

古材を活かす 小屋を作る   平成24年2月26日
 古民家を解体する際に発生する古材の在庫が溜まってきたので、高田造園の出入り大工に好きなように扱わせたところ、私の自宅にこんな小屋が建ち始めました。



 柱と桁、梁に棟まで、軸組みの骨格が組みあがりました。
 建坪1坪あまりの小さな小屋ですが、素晴らしい古材をふんだんに扱った贅沢な作りです。



 梁や小屋束は、千葉県山武市の茅葺き民家の古材です。150年前の材で、味わい深く、長年のぬくもりが宿っています。
 桁と棟木は、千葉県佐倉市の入母屋民家を40年間支え続けて解体された通し柱です。



 曲がった松梁をうまく組み合わせて組み上げた小屋には力強さが宿り、見る人の体内エネルギーを活性化してくれるようです。
 150年前、梁を刻むのにチョンナではつったその跡が、温かみと素材の質感を引き立てています。



 柱の基礎もかつての民家同様、風化しにくい川石の形なりに柱をひかりつけて合わせていきます。
 柱は千葉県が誇る硬質で非常に耐久性のある良材、イシビを用いています。



それにしても、72歳のうちの大工は小屋造りを楽しみすぎです。たかが物置小屋なのに、その屋根も贅沢に木小舞を連ねて豊かな質感を演出しています。
 屋根は瓦屋根となります。

 小屋を組み上げる、あるいはつくり上げる、こうした小屋造りにこそ、かつての知恵が活きてきます。
 訳の分らぬ規制にがんじがらめの今の建築基準法住宅、あるいは工業製品としてのメーカー住宅によって破壊され続けるかつての住まいつくりの知恵、持続可能な未来を作る大切な知恵を、規制の対象にならない小さな小屋造りを通して伝えていければと思います。

 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 (2012年2月26日 19:24) | PermaLink