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千葉市緑区Tさんの庭 樹木植栽終了 平成24年11月8日
地元千葉市内の外構改修工事、今日で植栽がほぼ終了です。これまで木が全くなかったこの家の風景は、植栽の1日で一変しました。
家際の植栽帯の幅はわずか1m足らずです。それも、もともとあったコンクリートを一部分壊して、わずかな植栽スペースを家際に作っただけなのです。
たったそれだけのことです。家屋を潤すために必要な植栽スペースは、決して広ければよいというものではありません。
西日除けの木々が駐車スペースに枝葉を張り出します。
西側窓際へと、木々は続き、これらの木立が来年の夏には枝葉を茂らせて、厳しい夏の西日を和らげてくれることでしょう。
高木の枝葉は2階窓の前でそよ風に揺れてざわめき、そして小鳥が梢で羽を休めます。
夕日に映える家と庭の表情。わずかなスペースの植栽によって、家屋の見栄えはがらりと変わります。
駐車場のコンクリートの一部を切り欠いて作ったわずかな植え込みスペースの植栽が、これほどまでに暮らしに潤いを与えてくれるのです。
暮らしを潤す木々の力は本当に絶大です。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
古材再利用の駐輪小屋完成 平成24年11月4日
先週からかかり始めた千葉市緑区Tさんの造園外構改修工事、家屋の北側に駐輪スペースの屋根組が完成しました。
4台分の自転車をここに収納します。手前の梁組を天秤梁として柱を家側に寄せて、自転車を入れやすくしています。
構造用の木材はすべて、解体古民家の古材再利用です。柱と桁(けた)は50年前の蔵造りの古材、梁(はり)はそれこそ貴重な150年前のかやぶき民家の古材です。
垂木と化粧野地板などの細かな造作材は新しい材料ですが、こんな屋根組でも古材を使うことで味わいのあるものとなります。
古材と新しい材料の組み合わせと収め方、そこに技と感覚が活きてきます。
住宅地の一角の小さなスペースの庭ですが、こんな面積でも、植栽によって見違えるものとなります。
施工まで2年以上もお待ちいただいたTさんの庭、お待ちいただいた分だけ、満足してもらえる住環境つくりに尽力します。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
千葉市緑区の庭 完成 平成24年10月22日
先週末、地元千葉市緑区のSさんの庭が完成しました。
木々の影が壁面に揺れて、植栽によって家屋の美しさが一層引き立ちます。
南庭家際の雑木幹のラインと水鉢。
東側のサービスヤードもすっきりと収まりました。
縦列駐車スペースとなる家屋西側にも、家際窓脇には夏の西日を緩和する植栽が、家屋ぎりぎりに配されます。
来年の夏には濃い枝葉が茂って夏の西日を緩和してくれることでしょう。
廃瓦チップの駐車スペースと玄関アプローチ。
南西側 駐車スペースから見た木々越しの家屋の表情。これが完成直後の庭です。
私の地元にまた一つ、自然樹木に包まれた住まいの森が誕生しました。
よい住まいになりました。
設計から施工まで、大変長らくお待ちいただきました上に、職人一人一人に至るまで、とても温かく接してくださいましたSさんご夫妻に心からの敬意と御礼を申し上げます。
木々の影が壁面に揺れて、植栽によって家屋の美しさが一層引き立ちます。
南庭家際の雑木幹のラインと水鉢。
東側のサービスヤードもすっきりと収まりました。
縦列駐車スペースとなる家屋西側にも、家際窓脇には夏の西日を緩和する植栽が、家屋ぎりぎりに配されます。
来年の夏には濃い枝葉が茂って夏の西日を緩和してくれることでしょう。
廃瓦チップの駐車スペースと玄関アプローチ。
南西側 駐車スペースから見た木々越しの家屋の表情。これが完成直後の庭です。
私の地元にまた一つ、自然樹木に包まれた住まいの森が誕生しました。
よい住まいになりました。
設計から施工まで、大変長らくお待ちいただきました上に、職人一人一人に至るまで、とても温かく接してくださいましたSさんご夫妻に心からの敬意と御礼を申し上げます。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
海辺の記念植樹 平成24年10月20日
ここはジェフ市原のホームグランド、東京湾岸埋立地工場跡地に立地するフクダ電子アリーナです。
アリーナ周辺は臨海スポーツ公園として、千葉市によって緑化整備が進められています。
今週、この公園において、地元千葉中央ロータリークラブの寄付による記念植樹をさせていただきました。
植樹場所はアリーナ正面メイン広場、埋立地の一角に将来長きにわたって永続する大木を育てます。
2m40センチ四方の植樹プロットの配置を検討しています。
植栽土壌改良のため、固い土壌を深くまで掘り下げていきます。
ここ、アリーナ周辺は潮風が強い埋立地で、もともと川崎製鉄(現JFE)の工場跡地のため、植えられた木々はなかなか良い状態にはなりません。
「この公園は海風が強い上に土壌も悪く、何を植えてもよくならない。どうしたものか。」
千葉市都市局公園建設課職員の方からそんな相談を受けたのがきっかけで、この海岸埋立地に、数百年の大木を育てるための記念植樹をさせていただくことになりました。
