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千葉市緑区の庭 主木の植栽 平成24年9月19日
先週から着工した千葉市緑区Sさんの庭、昨日は家際の主木の植栽です。この日は樹高8mクラスのコナラ7本、家際に植栽しました。
家際の高木植栽によって、家屋に壁面に木漏れ日が映り込み、そして室内窓際に枝葉の影を揺らします。
80坪の敷地に新築家屋。敷地の東西南北に、このクラスの落葉樹高木が合計で12本収めていきます。
そして、この下にさらに、5~6mクラスの雑木、3~4mクラスの中高木、そしてそれ以下の樹木を階層的に密植していくのです。
主木の配置が家屋外観の骨格となり、2階窓越しの景を潤し、家屋外観の風景に奥行きと落ち着きを作り出します。
こうした落葉樹主木は、単なる景観要素としてだけでなく、こうした突出した高木の存在が夏の庭を木陰にし、その下の木々の生長を穏やかで健全なものにしてくれるのです。
つまり、住まいの環境改善のために最も大切な作業がこの、主木の配置なのです。
多層的な植栽が健康で心地よい庭を作ります。
家屋の壁面に移る樹木の影は刻々と変化し、家屋の表情を限りなく豊かにしてくれます。
骨格となる主木群の植栽、庭の良し悪しはこの段階で大きく左右されます。
良い感じで収まりました。庭の完成が楽しみです。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
オープンガーデンとレクチャーのお知らせ 平成24年9月12日
オープンガーデンおよび無料講座のお知らせです。
1.場所;
千葉県佐倉市 A氏邸 講座は敷地内に解体再生した入母屋民家が会場になります。
2.日時;
平成24年10月28日(日曜日)
オープンガーデン14時から 講座15時から16時くらい(時間のある方はエンドレスでお話ししましょう)
3.庭園の概要;
敷地面積800坪。
工場跡地の再開発に伴い、Aさんの自宅敷地を大改修することになったのが2年前。老朽化した大きな入母屋民家を解体し、その古材を再利用して新たに入母屋造りの離れ屋や車庫、かやぶき屋根の井戸小屋などを作りました。
華やかな庭ではありません。庭の材料も、解体前の庭にもともとあった石材などを、なんでもかんでも再利用しながら庭を再構成し、作為のない自然発生的な田舎の風景となりました。
都市化が進み木々がますます減ってしまいつつある殺風景な街の中、ここに生き物の気配溢れる自然環境の再生を試みています。将来、この庭の環境が佐倉市を潤す貴重な森となるよう、時間をかけて育てていきたいと思います。
4.講座の内容;
住環境を豊かにする雑木の庭のお話から、生態系豊かなこれからの街の緑の在り方など、国内外の先進的な事例を紹介しながら、お話ししたいと思います
5.講座定員;
会場の関係上、先着順20名くらいまで。(なお、オープンガーデンのみの御来訪は申し込み不要です。)
6.講座の申し込み方法;
高田造園設計事務所 高田宏臣または竹内和恵まで、電話、メール(FBでも受け付けます)、ファックス、にてお問い合わせください。
今日、Aさんの庭がようやく完成です。10月28日のオープンガーデンは施工直後の秋ですので、木々は葉を落とし始めて、あまり良い状態は見せられないかもしれませんが、多くの方のお越しをお待ちしております。
以下、本日完成直後のAさんの庭の様子を少しばかりご紹介します。
道路から見た敷地の外観。手前の建物は、古民家の古材で建てた倉庫兼車庫、奥が入母屋民家の2階部分の屋根組をそのまま用いて再生した離れ屋です。
改修の漆喰瓦塀は道路から後退し、塀外に植栽を繋げ、通りに豊かな緑を提供しています。
塀の瓦もすべて、解体民家の古瓦を用いています。
縁側と軒先手水鉢。濡れ縁の材料には古民家の化粧垂木を再利用し、この手水鉢も伝いの石も、その多くは解体前の庭にもともとあった材料です。
再生した民家の内部。柱などの構造材はもちろん、床の間、欄間、書院、長押に天井板に至るまで、とことん解体民家の再利用です。
広縁に差し込む木漏れ日。
室内から、広縁越しに感じる木々の気配。広縁越しに差し込む日差しに懐かしさを感じる人も少なくないことでしょう。失われつつあった住まいのゆとりの空間です。
広縁の掃き出し窓が額縁となって、外の景色を切り取ります。
離れの前に作ったばかりの小川には、トンボや蝶々、たくさんの小鳥が訪れ、すでに小エビやヤゴなど、さまざまな生き物が勝手に住みついています。
今日、小川に放されたメダカが元気に泳いでいます。タナゴもここに放されました。どんな生き物たちが繁殖してゆくか、これからが楽しみです。
庭の中の回遊路。飛び石も石畳の石も、ここにもともとあったものの再利用です。庭の材料は古材の再利用、それこそ千利休の時代からの大切な基本理念です。
木々のトンネルのアプローチ。
木漏れ日の中のアプローチを登ると、母屋前の明るい広場に至ります。
母屋前の芝生広場。
玄関ポーチから、木々越しに庭を垣間見ます。
この建物も、新たに作った洗濯小屋。これも軸組の材料はすべてこの地の入母屋民家の古材を用いて作りました。
どんな建物も、すぐそばに木立を植えて木々越しに見せてゆくことで、その佇まいが落ち着きます。
流れの表情。今はまだ完成直後の小川ですが、きっと1年もしないうちに下草に覆われて、自然と同化してゆくことでしょう。
広大な庭、ようやく工事が終了しました。
しかし、この庭の本当の意味での完成は数年後のことでしょう。それこそ木々が自立して競い合い、競合しながら淘汰をはじめ、そしてどんぐりや木々草花の実生があちこちで芽吹いて育ち、小鳥が運んだ下草や生き物が自立して共生し始める頃、私たちの目指す庭は本当の意味で完成に近づいたと言えることでしょう。
これからの時間が庭を育てます。
1.場所;
千葉県佐倉市 A氏邸 講座は敷地内に解体再生した入母屋民家が会場になります。
2.日時;
平成24年10月28日(日曜日)
オープンガーデン14時から 講座15時から16時くらい(時間のある方はエンドレスでお話ししましょう)
3.庭園の概要;
敷地面積800坪。
工場跡地の再開発に伴い、Aさんの自宅敷地を大改修することになったのが2年前。老朽化した大きな入母屋民家を解体し、その古材を再利用して新たに入母屋造りの離れ屋や車庫、かやぶき屋根の井戸小屋などを作りました。
華やかな庭ではありません。庭の材料も、解体前の庭にもともとあった石材などを、なんでもかんでも再利用しながら庭を再構成し、作為のない自然発生的な田舎の風景となりました。
都市化が進み木々がますます減ってしまいつつある殺風景な街の中、ここに生き物の気配溢れる自然環境の再生を試みています。将来、この庭の環境が佐倉市を潤す貴重な森となるよう、時間をかけて育てていきたいと思います。
4.講座の内容;
住環境を豊かにする雑木の庭のお話から、生態系豊かなこれからの街の緑の在り方など、国内外の先進的な事例を紹介しながら、お話ししたいと思います
5.講座定員;
会場の関係上、先着順20名くらいまで。(なお、オープンガーデンのみの御来訪は申し込み不要です。)
6.講座の申し込み方法;
高田造園設計事務所 高田宏臣または竹内和恵まで、電話、メール(FBでも受け付けます)、ファックス、にてお問い合わせください。
今日、Aさんの庭がようやく完成です。10月28日のオープンガーデンは施工直後の秋ですので、木々は葉を落とし始めて、あまり良い状態は見せられないかもしれませんが、多くの方のお越しをお待ちしております。
以下、本日完成直後のAさんの庭の様子を少しばかりご紹介します。
道路から見た敷地の外観。手前の建物は、古民家の古材で建てた倉庫兼車庫、奥が入母屋民家の2階部分の屋根組をそのまま用いて再生した離れ屋です。
改修の漆喰瓦塀は道路から後退し、塀外に植栽を繋げ、通りに豊かな緑を提供しています。
塀の瓦もすべて、解体民家の古瓦を用いています。
縁側と軒先手水鉢。濡れ縁の材料には古民家の化粧垂木を再利用し、この手水鉢も伝いの石も、その多くは解体前の庭にもともとあった材料です。
再生した民家の内部。柱などの構造材はもちろん、床の間、欄間、書院、長押に天井板に至るまで、とことん解体民家の再利用です。
広縁に差し込む木漏れ日。
室内から、広縁越しに感じる木々の気配。広縁越しに差し込む日差しに懐かしさを感じる人も少なくないことでしょう。失われつつあった住まいのゆとりの空間です。
広縁の掃き出し窓が額縁となって、外の景色を切り取ります。
離れの前に作ったばかりの小川には、トンボや蝶々、たくさんの小鳥が訪れ、すでに小エビやヤゴなど、さまざまな生き物が勝手に住みついています。
今日、小川に放されたメダカが元気に泳いでいます。タナゴもここに放されました。どんな生き物たちが繁殖してゆくか、これからが楽しみです。
庭の中の回遊路。飛び石も石畳の石も、ここにもともとあったものの再利用です。庭の材料は古材の再利用、それこそ千利休の時代からの大切な基本理念です。
木々のトンネルのアプローチ。
木漏れ日の中のアプローチを登ると、母屋前の明るい広場に至ります。
母屋前の芝生広場。
玄関ポーチから、木々越しに庭を垣間見ます。
この建物も、新たに作った洗濯小屋。これも軸組の材料はすべてこの地の入母屋民家の古材を用いて作りました。
どんな建物も、すぐそばに木立を植えて木々越しに見せてゆくことで、その佇まいが落ち着きます。
流れの表情。今はまだ完成直後の小川ですが、きっと1年もしないうちに下草に覆われて、自然と同化してゆくことでしょう。
広大な庭、ようやく工事が終了しました。
しかし、この庭の本当の意味での完成は数年後のことでしょう。それこそ木々が自立して競い合い、競合しながら淘汰をはじめ、そしてどんぐりや木々草花の実生があちこちで芽吹いて育ち、小鳥が運んだ下草や生き物が自立して共生し始める頃、私たちの目指す庭は本当の意味で完成に近づいたと言えることでしょう。
これからの時間が庭を育てます。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
千葉県佐倉市 流れの庭 植栽再開 平成24年8月25日
お盆を挟んでまたまた中断していた佐倉市の流れの庭、猛暑のさなか、昨日から植栽再開です。
木々が植わると、新しく作ったばかりの小川とは思えないほど、自然に溶け込んで見えてきます。川の奥行きもより一層深みが感じられるようになりました。
木々と小川、そして再生した古民家。すべてがもともとそこにあったような調和と落ち着きを見せています。
井戸水を循環させている流れの水は、いつも清らかで澄んでいます。これは川底が粘土土なため、川底に住みつく様々な微生物やバクテリアが川の汚れを分解してくれているのです。
自然な生物浄化によって、特に人工的な浄化装置など作らなくても十分に美しい川が維持される、それが本来の流れの在り方ではないかと思います。
庭の中の回遊路。石段の上は母屋の庭です。そこからこの木立の合間の園路を抜けて、下段の流れの庭に伝います。
園路は晩夏の日差しを浴びて、少しさびしげな気配を感じさせていました。
思えば2年前、入母屋民家の解体作業から始まったこの庭の工事も、いよいよあと数週間で完成です。
心血を注いで作り上げた庭が間もなく完成を迎えるとき、うれしさと同時にいつも寂しさを感じます。工事期間が長かった分、その思いもひとしお深いものがあります。
いよいよ終盤です。厳しい残暑の中、最後まで気を抜きことなく、全身全霊でこの庭を仕上げていきます。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
千葉県佐倉市の庭 小川の完成 平成24年8月7日
飛び飛びの日程で進めている千葉県佐倉市の庭に新たに作った渓流の石組みが終わり、川底の仕上げにかかりました。
この流れの防水には、コンクリートも防水シートも一切用いることなく、昔ながらの粘土締固めによる工法で、根気よく仕上げました。
現代はこの工法を知らない人も多いようですが、一昔前までは当たり前の工法で、かつては田んぼの用水路も溜池もすべて、川底の防水には粘土を用いて優しく自然に水辺が作られてきたのです。
最近はシートやコンクリートで固めて防水するのが主流となりましたが、シートもコンクリートもいずれはゴミとなります。
粘土であれば、そこは様々な生き物のすみかにもなり、豊かな生態系を育みます。ゴミになるものは一切なく、すべてが自然のままに還元できるし、何回でも再利用できます。
私が粘土工法にこだわる理由の一つはそんなところにあります。
写真は、川底の粘土保護のため、砕いた石を配置しています。いかに自然の渓流に見せるか、水の動きが面白く変化に富む表情を作り出せるか、神経を使う細かな作業です。
川底に敷く砕石は、石を砕いで作ります。渓流の石は大きさも形状も非常に変化に富んでいます。
袋詰めで販売されている均質な砂利では決して本物の流れの表情は生み出せません。
本来、渓流の川底には、上から転がり落ちて砕けた石が堆積して、ごつごつした形状の川底の風情が生まれます。
それを作るため、こうして石を割って、一つ一つ石の表情を確かめながら川底に敷いてゆくのです。
自然に見せるよう、そして水の流れに変化がつくよう、碁石を打つがごとく、全神経を集中して、砕いた石を川底に敷き詰めていきます。
完成後、循環装置で井戸水を回すと、心地よい水音が庭の空気感を一変させました。
流れに水を流す瞬間、苦労が報われる瞬間です。
丁寧に仕上げた甲斐があって、水は石にぶつかりながら様々な表情を見せてくれました。
古民家を再生した離れ屋(写真右)と、同じく古民家の古材を用いて建てた車庫(写真左)の間を、水音を響かせて小川が流れます。そして、庭の園路や飛び石はこの川を渡り、庭を回遊します。
さて、渓流周辺の植栽仕上げはこれからです。ずっと昔からこの地にあったような、そんな本物の流れと古民家の佇まいに仕上げていきます。
が、植栽工事の再開はおそらく9月半ばくらいになることでしょう・・。
この庭の完成予定は10月中旬です。請うご期待!
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
佐倉市の庭、流れ工事 平成24年7月19日
猛暑の中、千葉県佐倉市の庭の流れ工事、今日で4日目です。
上流の3段の水落ちの大まかな配石が終わりました。
総延長20mの小川は、昔ながらの工法で、粘土土を突き固めて防水していきます。
コンクリートを用いないこの工法は意外と手間と時間がかかります。しかし、本物の小川を作るためには粘土でなければいけないというこだわりが私達にはあります。
ちょうど、流れを渡る渡り石を据えたところです。
庭の主景となるこの流れが完成し、涼しげな水音がして蛍の舞う時を心に思い描きながら、暑さに負けずに石と向き合っています。
この流れの完成予定は8月半ば。楽しみです。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink