お客様各位
造園設計施工業務の受注および、一般個人庭園のメンテナンス業務 段階的縮小のお知らせ
平素は大変お世話になっております。
この度、環境活動に注力するため、㈱高田造園設計事務所における一般個人庭園設計施工の受注をと、個人庭園のメンテナンス業務を段階的に縮小することになりました。
環境再生を伴う造園環境設計施工については、引き続き継続してまいりますので、お問い合わせください。
また、これまでうちで提供した造園メンテナンスについて、可能であれば他へ引き継ぎながらも、強い要望がございましたらなるべく対応いたしますが、時期や回数については変更をお願いする場合がございます。
大変恐縮ながら、予めご了承くださいますようお願いいたします。
長年お世話になってきましたお客様方々には、ご迷惑をおかけすることになるかもしれません。また、長らくお付き合いくださったお客様にも心惜しく、こうした変化は寂しいものがございます。
また新たな形でお付き合いが継続すればと思いますので、どうかご理解いただきますよう、心よりお願い申し上げます。
メンテナンスについては、今後、当社を卒業した弟子たちあるいは雑木の庭を理解する同業者への移行をお勧めいたします。また、その際の相談については、いつでもご連絡くださって構いません。
なお、子供たちのためや未来につながる環境の再生業務、あるいはその啓蒙、環境危機に際して本質的な面を共有できてなおかつ、時代的意義のある業務については、個人、法人、市民団体、行政団体の区別なく今後も継続して承ります。
私は東日本大震災を契機に、非常事態においてのセーフティネットとしてのダーチャ活動や、いのちを支える根本である環境再生活動及びその啓蒙に軸足を移してまいりました。
2016年からはNPO法人地球守を設立し、造園の仕事と並行して環境活動、啓蒙活動を行ってまいりました。
そして、2019年秋、再三の台風被災、会社をあげての被災地支援活動を経て、昨年12月、民間企業初となる環境・気候非常事態宣言をいたしました。
本来「非常事態」と言うのは、「通常の状態」に戻ったときに終了しますが、今迎えている環境非常事態は、残念ながらこのままでは終了することはないでしょう。
終わりのない非常事態に際して、これまでの仕事をきちんと整理して、やるべきことに注力してゆくことを決意した次第でございます。
私はこれまで各地の山林、被災地等に足を運び、環境荒廃の進行具合を調査観察し続けてまいりました。
また、その本質的な原因と再生方法について、できる限り周知に努めてまいりました。
環境の問題は今、手遅れ寸前と言われながらも、現代社会はその問題の本質から軌道修正することはなく、自然災害、感染症等、環境悪化に起因する生命や文明社会の問題は日ごと年ごと深刻化することが確実な情勢と認識するに至りました。
今後ますます、想定外の危機的な事態は増してゆくことでしょう。その際、われわれは、できる限りの被災者支援活動や環境再生活動および本質的な気付きを促す活動に注力していかねばなりません。
こうした事態を招いてしまったのは、私たち現代に生きるすべての大人の責任でございます。
私たちが環境の恵みを享受しつつ豊かに生きてこられたのは、ひとえに代々の先祖が守り伝えてくださったお蔭でありながら、私たち現代人は、果たして子孫に感謝される存在と言えるでしょうか。
一時の利便とお金のために環境を壊し、安全で豊かな未来を奪い、そしてその危機を認識しながらもなお、生き方や行動を変えることなく、次世代の希望を奪い続けているのが我々の姿です。
加速的に悪化してゆく社会、環境を目の前にして、微力ですが、少しでもよい未来のため、少しでもよい環境を子供たちに手渡してゆくため、力を尽くしていきたいと思います。
また、そうした、軌道修正の道筋を示すことも、私たちの次なる使命の一つと考えます。
ご迷惑を心よりお詫び申し上げます。
同時に皆様もまた、今の時代、そして未来のために何をすべきか、本気で考えていただくきっかけとなればなお、幸いです。
長くなりましたが、今後もまた、仕事と言う形ではなく、未来のために生きる者同士として、ご縁が繋がればとてもうれしく思います。これまでどうもありがとうございました。
令和2年9月15日 ㈱高田造園設計事務所代表取締役 高田宏臣
環境・気候非常事態宣言
株式会社 高田造園設計事務所
現代文明の活動が主な要因となって地球環境は劣化し、生態系の健全な循環はもはや不可逆的に失われつつある。
地球環境は無限というべき複雑な秩序(一般的にシステムという)によって成り立っている。人間を含む地球生態系のシステムが「臨界点」を超えると、もはや地球全体が後戻りできなくなり、地球上のほとんどが居住不可能となる可能性が指摘されている。
「臨界点」という概念は、気候変動に関する政府間パネルによって20年前に導入されたが、今まさに地球環境は臨界点が迫っているか、あるいはすでに超えた可能性があることを、世界中の気候科学者たちが警鐘を鳴らしている。
国連の最新の報告においても、600人の専門家による3年間の検証の末、「気候変動と環境破壊は予想以上に加速しており、臨界点に近づいている」と警告している。
これまでの人類文明の歴史においても、文明活動によって地域的な気候を大きく変えてしまい、不毛の地と化してしまったことが文明滅亡の大きな要因となった事例はいくつも示されてきた。
近年においても、豊かな地域環境を破壊してしまった一例として、自給率100パーセントの恵み豊かな国土を有していたアフガニスタンが、戦争の末に短期間で不毛の砂漠が拡大し、地域的な気候まで変貌したことがあげられる。
こうした事実は、自制なき文明活動の行使によって、人間含む生命の母体である自然環境の循環と安定が、今や短期間に壊されてしまうということを、現実的に明示している。
また同時に、人類の文明活動を支えてきた従来の思考の在り方や視点、黙認されてきた行動の理由の延長線上には、もはや持続的な文明の存続はないことをも示唆する。
機械力も技術力も大きく進歩を続けて歯止めのない現代、人間社会としての意思と行動そのものが、以前とは比較にならない規模と速度で環境の循環システムを不可逆的に破壊し続けている
それは、地域的な人類・社会存亡の危機にとどまらず、地球全体の「文明の存亡の危機」という科学者たちの指摘もまた、現実的なものとして広く支持されつつある。
こうした地球規模の危機的な状況の中、2016年12月のオーストラリアの地方都市であるデアビン市が「気候非常事態」を宣言して以降、その動きは世界中に拡大し続けている。
デビアン市の宣言から三年後の今(2019年12月現在)、世界中で1,100以上(2019年10月時点)の国や自治体、大学等が非常事態を宣言している。
今や、気候非常事態宣言下の住民総数は世界中で2億人を超え、この動きは今後数年間のうちに加速度的に広がると考えられる。
日本においても、2019年9月に長崎県壱岐市が気候非常事態宣言を決議したのち、3か月という短期間の間に、神奈川県鎌倉市、長野県白馬村、長野県、福岡県大木町、大阪府堺市、鳥取県北栄町と、7自治体が宣言を決議するに至った。(2019年12月20日時点)
また、民間組織では、千葉商科大学が、激化する気候変動に対する緊急メッセージを発出している(2019年11月)
日本において、こうした急速な動きは、2019年秋以降のことである。
それは、2019年9月以降、連続して東日本に上陸した台風15号、19号、21号に伴う、想定を超える大規模かつ広域な水害土砂崩壊等の自然災害によって加速されたと思われる。
高田造園設計事務所では、主に2008年以降、水害や土砂災害の発生した流域環境や、高木枯れに象徴される森林の崩壊地などの環境調査を独自に続けてきた。
また、2019年9月以降、度重なる台風・豪雨の度に、当社も周辺地域も多く被災している。
その中で、県内地域の復旧対応にも会社を挙げて取り組んできたと同時に、風倒木の激甚被害地、水害発生地、氾濫河川の流域環境、土砂崩壊地等において、主に周辺環境・土中環境の健全性という面から調査を続け、環境の現状や、災害発生を多発させる真因についての周知のために尽力してきた。
自然環境の健全化なくして、地域や国土の安全も安定も豊かな生産性の持続もなく、そしてさらには人類文明の持続もありえない。
今の危機的な地球環境問題に、世界中で頻発する大規模災害に際して、その原因として、温暖化に伴う気候変動ばかりが注目され、残存する森林や河川などが持つ環境機能の著しい劣化については、あまり議論されていない。
