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雑木の庭つくり日記

ダーチャ小屋つくりWSのご案内と、土屋根つくり 平成28年10月7日
 さて、千葉市緑区の高田造園ダーチャフィールドでの、板倉ダーチャ小屋つくりワークショップのお知らせです。
 板倉小屋つくりワークは昨年も行いましたが、大人にも子供にも好評でしたため、今回もまた、みんなで建てるワークショップにて行うことにいたしました。

詳細は下記のとおりです。

日時; 10月29日土曜日 朝9時より (30日に小屋本体完成です)

持ち物; 動きやすい服装、お弁当、水筒、軍手、着替え、タオルなど

費用; 無料です。

主催; NPOちば山、高田造園設計事務所 共催;NPOダーチャサポート、NPO地球守

参加資格;
 大人も子供も大歓迎です。子供はフィールドや小屋でたくさん遊べます。見学やリクリエーションとしても当日は公開ですので、どうぞ遊びに来てください。
 子供に大人気の五右衛門風呂もございます。よろしければ薪で沸かすお湯の気持ちよさを味わってお帰り下さい。

場所; 高田造園ダーチャフィールド(千葉市緑区高津戸町 外房線土気駅より徒歩20分)

申し込み方法;
 
高田造園設計事務所 高田、またはNPOちば山 中村まで電話、またはメールにてお問い合わせください。

 前回のWSの様子を少々、コメントなしの写真のみでざっとご紹介いたします。
















さて次に、高田造園設計事務所敷地内の自然分解バイオトイレの芝屋根施工手順を下記にご紹介します。




 敷地の一角に、自然分解バイオトイレ小屋を建てました。小さな建屋ですが出し桁で屋根をどっしりと設けます。



トイレは穴を掘って落ち葉枝葉、炭を敷いただけの簡素なものですが、頻繁に使ってもまったく匂いはなく、ハエも全く沸きません。腐敗させずに土壌中で分解してゆくサイクルができれば、匂いも腐敗も起こらず、糞尿はきれいに分解消失して、大地の生き物たちへと還元されてゆくのです。



今回は、この屋根を土草の屋根とする工事手順を紹介します。

 野地板、杉皮等を用いた、水を通さない下地の上、トタン波板を葺きます。破風、鼻隠しは土を載せる高さの分、6センチくらい高めに設置します。



 トタンを止めるビスにはしゅろ縄を巻いて防水します。この工法は江戸時代の木製水路の釘止め部分の水漏れ防止に用いられてきた方法で、高い防水効果が持続します。



屋根勾配は一寸から一寸五分程度の緩やかなものとし、軒先の鼻隠しの幕板との間に1寸程度の隙間を設けます。



そしてその部分に枝葉を絡ませていきます。



 軒先部分の枝葉絡み終了。ここに菌糸が絡み、それが土を安定させて大雨の際でも泥水を落とすことはなく、浄化されたきれいな水のみがシトシトト落ちるのです。



 波板の凹部分に木炭を敷き詰めます。これも、ここに微生物菌類が住み着き、常に適度な水と空気を保ちます。



土、もみ殻燻炭、竹炭を混ぜて攪拌し、軽量の屋根土を作ります。



軽く、通気性、保水性たっぷりの土壌となります。



 炭を敷いた上に、この土をかぶせていきます。作業は片面ずつ進めていきます。



 現場で余ったノシバを軒先に張り、それ以外の部分にはノシバの種を播種したうえで植物を繊維状にチップ化したものに燻炭を混ぜて絡ませるようにかぶせます。
 これですぐに菌糸が表層に絡み、大風でも大雨でも飛ばない安定した状態を作ってゆきます。



これに、菌類植物の生理活性のための複合発酵酵素液を散水して完成です。
 照り返しのない、環境にやさしく溶け込む屋根として育ってゆくことでしょう。

 このまま、ノシバとともにこの環境に適応できるコケや草が覆ってくるでしょう。この場で微生物菌類の住み着きやすい環境つくりに配慮すること、そのための植物資材の扱い方がポイントとなります。

 屋根緑化に、大げさな人工資材や、環境に悪いうえに効果の持続しない接着剤、防水剤など、本当は全く必要ないのです。
 屋根を伝う水をも浄化し、照り返しを防ぎ家屋周辺の微気候緩和にも貢献する、まるでかつてのかやぶき屋根のような和やかな風景や健康な空気感を低コストでつくる、こうした屋根も今後普及していくことを願います。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
海岸松林の再生と、庭の環境改善    平成28年9月29日


 昨年11月より森林再生実証作業にかかり始めた新潟市北区の海岸松林保安林、今年春の様子です。

 昨年の改善実証作業の前は、松も次々に枯死し、手の施しようのなかった海岸松林、そこでの森林環境改善作業を実施して10か月が経過しました。当初の予想以上に早く、改善の効果が見えてきましたので、少々ご報告いたしたいと思います。



 これは今年5月(改善開始後6か月)の実証実験区の様子です。



 これは今年9月(改善開始後10か月)の実証実験区。
葉色、葉量、枝葉のバランス、しなやかな枝先の様子や枝の分岐具合などから、不健康だった森がすっかりと健全な状態へと変化してきたことが明らかに見受けられます。



 (改善作業前の松林)
 次々と枯死し、残っている松も多くは葉色が悪く枝先に張りもなく、精気なく痛々しく乾いた、病気の林だったのです。

 これまで、国策で進められてきた農薬散布の果てに、海岸林の生命環境は壊滅的に劣化し、なおかつ松枯れは一向に収まることはありませんでした。
 当然です。傷んだ環境に対して、さらに農薬散布などによってバランスの回復を妨げるようなことを繰り返せば、ますます木々が健康に育つことができない、健康で劣悪な環境へとますます変貌してしまいます。
 
 一方で、木々が健康に生育できるための、その源たる環境に目を向けて、人間の手によって少しばかり適切な対処を施すことで、すぐに木々も森も健康を回復してくるものなのです。
 



 先ほどの写真と同じ松林の一角ですが、改善開始後わずか10か月ほどで、松林はみずみずしい健康を取り戻してきた様子が明らかに感じられるようになりました。
 
 定説にとらわれず、健康な心と頭でバランスよく観察し、そして森の本質、自然の本質としっかりと向き合うこと、それさえできれば驚くほど短期間に環境は再生されてくるという事実、それを多くの人に知っていただき、本当の自然を見通す感覚を育てていっていただきたいと思うのです。

 こうした環境再生のための視点について、ここで少しばかりご紹介したいと思います。



これは改善作業前の土の様子です。植物の根は表層にしかなく、土中にはほとんど根はありません。



(改善作業前) 
土は完全な砂のままで、有機物はほとんど土中に存在していません。
当然、植物の生育に必要な土中微生物環境も全く育っていないことが分かります。



(改善開始後、半年経過)
 今年5月、試験区内を試掘すると、表層の細根は飛躍的に増え、そして深い位置にまで植物根が進入、そして細根分岐している様子がうかがえます。



(改善開始後、半年経過)
そして、砂の色も匂いも変わり、有機物の分解によって砂が黒く色が変わり、そこにたくさんの菌糸や細かな根が絡みついて土壌中に空隙を作り始めていることがうかがえます。微生物、土中生物も深い位置にまで生息できる環境へと変貌してきました。



(改善作業前)
松林の林床は、イバラやつる、そしてイネ科、キク科等の荒れ地の草がうっそうを繁茂し、空気は滞る不快で不健全な藪でしたが、



(改善開始後8か月)
今や、あの不快なとげのある植物や荒れ地の背の高い雑草はほとんど消えていき、今はヨモギやツユクサはじめ、柔らかな下草が多種共存できる心地よい林床環境が育ってきております。



 
 今年5月、実証実験区域に隣接する松林は変わることなく不健康な様相で、林床の下草は荒れ地の雑草ばかりがはびこる藪の状態を見せております。



 一方、同じ日の実証実験区内の松林の林床の様子です。
 ここでは打って変わって穏やかでしっとりとした心地よい林床の様相を見せ、そして松の下に自然に進入してきた灌木類はのびのびと多種共存の森環境を作り始めていました。