こうした悪条件の下で樹木を末永く健全に育ててゆくためには、それなりの手法が必要になります。
掘ってみると、地下60センチ程度の深さで、締め固められて岩盤のようになったスラブが出てきて、その下はどこまでもそのスラブが続いています。
海辺の埋立地、しかもこんな条件の悪い地盤で普通に植栽してもよい状態にならないのは当然です。
将来長きにわたって郷土の大木をこの地に育てるためには、このスラブを破砕しなければなりません。
重機でも歯が立たず、削岩機を用いてスラブを掘り下げていきます。
苦闘の末、地下1m50センチまで、執念で掘り進めました。
埋め戻す前に、土盛りのための土留めを作ります。海岸沿いの埋め立て地で数百年の大木を育てるためには、盛土による通気性の改善が効果的です。
そして、客土埋戻しのために用意したのは、乾燥させた剪定枝6㎥(写真奥)に、剪定枝を2年間堆積してできた腐葉土5㎥(写真手前)です。
分解が進んだ腐葉土と、数年間堆積乾燥させた剪定枝をサンドイッチしながらほっこらと埋め戻していきます。
これを繰り返して、空気層を土中に作りながら盛り上げていきます。
現状の地盤高さまで埋め戻しが完了しました。
植樹していきます。
樹高4mの2本のシイノキを主木として植栽し、潮風や日照を緩和するためコナラやオオシマサクラなど、海辺に強く根の生育が早い落葉樹種を周囲に寄せ植えしていきます。
高木にスダジイ、オオシマザクラ、ヤマザクラ、コナラ。中木にユズリハ、ウバメガシ、マサキ。
そして低木にハマヒサカキ、シャリンバイ、アジサイ、クチナシ、ハイカンツバキ。
さらには、千葉の潜在自然植生樹種である、シイノキ、タブノキ、シラカシなどのポット苗を18ポットほど混植し、多層群落の小樹林がここに出現しました。
主木として植えたスダジイ2本が健全に育ってくればベストですが、ポット苗で植えた樹木の勢いが優れば、いずれそれらが追い越してゆくでしょう。
植栽後、稲わらを敷き詰めて地表を保護し、藁が風邪で舞い散ることのないように麻縄で結わえつけてきます。
多種混交の自然林のような樹木群落です。
樹木群の下に植えた、常緑広葉樹のポット苗。小さくとも、大木になる力を秘めた木々の赤ちゃんです。
未来永劫に渡って強く育ってゆく樹林つくりのためには、その土地本来の自然樹木の多種類混植し、密植して競争を促すことが大切です。
盛土高さは60センチ、そして地下150センチまで土壌改良を施しています。木々は競い合って伸長し、根を伸ばし、特にコナラなどの落葉高木は順調にいけば10年程度で深さ2mの根系に達することでしょう。
いずれ、常緑広葉樹がこの地で健全に生育している状況を確認の後、土地本来の照葉樹林に移行させるために、おそらく10年後には、少なくともコナラだけは伐採する必要が生じると思います。
それまでの間、ここに植栽した5本のコナラは常緑広葉樹を守り、根を伸ばして土壌を改善し、そして伐採後の根はゆっくりと分解されて土壌の栄養となるのです。
樹木にとってここは非常に過酷な場所ですが、ここに子孫の代に至るまで、健全に育って大木となる樹木を育てるべく、これからの緑化の在り方を問いかける試みが今、ここに始まりました。
この試み実現のために尽力された千葉市都市局公園建設課の石野さんはじめ、今回の植樹にご理解ご協力くださいました行政の関係者方々に心から御礼申し上げます。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
千葉市緑区の庭 あと少し 平成24年10月12日
千葉市緑区Sさんの造園外構工事、いよいよ仕上げの段階になりました。
長い年月、おそらく一生の間を過ごすのが家というものです。その家族にとって、長い人生の大切な癒しの場であり心の拠り所が家であり、そして庭なのです。一軒一軒の庭、すべての庭に全力で取り組み、常にその時その時の自分のマックスの集中力で作り上げていかねばなりません。
その中で、最も大切なのが適切な植栽配置と、適切な植栽組み合わせだと思っています。
日々、木々に包まれて心豊かな人生を送っていただくために、庭つくりの要は植栽です。
植栽は、仕上げたその時の見栄えのよさが目的ではなく、その後の長い年月にわたってどのように住環境としての木々を育成管理していくか、そして良い住まいの環境へと育て上げてゆくか、先のことを考えて植えていく必要があります。
2階窓を潤す雑木の枝先。植栽直後ですが、これから月日と共にさらに深い景色の中に家が溶け込んでゆくことでしょう。
主庭脇に設けたベンチの佇まい。
南側の主庭から東のサービスヤードに至る道も、木立の合間を抜けていきます。
サービスヤードに設けた立水栓。かがむことなく立ったまま使える流し台は、庭暮らしの楽しみを倍増させてくれるでしょう。
東側家脇のサービスヤードも木漏れ日の下の快適な空間に仕上げていきます。
枕木2本を建てただけの門柱。雑木の森の住まいにはこのくらいの軽やかさがよく似合います。
庭は生活空間であり、その家族にとっての一期一会の生活環境です。
良い住まいの環境となるよう、一軒一軒真剣勝負で仕上げていきます。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink