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雑木の庭つくり日記

麻賀多神社旧裏参道 地すべり斜面の安定造作 平成30年11月4日
 

 ここは千葉県成田市台方、麻賀多神社。
 終戦の前年、この地に降ろされたという日月神示で有名なその鎮守の杜には、東日本一とも言われる大杉をはじめ、巨木たちが今もかろうじて、この太古からの豊かな営み香る、この地を見守っているようです。

 鎮守の杜、それは本来、その地域の環境の要を守るべく、本来その神域は、一山丸ごとあてがわれてきました。ところが今、多くは本殿拝殿の周辺のみを鎮守として残すのみにまで、極度に縮小されたケースが非常に多く、この麻賀多神社も同様に、今や鎮守の杜は、かつての森のほんの一部にしかすぎません。

 なぜ、古来から土地の要の地として鎮守を定め、その環境を守ろうとしてきたのか、その意味を今こそ問い直されねばなりません。



 麻賀多神社の旧裏参道だった小道において、長年土地の豊かさを守ってきた巨木も今は次々に伐られ、殺風景で霊気もない、つまらぬ道に変わり果て、その光景に落胆を隠すことができません。
 でも、これが今の日本の現状です。巨木は、単なる危険物として次々に伐られ、そしてそのあとには歴史も風土も感じさせてくれる光景が何もない、乾いた土地へと変貌します。



旧裏参道、本来鎮守の木々に守られた石段の道だったであろうこの道も、いつしかコンクリート舗装の車道となりました。
 そして両脇の斜面は、崖条例指定区域とされるほどに荒廃し、不安定な土手には、荒れ地の雑草が喧嘩するように競い合って徒長し、そしてそこに周辺の住人が除草剤散布する。
 その結果、土壌は傷み、表土を守るべく草木根も枯れ果て、そしてまた崩落が進む悪循環。
 こんなバカげたことが今、全国の田舎で繰り返されているのが現状です。



 土壌が安定構造を保つことのできないまでに蹂躙され続ける土地は、たとえ傾斜が緩やかであっても、地すべりや斜面崩壊、土砂の流亡は続きます。
 ここでも、斜面全体に無数の小規模崩壊が常時発生し、そして道路をも埋めていきます。

 このたび、この土地を取得されたTさんの依頼により、この参道の土壌環境再生による土地の安定のための造作を行いました。
 
 崩壊斜面の安定のためには、コンクリート擁壁など力で抑え込む必要など、全くありません。
 その斜面の土の中を、水と空気がともに健全に動く、そんな環境さえ整えることができれば、そもそも地形を崩そうとする土圧など発生しないのです。
 そうした自然の摂理に基づくやり方があり、そしてそれは特別な技術者でなくたって、だれにでもできるものだということを知っていただききたいと思います。




斜面のキワに、垂直の段差となるように切込み、そしてそこに横溝、縦穴を掘り進めます。




 垂直段丘の形成、横溝、縦穴終了後、縦穴に竹筒を差し込み、枝葉を漉き込みます。



 そして、斜面際に現地での竹林整備で発生した竹を用いて、キワの土留め柵を編んでいき、



 そしてその柵に剪定枝葉を絡ませ、そして埋め戻します。
 この枝葉が適度な湿潤状態で分解が進むと同時に、分解の過程で増殖する土中菌糸がそこから延びて、斜面の通気性保水性を高めていきます。
 そんな状態が生じるころにはもはや、土圧も水圧も発生しない状態となるのです。



裏参道沿いの斜面下部、水が集まりそうな地形。
 土中環境の衰えとともに進入した竹林の中になお、大木が残っています。
 今回、竹林整備と同時に、この水脈の要の地に大きな穴を穿ち、土中通気透水環境の改善を図ります。



 
 斜面を下って道が折れ曲がる地点、ここが土中水脈の要、心臓部と言える場所、ここに深さ2m近い大穴を掘り、そこで整備の際に発生した伐竹を燃やし、炭化させます。



 いい感じに炭になり、炎がおさまり炭火となるのを待ちます。



そしてそこに土をかぶせ、



よく踏んで、空気の出入りを遮断します。
これによって炭が灰になることなく、現地の残材を用いた埋炭が完成していきます。



 こうした一連の土中環境造作により、重苦しかった土地も軽やかに、明るさを取り戻してゆくようです。



 そして、この穴が大地の呼吸孔であり、それを守るべく、ミニ鳥居を作って据えました。
 龍神様の守りです。



 地すべりが止まない不安定な土手が、こうした一連の造作で安定し、そして斜面の土壌はますます健康なものとなっていきます。




 そして、キワの土留めの上部のミニ段丘は、直線状に造成するのではなく、微妙な地形に応じて、変化をつけていきます。
 こうしたきめ細かな観察と造作が、斜面安定のための重要なカギの一つとなるのです。

 この後、微妙な谷部分で、再び小規模な崩壊が起こるのですが、それでよいのです。
 自然が、大地の健康を取り戻そうとして起こる現象の一つが斜面崩落です。
 この、人為的な段丘形成によって、この斜面はこの造作をきっかけにして、再生へと動き始めます。
 すなわち、斜面安定のために、もう少し地形を変える必要のある個所を、この後、小さく崩していきます。そして、そこに土中菌糸と草木根が呼び込まれて、安定した土手となっていくのです。




 これでこの斜面は、改善に向かいます。上部の土壌環境もまた、豊かに育っていきます。

空気と水の通りの良い、自然の営みに逆らわない造作は、何とも言えぬ美しさと落ち着きを感じさせてくれます。





 総延長100m近い参道沿いの崖面道路際に、合計55か所の縦穴通気孔を設け、竹筒を通して土中深部から安定させてゆく。それが土地の自然本来の安定化作用との協業で行われるのが私たちの環境造作です。

これで土地は安定に向かうのです。




 そして、この枝を絡ませた、枝絡み土留めが土の循環へと還るとき、ここに安定した段丘が自然の力で完成していきます。
 私たちの環境造作は、自然の安定作用に対する、ほんのわずかなお手伝いに過ぎません。

 地すべりに対して、擁壁を巡らせて力任せに抑え込もうとしても、それは決して永続しない。永続しないものに守られる住環境など、本当は砂上の楼閣と変わらないのです。

 むしろこうして、自然の作用に従い、自然本来の呼吸する地形の中に、人の都合の良い営みを溶け込ませてゆくことで、環境の豊かさの源を高めながら、共存の美しさを育むことができる、そんな造作が当たり前になれば、かつての美しい人の営みの風景はまた、戻ってくることでしょう。

 かつては当たり前におこなわれてきた、智慧に満ちた環境造作を今、多くの人に思い起こしていただきたいと思います。


 
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
埼玉県北本市、住まいの外空間竣工 平成30年10月4日
 

  台風一過、夏前から断続的に取り掛かり続けてました埼玉県北本市Tさんの住まいの外空間が本日竣工しました。
 
 

 周辺を畑に囲まれた旗竿地、家屋に至る車道は、降り注いだ雨水がすべて浸透して大地の循環に還ってゆく、そんな下地作りを完璧におこなっておりますゆえに、あれだけの台風直後でも表層ウッドチップの飛散はなく、豪雨でも削れることなく、ぬかるむこともありません。
 土が呼吸する、昼夜、地上と地中を上下に空気が行き来する事で地表の有機物が絡み合い、静かでしっとりした微環境を作ります。そこに土中の菌糸が絡み、車道においても多孔質で安定した土中の環境を醸成してくれるのです。



 車道を抜けて、フロントスペースは駐車展開スペース件広場となります。ウッドチップはいずれ、うっすらと芝生や野草が多い、心地よい野となっていきます。

 右のポストスタンドの奥、駐輪小屋の脇を抜けて玄関に至ります。



 玄関わきの駐輪小屋は、ちょうど浄化槽の上のデッドスペースを利用して、簡素でざっくりとした質感で作っております。



 駐輪小屋の屋根は、灌水せずに天水だけで草が維持される、草屋根仕上げです。
施工直後の表土の保護のため、ウッドチップを敷いておりますが、これもまた、台風後も飛散せず、保たれます。
 屋根の上のような環境でも、微生物菌糸の作用を活かすことで、潤いのある快適環境が作れるのです。



 駐輪小屋のほかに道具小屋と二つの薪棚を設けてます。小屋も薪棚も、こうした建物造作において最も大切なのことは、木々越しに佇まい良く収めてゆくこと、配置やスケールがとても大切になるのです。



 フロント広場スペースと小屋の佇まい。手前の玄関アプローチは様々な古材を組み合わせて、施工直後からこの場所に溶け込むように心がけてます。



玄関からの見返りの景




 中庭側からの道具小屋と薪棚の佇まい。
小屋端建具を含めて古民家解体の際に得た古材をふんだんに用いて作ってます。



 薪棚は極シンプルに。



 中庭とベンチの佇まい。



南庭。あと2年もすれば、全体が夏の間の木漏れ日の下の涼やかなデッキの空間になっていくことでしょう。



 西側のプライベートスペースは家屋窓からの景や西日除けとしてだけでなく、回遊して草木を楽しむスペースです。
 写真の手前には1坪菜園を配してます。



 植栽は群落単位にマウンドを盛り、通気孔を掘り、大地の呼吸を整えながら仕上げていきます。
 表層には腐植の進んだ落ち葉枯れ枝ウッドチップ炭燻炭を配合し、森の表土の状態を醸成していきます。
 スポンジのような土壌環境が保たれることで、この腐植もまた絡み合い、菌糸によって捕捉されて、施工直後の台風直撃の後も飛散することなく落ち着いた表情を見せています。

 こうした、生きた環境を丁寧に作り続けることで、わずかな点でも大地の呼吸を繋ぐことができる喜びと、今の住環境の問題、自然の法則をますます知る機会感じる機会を失った社会や人、そうした現代の大きな問題に気づかされ、自分のすべきこと、伝えるべきことに改めて気づかされるのです。



 いのち息づく空間がこうして一つ、生まれました。ここでの暮らしを心豊かに育みつつ、土地を育ててゆく、そんな暮らし方を思い出すことが今、改めて必要に思います。
 
 お施主のTさん、長らくお待たせしました上に、思うままに環境再生の場を与えてくださり、どうもありがとうございました。

 
 




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
全国メガソーラー問題シンポジウム開催のお知らせ 平成30年8月16日
 

 ここは、房総半島南部、千葉県鴨川市の山中です。

 この地域は三浦層群と言われる、力のある岩盤層によってとても豊かな森が太古から保たれ、それが素晴らしく豊かな生態系を育み、力のある水が湧き出してふもとの暮らしを千年万年と支え続けてきました。
 今やここは、千葉県内では最も生態系豊かな森の一角と言えるでしょう。

 この山の頂部一体、300ヘクタールという見渡す限りの広大な範囲の木々を伐り、総延長3キロメートルという広大な範囲で尾根を削り取り、谷を埋めて、造成される、日本最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電設備)建設の計画が進んでおり、今回、その計画地踏査にうかがいました。




 計画地とその周辺一帯の山域に無数の谷が刻まれ、そしてそこには川底からも山襞からも湧水が染み出し、それが今もなお、渓流の魚やカジカなど、今や貴重な川の生きものを育みます。
 
 ひとたび山が削られると、山が本来保ってきた貯水機能、洪水調整機能、浄化機能も失われます。
 森が水を貯えなくなった分、こうした大規模開発においては造成の際、表面を流れる水をいったん蓄えて調整する、巨大な調整池がいくつも建設されます。

 集落の水源になっているこの沢の上流部に調整池が建設され、そしてその排水はこの沢に放たれます。
 
 千年万年にわたってこの地の豊かな暮らしを支えてきた要の地形を根こそぎ削ぎ取って、未来にわたって不毛の地にしてしまう、このとんでもない計画が見直されることを願い、こうした現実を多くの人に知っていただきたいと願います。
 同時に、仮に計画が始まってしまったその後も、こうした、周辺河川の環境変化を観測し、そしてそれをきちんと伝えていき、全国の、そんな思いで今回、周辺環境調査地点の視察に入ったのです。



 時折強く降り注ぐ雨の中、この杜の母のような大木たちの霊気に打たれながら歩きます。
 小さな尾根や露岩の上に、モミの巨木が点々と見られ、その周辺は林床に至るまで、ひと際豊かな森の様相を呈します。杜の主木として巨木となったモミの木が、マザーツリーとなって森を育んでいるのでしょう。

 それにしても、房総半島の極相林(その土地の風土環境が到達する森の最終形態)において、林冠の最高木として、細かな起伏の高みにはかつてはモミの木がこうして点在していましたが、今、そんな豊かな森はもう、房総ではこの山域から続く三浦層群一帯のほかにはないことでしょう。

 


 高木、中木、低木、そして林床の幼木、下草、土の中の菌類微生物たち、その豊かな営みがこれまでそれこそ数千年以上もの暮らしの環境を支え続けてきたのです。

 世界有数の人口密度を支え続けてきた、限りなく豊かだった日本の国土、その75%は山地であって、人間の大半は今、平野部に暮らし、そして社会インフラの多くもまた、平野に集中します。
 その平野の暮らしの安全と豊かさ、生産力も資源も、いのちの水も、空気も、そして快適で暮らしやすい微気候をも、永遠に生み出し続けてきたのが、一見経済価値がないように見られてしまう、この山地における豊かないのちの営みにあるのです。

 かつてはこの山の営みを守るため、要の樹木をご神木とし、環境の要を鎮守の杜として守り、そして水の湧き出しに龍神を祀り、そうして先人の懸命な努力によって、世界有数の人口密度を抱えながらもなお、この国は豊かな環境を今に繋いできたのでした。



 尾根筋に達すると、とても心地よい風が吹き上げて涼しく、大木が点在する森はまた、この土地の長年の営みを物語ってくれるようです。
 さっきまで地下足袋にたくさん吸い付いてきたヒルも、心地よい尾根の環境には全くいなくなります。
 不快な環境を招いてしまったのは基本的に人間に寄る環境の錯乱による部分があまりに大きく、ヒルも、荒れてしまった環境の叫びのように湧き出してくるもののように思えます。全てを壊してしまう人間を寄せ付けないための、大地の反応として、現れ、そして良い環境を保つ、例えばふかふかの苔むしたマザーツリーの根元や安定した尾根筋頂部などには、ヒルは全くいなくなります。
 そう思うと、人の営みと言うもの、そして自然の意志、そんなことをもっときちんと感じて、その法則の中に生きるすべを次世代に向けて知恵を絞って見出していかねばならないように思います。



 今歩いているこの尾根も、最大で標高40mにわたって削り取って平坦化し、そしてその土で深い谷を埋め、そして跡形もなく地形を変えたその上に、50万枚もの巨大なソーラーパネルが並ぶ、そんな計画が今にも動き出そうとしているのです。



そして、奥に見渡す尾根筋もすべて削り取って平らにし、地域の水源となってこれまで集落の暮らしを支えてきた尾根の手前の深い谷も、高さ80mもの高さで埋め尽くされようとしているのです。



 大切な山林の開発はこれまでも様々ありましたが、メガソーラーはそれらとは全く違う規模で、しかも壊して話いけない山地頂部もかまわずに行われるという点で、これまでの開発とはそのインパクトは比較にならず、それによって生じるであろう国土環境の劣化がどれほどの規模で広がってゆくか、想像もできないことでしょう。
 いや、もうすでに全国で様々な問題が早速起こり始めておりますが、まだそれは、ほんの始まりに過ぎません。
 それほどまでに、この開発はこれまでにない、未曽有の破壊につながる危険をはらんでおります。

 大規模造成事業の経済効果の高さも大きな後押しとなって、国策で強力に進められるメガソーラー事業、電力の需給に関係なく発電すれば、固定価格で必ず売却でき、そして大きな利益が見込めるメガソーラー造成の圧力は凄まじい勢いで、このまま放置すれば数年で国土はまるで別のものになり果ててしまう、そんな危険すら感じております。
 
 今、この現実を多くの人に知っていただき、身近な問題として放置できないことを多くの人と共有していかねばならないと感じます。

 西日本豪雨に広域被害もあり、今国土防災の在り方も問い直されております。
そんな中、メガソーラー造成含む太陽光発電設備造成のもたらす現実に、多くに人が気づき始め、全国各地で、計画地地元による反対運動が日増しに勢いを増してきました。

 反対賛成の二項対立ではなく、ただ単に、土地を生産力を未来永劫に修復不可能なまでに奪ってしまう今のメガソーラーは絶対にまずいということ、一時の繁栄のためにいのちの営みの根幹をここまで奪ってはいけない、そのことを基軸に、未来の暮らし方、文明の在り方へと力を合わせて方向を共有できればと願います。

 本質は、自然環境の健全化なくして、本当の安全も安心も、決して得られないということ。そのことを、声を大きくして伝え続けたいと思います。
 共感の輪を広げていき、少しでも早く、メガソーラー増設の波を収めていきたい、そう思います。

 今、全国で急速に広がるメガソーラーの問題を訴える各地地元の声を、大きな輪として伝えてゆくべく、来たる10月8日に急きょ、全国メガソーラー問題シンポジウムを開催することになりましたので、取り急ぎ、下記にご案内いたします。

 ~全国メガソーラー問題シンポジウムのご案内~

 日時;2018年10月8日(体育の日)

 場所; 長野県茅野市(中央本線特急停車駅)

     第一部;茅野市市民館コンサートホール(定員300名)
     第二部;茅野ユイワーク 情報交換会・質問・お話し会

 参加費;無料

 主催;全国メガソーラー問題シンポジウム準備委員会(事務局;小林峰一)

 タイムスケジュール;

 12;30 開場、受付開始
 13;00 開演挨拶及びお話し
  「そもそもソーラーがなぜここまで増えたのか」(仮称)
   佐久裕二氏(10分)
 13;10 基調講演① 「メガソーラーが環境を壊す10の理由」40分間
     高田宏臣(環境活動家、造園家) 
 13;50 基調講演② 「メガソーラーを止める10の方法」30分間
     梶山正三氏(弁護士)
 14;20 休憩(10分)

 14;30 各地メガソーラー計画地における住民活動事例報告と現地からのご意見
     *4か所ほど、各20分程度、報告していただき、様々な地域の問題と取り組みを学びます。

 15;50 総括、まとめ(各報告者のコメント)
 
 16;00 第一部終了 第二部会場(茅野ゆいわーくに移動)

 16;30 第二部 情報交換、意見交換、お話し交流会 
     *お茶お菓子は用意いたします。アルコールの持ち込みはできません。
 お話ししたいことがある方、各地の報告、活動紹介、質問もざっくばらんに承りながら、この場で交流を兼ねて、それぞれが次への展望へとつながるような、有意義な交流会になればと思います。

 18;00 第二部終了 解散
 
 18;30 懇親会(会場未定。事前申し込み制となります)

 シンポジウム参加は事前申し込みは必要ございませんが、懇親会は事前申し込み制となります。詳しい案内は追って公開いたします。

 *なお、今回の開催地となる茅野市は、霧ヶ峰山麓に計画中の諏訪市四賀ソーラー事業地の下流域にあたります。
 地元の住民団体「米沢地区Looop対策協議会」の方々の全面的なご協力、ご賛同の上、シンポジウムが開催されます。

 この後、第2回シンポジウムは今のところ、千葉県鴨川市「鴨川の山と川と海を守る会」の方々が名乗りを上げてくださっております。

 これをスタートに、この問題の本質を知っていただき、考えていただき、その関心の高まりのきっかけになればと思います。

 また、こうした集いが各地域で活動される地元の方々の励みや力になる、そして、この問題に対する風向きを変えて、良い方向に向かう原動力になればと思います。

 多くのご参加、多くの方の関心が、この問題を鎮めてゆく力になります。どうか、一人でも多くのご参加を、心からお願い申し上げます。

 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
呼吸するコンクリート駐車場をつくる。 平成30年8月11日
 
皆様お久しぶりです。高田造園設計事務所の高田です。今年は公私に多忙を極め、数か月ぶりのブログ更新となりました。

気づいたらもう何か月もまともな休みの日はとれておらず、ようやく明日からお盆休みに入ります。21日まで10日間のお休みをいただきます。
 私自身はお盆中もすべきことが山ほどあり、ほぼ毎日活動しておりますが、3日間程度は子供と山登りに行く予定でおります。溜まりに溜まった心の塵をきれいに落とし、また怒涛の後半期、天地人、現代未来に対し、意義のある仕事に努めたいと思います。

 これでようやく今年の前半期終了となります。
 高田造園、そして私たちの環境活動に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。
また、工事や手入れを長らくお待ちくださっている方々、大変恐縮でございます。
お盆明けにまたご連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日、千葉県佐倉市で施工中の旧家敷地内車道および駐車場工事が植栽を残してほぼ終了しましたので、過程を報告させていただきます。



8年前に竣工した旧家Aさんの庭、家屋建て替えに伴って痛んだ環境の再生および駐車場、車道工事が大方終了しました。


 
 車道部分はコンクリートの洗い出し、そして玄関前の3台分の駐車スペースは、コンクリート盤および洗い出しと、コンクリート工事です。

 「高田造園がコンクリート使うの?」と思われる方が多いでしょうが、高田造園のコンクリート施工は、コンクリートの下で、しっかりと樹木根も微生物活動も健全におこなわれて、しっとりとした大地の呼吸も根の動きも妨げない、徹底して、そんな配慮と工法を考え、施工します。

 従って、真夏の日中、日差しを浴びたコンクリート表面も、生きている下地土壌からの冷気できちんと冷却されます。また、下地の土を全く痛めないため、コンクリートと言えども微妙なクッションが働き、足も疲れない。
 その上、下地にしっかりと根が張り巡らせてゆくため、地盤は本当の意味で安定し、よい環境が持続します。

 今、街も里も奥山も、これまでに我々が経験したことのないほどの環境の荒廃を目の当たりにしておりますが、その原因の多くは、自然環境の法則を無視した力任せの現代土木造作がきっかけとなる例があまりにも多い中、こうしたコンクリートを用いた車道造りにおいても、きちんと大地をケアして土中の通気浸透環境を全く痛めずにむしろよりよく改善し、土地の環境と一体化させてゆく方法があることも伝えていかねばなりません。
 
 今回、そんな施工の一例を少しご紹介いたします。



駐車場に敷き詰めるコンクリート盤は一枚の重量約500㎏、長さ4m、これを組み合わせて敷きつめていきます。

 ただ単に敷くわけではなく、コンクリート盤や車の重量が大地を圧迫して土中の生物活動を妨げず、さらには下地土壌の通気性、浸透性を損なわないような下地造りをしていきます。

 写真は、平板を敷く下地に焼いた杭を打ち込みます。1枚に対して3か所杭を打ち、これに菌糸や根を絡ませて、平板の重量を支える構造をとります。



 材料となるコンクリート盤及び、焼き杭。杭は表面がうろこ模様になるまで十分に炭化させます。
 つまり、炭の棒が土中でコンクリートの重量を支えるのです。
今回、車道と駐車場面積合わせて約160平方メートルに対し、200本近くの杭を打ち込んでいます。

 ちなみに、今回用いたこの巨大なコンクリート盤も、実は再生利用です。



 さらに、コンクリート盤の下に土中菌糸や樹木根を誘導する、通気浸透孔を開けていきます。
 この駐車場でやはり、200か所程度の通気浸透孔を設けました。



その穴には、炭と剪定枝を絡ませて、その分解に伴って増殖する菌類微生物の活動によって、さらに、建築工事に伴う締固めで傷んでしまった土地の改善を促していきます。

 上にかぶせて行くコンクリート盤は、この通気浸透孔をブリッジ状の構造で守るのです。



 そして、コンクリート盤をそっと置いていきます。



コンクリート盤の目地部分に、砕いたコンクリート片をコツコツと突き込んでゆくことで、全体を一体化して重量を受け、車の重量負荷を分散させます。



 そのための大切な材料となるコンクリート片は、以前に他の現場で解体したU字溝やコンクリートブロックなどを砕いて用います。
 環境の再生はすべて、有機物と無機物の循環です。自然界の循環がそうであるように、何も捨てずに組み替えて利用してゆく、それが良い環境を作ってゆくために最も大切な考え方かもしれません。

 スクラップ&ビルドの時代を早く脱却して、健康な大地を軸にしたすべての循環、そんな時代の到来を夢見ます。



 そしてさらに、駐車場のアクセントおよび車道部分はコンクリート舗装になりますが、その型枠設置後です。

 この下地造りが大地環境の健全化のために重要な作業となります。我々はそんな見えない部分に時間と労力を注ぐことで、どんな場所でも人によっても木々にとっても、そして訪れる虫や鳥たちにとっても心地よい環境へと育ててゆくのです。



そしてまた、下地に焼き杭を打ち込んでいきます。



 杭は下地地面より6センチほど高くし、この高さで鉄筋メッシュを載せていきます。



そしてまた、下地に数か所ほど通気浸透孔を設けて竹炭、枝粗朶を挿入します。



 そしてまた、下地への荷重を点状に支えて大地を圧迫しないように、解体廃材をこぶし大に砕いてそれを下地材に用います。



コンクリート下地、ワイヤーメッシュ敷設後。

 焼き杭によってコンクリートを支える構造で、下地には砕いたコンクリート片、レンガ廃材、ウッドチップ、炭、そして細い竹も入れています。空間を保つのに、有機物と無機物を組み合わせすのです。
 竹は、昔、鉄筋の代わりに竹を用いていた時期や地域や国があったようですが、昔の小舞下地壁がそうであるように弾力があり、環境上も機能的にも、いずれ劣化してゆく鉄筋に比しても非常に有効だと実感し、下地に積極的に用いております。



 通気を妨げず、自然界において石がかぶさったような状況を作ってゆくことで、心地よく呼吸する駐車場になっていきます。




 車道も同様に、すべての水がきちんと大地に吸い込まれて微生物によって浄化されていのちのエネルギーへと帰してゆくよう、丁寧に下地を造作していきます。

 見えない部分ですが、心地よく育ってゆく環境つくりのためにここが最も大切な部分なのです。




 そして一区画ずつ、コンクリート打設します。


 車道部分のコンクリート敷き均し後。



 そして、コンクリートが硬化する前に表面を洗い出して小石をごつごつと浮き出させます。
 これも、傾斜のある車道で降った雨が加速度を付けて流れることなく、目地から浸み込んでゆくための配慮と同時に、滑りにくいようにといった具合の人の使い勝手への配慮、さらには見た目の落ち着きをも、両立させてゆくのです。




 見た目は何の変哲もないコンクリート車道ですが、ここに降った雨は全て浸透して土地を潤していき、そして呼吸して心地よい環境を保ってくれる、そんな駐車場になりました。

 建築工事中はちょっとした雨でも泥水が流亡していたのですが、こうして車道完成後、先日の台風でも大雨でも、まったく泥水の流亡はありません。
 また、こうして土壌の通気浸透性が高まれば、周辺土壌もまた、さらに膨軟に良い状態へと変わっていきます。こうして土地は自然の働きによって再生されるものであり、私たちの造作は自然環境が自ら再生しやすいように、きっかけを作るにすぎません。逆に言えば、それだけでよいのです。すべてを人がやろうとしても、自然の働きには全く及ばないのですから。

 そして、建築工事に伴っていたんだ木々も、精気を取り戻してきたように感じています。

 見えない土中の環境つくりの作業を理解してくださり、徹底的に改善させてくださいましたお施主のAさん、どうもありがとうございました。

 
 人の造作が環境をよい方向に変えてゆく、それが本当の人のあり方であってそこにしか、持続可能な未来はありません。
 
 私の仕事はますます、こうした住環境ばかりでなく、里山奥山を含めた環境全体の再生の依頼が非常に増えてきました。
 街だろうが山だろうが、どこにおいても、息づく大地を保つこと、環境を豊かに健康に保つということはそれに尽きると言っても過言はないでしょう。
 私たちは大地の上で自然の法則の中、すべての循環の中でしか生きられない、それが厳然たる真理、そのために、そしてそのことを伝えるために、今年後半も全力で生きていきたいと思います。

 お盆明けもどうぞよろしくお願いいたします。皆様ありがとうございました。


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
埼玉県飯能市の庭、竣工  2018年4月13日
 

 新緑まぶしいこの時期、あらゆる命にとって一年の中でも最も希望に満ち溢れる時期ではないでしょうか。
 この時期を新学期、新年度のスタートとしてきた日本人の感性に、心地よい親しみを感じます。
 さて、この一週間、泊まり込みでの集中施工で庭が完成し、また一つ、これから育まれる風景が生まれました。

 入間川の畔、背面の崖線の木々が借景となって繋がってゆく、そんな風景を意識しました。






 この庭の正面に、地元の憩いの場であると同時に週末にはたくさんの観光客でにぎわう飯能河原のゆったりした景が広がります。
 庭の背景として絶好のロケーションであると同時に、この庭が飯能河原の一角の風景として、訪れる人たちにとっても、さりげなく、飯能河原の心地よい印象を深めてもらえる、そんな庭を心がけました。



家屋側、玄関付近からの景。飯能河原周辺の森とつながってゆく、そんな植栽と空間配置です。






 この住まいのデッキからの眺めを構成する、その中で改めて、風景はせせこましい人間の所有を超えてつながっているという、ごく当たり前のことに気づかされます。
 風景ではなく、環境のつながりというのが本来なのでしょう。

庭を想うことで、生きとし生けるすべてのいのちのつながりに想いを抱く、そんなきっかけになる庭つくりができれば、そんな気持ちになります。



 こじんまりとした平屋、この場所にはこのスケールがたまらぬほどにしっくりと収まります。
 これが二階家屋であれば、背面段丘崖の木々とのつながりがぷっつりと途絶えてしまうのです。





 庭の木々越しの家屋風景。植えたばかりの木々も、植えられた直後からその土地の風景に何の違和感もなく溶け込む、そんな植栽の在り方が、数十年の風景を育むものと信じます。



 道路から見た庭の全景。
単純で一見何もない、シンプル極まりない空間ですが、周辺の景に違和感なく収まり、そしてこの地の風情をさらに高めてゆく、それが私立ちの目指す庭の極意かもしれません。



 
 庭の木々と背面段丘の木々。






 シンプルでいい。その土地の風景として、人間だけでなく、あらゆる命にとって心地よく愛される庭、そんな空間を作っていければ、造園という仕事は本当に今の時代にかけがえのない価値を発揮することでしょう。
 
 お施主のIさん、施工まで長らくお待ちいただきありがとうございました。

また、今もなお、お待ちくださっているお客様、一つ一つ心込めて作ってまいりますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
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