環境保全機能の発揮が期待される森林については、伐採や開発による森林面積の減少ばかりが問題なのではなく、森林の分断や、小面積の点状あるいは線上の無秩序な開発が今や、周辺広範囲において潜在的な環境機能を、水面下で著しく損じていることに視点を向け、対策する必要性を提起する。
山林が残されても、その貯水機能、地形安定機能、生態系育成機能、水源涵養機能といった、山林・大地の質(ポテンシャル)は今、世界的に劣化し、日本においてもそれはここ数年、目に見えて加速している。
世界的に議論の中心となる、文明活動によるCO²排出量のオフセットは重要な課題であるが、「再生可能エネルギー推進」という名目によって行われ、それによって引き起こされる地域環境の著しい劣化を伴う現状について、早急に周知し、万物生存と持続の母体である自然環境を壊さぬ形での再生可能エネルギー推進の在り方を模索する必要がある。
山地でのメガソーラー発電所建設のように、森林を伐採し、山を削り谷を埋めて大規模に造成されてしまえばもはや、その土地の環境のポテンシャルは1000年たっても再生されない。未来の環境を永遠に奪うこうしたやり方は、早急に見直される必要があると考える。
環境の要というべき尾根筋も岩場も谷筋も問わず、一律で広範囲の皆伐を伴うバイオマス発電の燃料供給の在り方など、地球規模の気候変動の時代において、なお一層の問題となる。
現代文明を支えるインフラ整備における工法もまた、根本的に自然環境に相反して永続せず、より破壊的に周辺環境を傷めているという現実について、市民、専門家双方への周知と、工法の改善を促す必要がある。
2019年秋、当社拠点の在する千葉県における台風及び豪雨による水害土砂災害、風倒木被害地の環境調査を通して、土壌を含む自然環境の劣化は予想を超えて進んでいる現実を目の当たりにするにおよび、ここに環境・気候非常事態宣言するとともに、以下に今後の会社としての活動方針を公表します。
(*ここに、「気候」非常事態ではなく、あえて「環境・気候」非常事態という)
1.環境再生や造園における業務で発生するすべての有機物は大地の循環へと還元する。また、解体廃材などのすべての無機物も、環境再生のための資材として再生利用する。そして、こうした造園建設土木の在り方を啓蒙普及に努める。
2.当社の役割は、大地・環境の健全な機能の再生を主とし、クライアントや関係者への環境非常事態の啓蒙に努める。また、環境の再生・健全化を伴わない造園土木建築の工法は行わない。
3.当社で行う土木造作建築造園造作において必ず、環境のポテンシャルが自律的に改善、再生される工法にて行い、こうした工法の啓蒙普及に努める。
4.造園業務においては、生態系として育ってゆく環境ベースの再生や改善に徹し、植樹と土中環境健全化を主とし、そしてその後、木々が自律的に健全に育つ環境育成に努める。また、その手法と視点の啓蒙普及に努める。
5.一般的な標準仕様として行われる現代土木建設等、インフラ整備の工法について問題と改善点を研究、指摘し、周辺環境再生に導く工法の開発をサポートする。また、その工法指導、啓蒙、普及に努め、標準的な工法へと確立されるよう尽力する。
6.環境調査、災害地調査、環境改善指導業務を継続し、身近な環境において急速な劣化の現実を伝え、改善のための道筋を示すことに努める。
7.文明の持続と安心して生きられる地域環境と共生してきた先人の智慧に学び、その視点を深め、伝えてゆく。そして未来へと持続する良好な自然環境を育み、再生し、その手法と視点を広め伝えてゆく。
8.気候危機への適応という観点で、今後の大規模災害に備え、迅速な被災地救援活動体制を整備する。
9.特定非営利活動法人地球守等の活動と連携し、広域災害等によって文明の機能が停止した際、当社所有の施設を開放し周辺住民の避難所とする体制を整備し、周知に努める。また、非常時の生存の源である清冽な湧水を保ち、その大切さの周知に努める。
10. 今後の危機に際し、その緩和のために環境再生活動に尽力し、持続可能な文明の在り方の見直しと再構築のために、各行政機関、関係諸団体との連携を模索し、多くの国民市民とともに広げてゆく。
以上、宣言する。
令和元年(2019年)12月23日
株式会社 高田造園設計事務所
代表取締役 高田宏臣
ワークショップ&講座のお知らせです。
4月24日(日曜日)、千葉県長生郡長南町「千の葉学園」にて、バイオトイレつくりのワークショップを行います。
○主催 千の葉学園 (講師;高田宏臣)
○日時
4月24日(日)
集合:9:30
ワーク開始:10:00〜午後
○参加費
2,000円/人 ※お子様は参加費 無料
○服装
汚れても良い作業できる服装や靴、帽子、
○持ち物
大工道具(剪定ばさみ、腰ノコをお持ちの方はご持参下
飲み物(学園の水は井戸水の為、飲料水として使っており
○昼食
カンパランチ(炊き出し)をご用意します。
もちろんお弁当を持ってきて下さっても構いません。
○お申込/お問い合わせ
sennohaschool2015@gmail.c
090-8774-4906(杉浦)
※FBメッセージへのコメントでもお受けいたします。
なお、イベントの内容詳細は、下記、千の葉学園FBイベントサイトよりご確認ください。
https://www.facebook.com/events/254357171578958/
お金をかけず、材料を周辺林から集めてつくる。そして用を足すだけでその土地の土や微生物環境を改善してゆく。そんなトイレつくりを学ぶ場です。
参加費は大人2000円(ランチ付き)子供無料ですので、ぜひともお子様と一緒にご参加ください。
学園の高学年の子供たちも参加します。
トイレを作る、山にある土や枝葉を用いて壁や屋根を作る。そして、大地を痛めない、そんな工法を学べば、里山は楽しい遊び場に変貌します。
そしてそこに特別な技術は何もいらず、特別な資材も必要なく、土や大地に対しての基本的な考え方さえ身に着ければ、誰にだって作れるものなのです。
そんなトイレを一緒に作ることで、子供たちにも、大人にも、いのちのつながり、生き物の輪、そんなことを感じていただければうれしいです。
シュタイナー教育の理念に基づき、伸び伸びと過ごし、成長する子供達、昨年1年間、学園の「家つくり」授業や学校林の環境改善を通して、この学園の子供たちと楽しい時間を共に過ごさせてもらいました。
環境改善や家つくりの授業を終えた後、2か月ぶりの2月、学園を訪れると、子供たちは時間があれば裏山に入り、道を付けたり小屋を作ったり。
急な斜面を傷めないよう、そして歩きやすいよう、子供たちは自分たちで考えて必要な場所に階段をつけていきます。
女の子も先頭に立って道づくり。
そして、山で手に入る材料を用いて小屋を作る。
今はすべて、学園の子供たちが誰に聞くことなく、休み時間には山に入ってそんなことをしているのです。
今、この学園では、まるで40年前の僕らの子供の頃のように、子供たちは夢中で山で遊びます。
そして、必要なもの、作りたいものを自分たちで材料を拾い集めて工夫してつくる、それが今、彼らの日常になっているのです。
そんな光景を目の当たりにして、昨年の家つくり授業、本当にやってよかったと、喜びがあふれます。
昨年、毎月一回の家つくり授業で、みんなで作った横穴隠れ屋。
子供たちがデザイン、色を塗って完成!黄色はクチナシを絞り、黒は灰炭、そして赤は弁柄を油で溶いて作りました。
絵の具など要らない、土や岩、草木から採ればよい、そんな一つ一つの発見が、彼らの心を躍動させます。
完成した小屋の茅葺き屋根の上で。
子供が学び育つということ、それは学校や家庭、地域社会から3割を学び、周辺環境や自然環境から自ら7割のことを学んでゆく、という話を聞いたことがあります。
私の子供の頃の時分を想うと、そのことは確かに納得できますが、しかし、今の子供たちは、そんな大切ないのちの学び場を持つ子ははたしてどれほどいるのだろうか、そう考えると、この学園の子供たちは本当に幸せだとしみじみ思うのです。
そして、これからも、大人にも子供にも、自ら大地や自然環境から大切なことを感じ取る心を、一人でも多くの人に取り戻してほしい、そのために、できることはしていこうと思います。
千の葉学園の生き生きとした子供達、彼らを見れば、今の社会の忘れ物に気付かされるかもしれません。
興味のございます方、どうぞお申し込みくださいませ。