 とても大切なことなのですが、私たちは松林の再生のために、決して松だけを見ているのではなく、環境全体を見ているのです。
 松が健康であるためには環境が健康でなければなりません。健康な環境とは、あらゆるいのちが多種共存し、喧嘩せずに互いに生かしあう、いのちの環境なのです。
 いのちは、それ一種類で生きているわけでは決してなく、自然界のあらゆるいのちがつながって共生、共存してこそ、健康な命を保つことができるのです。

 健康な松林を再生するために私たちが見ている部分は、土中環境や下草、灌木、空気の流れ方といった、松以外の環境全体の健康の回復のために、これまで手を施してきたのです。
 その結果、主木の松がこうして健康を取り戻してゆくのです。



 改善開始後10か月(今年9月)。
 これが以前は、不快で不健康な病気の林だったとは思えないほど、健康で心地よい海岸林へと変わりつつあります。
 
 人はしばしば、自然という、常に変化し、複雑で複合的なたくさんの要因でファジーに移り変わる世界を、単純化して考え、強引に枠にはめて従わせようとするようです。

 「松枯れの原因はマツノザイセンチュウ。これを退治すれば問題は解決する。」などと、原因と結果を取り違え間違った学説に基づいて、国策をもって今も農薬散布が強力にくりかえされています。その果てに環境はますます健康を失い、木々は枯れてゆき、私たちの生存基盤を失っているのです。

 我々は早く、その悪循環を断ち切り、ふたたび自然と手を繋いで歩んでゆくことを思い出さねばなりません。
 新潟市長の英断で始まったこの松林環境再生の効果を世に示すことで、その第一歩となるよう、力を尽くしていきたいと思います。

 

 さて、次にご紹介しますのは、間もなく竣工する、東京都武蔵野市Iさんの庭、二期工事の様子です。
 家屋解体後の傷んだ環境を改善して植栽し、半年が経過しています。



 わずか半年で、木々はとても健康に育ち、枝先はしなやかでバランスも良く、その様相から土中の生き物環境もまた、健全に育ってきていることがうかがえます。



樹木の根元には、枝葉の分解途中の腐植状態のものでカバーしております。これによって健康な森の林床のような、ふかふかでしっとりとした呼吸する大地の地表が早い段階から育っていくのです。



 芝生を張ったのは3週間ほど前のことですが、これほどの大雨がここ数週間降り続いたにもかかわらず、土はふかふかで芝生はびっしりと元気に生えそろいました。
 芝生も、水がきちんとしみ込む環境でなければ、長く健康を維持することはできません。特にこの秋のように、毎日のように大雨が大地をたたく日が続けば、なおさらです。
 大地の呼吸環境を徹底した改善したこの庭では、こんな気象もものともせずに芝生も健康に根を伸ばし、青々と生えそろってくるのです。

 今の時代の環境、気候条件においては特に、植栽よりも先に、まずは土中深くまでいのちが心地よく呼吸できる環境を再生すること、それを第一に考えて住環境を作ってゆくことこそが今、とても大切なことと思えるのです。



 一方で、ここは3年ほど前に竣工した千葉県印西市の庭。水がはけずに土が硬化し、芝生が後退してきています。



 大雨の際に水がはけにくい場所は特に、芝生は消えて土がむき出しとなり、そのむき出しの地表を雨がたたいて泥水となり、それがまた表層の微細な通気孔をふさいで行ってますます土は固くなり、土壌環境はますます悪化し続けてしまうのです。

 今回、芝生が健全に生育できる環境へと改善していきます。



 樹木植栽部分との境界や、芝地を横断するように、移植ゴテでちょこちょこと土中通気浸透性改善のための横溝を掘っていきます。



土壌の状態や地形に応じて、要所に深さ60センチ程度の縦穴を開けていき、



そして縦穴、横溝に枝葉を絡ませていきます。これによって枝葉の分解に伴い、土中微生物菌類が土中に増え、土壌に菌糸を張り巡らせてふかふかの団粒土壌構造を作っていき、それによって土中の通気浸透性は日を経るごとに改善されてゆくのです。



 そして、土中に眠っている様々な菌類微生物をゆり起こし、健全な発酵のサイクルへと土壌環境を早期に誘導するため、自社培養の複合発酵酵素水を散布します。
 土中の通気浸透性の改善の上でこれを散布することで、その改善効果は飛躍的に高まることを日々実感します。

 すべては、たくさんの命が健全に生きられる環境の力を高めてゆく、たくさんの生き物たちが拮抗作用を起こすことなく健全に共存できる環境つくり、私たちの改善作業の本質はそこにあります。
 それが結果として、人にとっても健康で心地よい環境につながってゆくのです。



 今回の改善作業によって、来春には見違えるほどにこの庭の表情は変貌してゆくことでしょう。
 環境の再生、環境の改善、日々そんな仕事と向かい合える幸せを噛みしめながら、これからも切磋琢磨していきたいと思います。




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
夏山の記憶      平成28年9月12日

 相変わらず東奔西走の日々の中、ブログ報告ができずにすいません。

「最近ブログが更新されていないけど、お元気ですか。」 ひと月もブログ更新が滞ると、お客様からそんな電話やメールが続きます。
 ブログを楽しみに待ってくださるお客様がこうして連絡くれることは本当にありがたいことです。
そろそろ書かないと、そんな思いで時間を作り、写真を整理し始めるのですが、こうして激しく走り続る私の一か月というものは本当に、皆様にお話ししたいこと、報告したいことが山ほど積み重なります。
 今後はあまり溜め込むことなく、コツコツと日々、短い文章で感じた事、思うこと、徒然と報告していきたい、そう思います。

 さて、今回はこの夏の山行報告にとどめたいと思います。
 



 高校2年の時から登山を始めて、今年で30年になります。導かれるままに山を歩き、森を旅し、自然の息吹を五感で感じ続け、そして今の自分があります。
 
 息をのむ大木の生気、そして今もなお、清らかに語りかけてくるいのちのにぎわい、そんな中に身を置くことで、自分の使命と役割が与えられ、そして道が開けてきたように思います。
 これからも、自然の息吹に身を委ね、そこで感じ考え、行動し、そしていずれこの世を去るときは、草の褥に迎えられて眠るように大地に還っていきたい、その時はまたまだずっと先なのでしょうが、、、こうして日々走り続ける人生の中、たまの休みの山行で、まるで魂の故郷に帰ってきたような懐かしさとともに、あらゆるいのちと一体である我の存在を改めて感じるのです。



 今回の山行は30年前の夏を振り返る一人旅です。
北アルプス穂高連峰涸沢カール。ここから日本第3位の高山奥穂高岳に登ったのがちょうど30年前の夏だったのです。
 その後、幾度となく穂高連峰に足を運びましたが、30年区切りの年、この地を再び訪ねました。



 切り立つ稜線を縦走します。
 この山域は日本アルプスの中でももっともダイナミックな岩稜と言えるでしょう。
 多感な17歳の夏、あの山の頂に立った時の興奮を今も忘れません。



 滝のように流れ落ちる雲の動きは刻々と変化し、見ていると頭も心も心地よく冴えわたり、いつの間に時間が過ぎてゆきます。
 山を伝う雲の動きに地球の空気の流れを知ります。



 山麓の上高地で迎える晴天の朝。朝もやが沸き起こって木々を伝いそして空へとのぼっていきます。

 守るべきもの、育むべきもの、それは健全な大地の呼吸であることを確信します。降り注いだ雨がきちんとと大地に染み渡ってあらゆるいのちを潤し育み、そして土中で浄化されて湧き出し、海へと還り、そしてまた循環する、絶えず循環しながら再生される水と空気の中で我々人も生かされます。

 太陽や大地と一体のリズムで動く気の流れを全身で感じることができる場所も今はずいぶんとなくなりました。
 大地の空気と水の循環、本来の姿を感じること、その大切さを伝えたい、そんなエネルギーが全身に注がれます。



 森の環境が育ってくると、そこは多種多様な植物、生き物同士が拮抗作用を起こすことなく共存共生の場となってきます。
 そしてそこは植物や動物たちだけでなく、人にとっても心休まる心地よい環境となるのです。
 そこに流れる調和の響き、大地の声、心地よい空気と香り、そんな本当の環境のよさを感じる能力すら、多くの人は失ってしまいつつあります。
 力を持った環境を感じる感性、これを多くの人に取り戻してもらい、そして特に、子供たちに少しでも体感してほしい、本当の優しく包み込むような自然(いのちのふるさと)をよりどころにしてもらいたい、そんな思いばかりが強まります。



 サルのお母さんが子猿に木の実を手渡しています。
 豊かな森の環境では野生動物もテリトリーを守り、すみ分けるもの、環境を荒らさぬもの。彼らの生きる基盤たる豊かな環境を人に荒らされてしまえば、彼らはその行動を変えていきます。
 我々人の在り方、一つの命の循環の中、そんなことを謙虚に顧みて人間社会の在り方を修正できるよう、人は進化しないといけません。
 進歩ではなく、進化しないといけない、そんな思いが今高まります。



 今年の夏の山行はそれだけでは終わりません。いつの間にか小6になった長男と次男を連れて中央アルプスを縦走します。
 小学生のうちに3000mの世界を体感させたい、今年が最後のチャンスです。
 わが子が生まれたとき、いつか息子と一緒に山に行きたいな、漠然とそう思ったものです。



 稜線の頂にて。



 木曽駒が岳山頂にて。



 稜線の夕景。雲海の向こうに浮かぶのは木曽の名峰、御岳です。高山の冷気を青く包み込む日没の稜線は心洗われる時間です。



 ダウンジャケットにくるんで寒さをしのいで夕日にカメラを向ける次男(小3)。



山頂で迎える翌朝の日の出。



 そのわずかなひと時、山々も岩肌も一瞬ピンク色に染まります。



 子供は親が思う以上に強いもの、直角に切り立つ岩峰も物おじせずに歩みます。
 
 私の山行や旅はいつも、様々な調査や発想を得ることを目的の一つとすることが多く、そうしたライフワークの真剣勝負の旅に子供を連れてゆくことはあまりありませんでした。
 わが子がそうしたことに興味を持ってくれたら、時期が来たら、一緒に旅できればうれしいという思いが膨らみ、今回子供と一緒に登ったのでした。

 子供はいつの間にか、父親が思う以上にいろいろなことが分かっていて、そして私の想いも、私が今真剣に取り組んでいることの意味も、実はよく分かっている、そんなことも、今回の水入らずの山行で感じた時間となりました。



 夏休みの終わり、大学生となった甥っ子たちと、おなじみのちばダーチャフィールドで過ごします。
 どうも、僕は身内や子供の話をブログに書くのは苦手ですが、、恥ずかしながら少しだけ、今回は思いをつづりたいと思います。
 



 今年大学生となった甥っ子次男は今、北海道の大学で自然環境を学んでいます。
薪割りが大好きで、北海道でも人に頼まれて率先して薪割りを楽しんでいるようです。山が好きで、生き物が好きで、子供が好きで、大学生活を全身で楽しんでいる。生まれた時から知っている、あの元気なチビ助だった甥っ子が、いつの間にかそんな好青年になっていたことに感慨無量な思いです。




そして長男は今、大学院で建築を学びながらも、自然環境と人の営みのはざまにおいて、未来にあるべき建築の在り方を真剣に考えようとしています。


 「これからの建築は絶対に環境全体から考えなおさないといけない。環境と言っても、エコ住宅とか、ゼロエミッションとか、自然素材とか、そんなうわべだけの浅はかなものではなくて、最先端を知らないといけない。自然環境というものの本質を感じて、知って、そこから組み立てなおす気概が今必要だ。」
 私は建築を学ぶ甥っ子にいつも熱くそう言います。

 僕が苦悩と青春真っただ中の23歳の時に生まれたこの子も今は23歳。月日の流れは本当に絶え間なく、そしてすべてが育ち、すべては移ろっていきます。
 確実に未来を担うこの子たち、その成長に目を見張ります。

 それだけ自分も年取ったことを感じますが、こんな若者たちの生きる時代が良い世の中となるよう、ますます決意を新たに力みなぎります。









投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
高田造園の取り組みとスタッフ募集のご案内 平成28年8月7日
 皆さまお久しぶりです。高田です。
 夏らしい澄んだ青空の下、厳しい暑さが続いておりますが、高田造園も休みなく活動しております。
 
 なお、今年はさらに、集中する様々なご依頼に対応しきれず、造園のお客様には大変長らくお待たせしてしまうようになりました。
 このあたりで、今後の高田造園を中心とした活動について、ご説明させていただきたいと思い、久々にこのブログを記しております。

 以下に、最近の仕事や活動報告を兼ねながら、これまでの仕事を振り返り、そして今後の私たちの動きについて、活動について、お話しできればと思います。



 千葉県佐倉市の古民家再生および造園、竣工から早くも4年以上が経過し、すっかりと森の中の住まいに溶け込みました。


 
 ここが4年前には更地の解体現場だったとは思えない、素晴らしい環境へと育ってきました。
 移り変わり、環境として育ち続ける庭、そんな空間をずっと追及し続ける中、私たちが生み出す庭はずいぶんと変わってきました。

 そしていつしか、造園の世界ばかりに限定できず、今は人が傷つけてしまった自然環境の改善や蘇生ともいうべき、環境再生の仕事が増えてきました。



 ここは千葉県茂原市の旧家の敷地です。8年ほど前に造園外構改修工事が完了し、今回その土壌通気浸透環境の改善作業を実施しました。



 木々の傷み具合から大地の環境状態は推測されます。
 ここでは大地の呼吸環境のつまりの原因となっている車道脇及び、倉庫周囲の雨落ち周辺から、浸透環境の改善を始めます。



裏山を背負うように配される敷地、その山の際にはかつて掘られた横溝の跡があります。こうした場所ではかつて必ず土中の水が滞りなく浸透して、敷地の土壌環境が良好に保たれるよう、必ず行われてきたのがこうした素掘りによる敷地環境の通気性、浸透性の改善造作でありました。
 裏山を背負った旧家の山側には必ず、そんな造作の名残が見られます。



 今回、この裏山と家屋敷地との際の横溝に沿ってさらに縦穴を開けていき、土中の通気を促します。長年の間に徐々に埋まって詰まってしまった山際の通気浸透性を高めていきます。
 
 庭の造作においても、今は忘れ去られた大地の健全な呼吸環境回復から手掛けねばならない、そんな場所が大変多くなってきました。
 それだけに、環境も生態系の健康も、加速的に劣化し続けていることを日々痛感させられます。



 ここは千葉県いすみ市、風の谷ファームの裏山です。この5月から毎月、このファームで里山環境再生講座を開催し、そして7月で3回目の講座となりました。
 谷筋の放置人工林をパッチ状に皮むき間伐し、手間をかけず、なおかつ短期間で多様性の高い森へと誘導していきます。
 
 里山を再生したい、環境を再生したい、そんな思いで活動されている方々がたくさんいらっしゃいます。
 しかしながら、大地、自然環境について、根本的な正しい視点を見失ったままでは、良かれと思ってやったことがかえって環境を悪化させてしまう、最近はそんな事例ばかりが目につきます。

 自然環境について、正しい視点をもって接してほしい、そんな思いで、こうした講座やワークショップを通して、環境について、そして人があるべき向き合い方について、心ある人たちに対して全力で伝えていきたい、そう思って取り組んでいます。



 そして昨日、千葉県館山市にて、福島の子供たちの保養キャンプに集まった若い人たちと一緒に、自然分解トイレを作ります。



 周囲に真竹、そしてシノダケがたくさんあったので、それを切り出して建屋を組んでいきます。



その場の材料で小屋を組む、お金はかねず、体と知恵を使って、その場所ならではの小屋が生み出される、そんなことを子供たち、若い人たちと分かち合いたいとの思いで、このプロジェクトの指導を引き受けたのです。



味のある、よいトイレ小屋ができました。今年に入り、自然分解バイオトイレをいくつも作っていきましたが、それぞれ素材も形も違う、オンリーワンの小屋が生まれ続けます。



 のどかな環境での保養キャンプ、私はこの日だけの参加でした。福島の子供たちには、大人になって心の糧として残る、楽しい思い出を刻んでほしい、そう願わずにおられません。
 
 僕が子供のころは、子供はすぐに周辺の野山に探検に分け入り、様々な遊びを知っていた気がします。
 が、野山は荒れて環境は劣化し、こうした身近な自然環境は今の若い人や子供たちを惹きつける魅力はなかなかないようです。
 楽しそうに過ごす子供たちもボランティアの若者たちも、敷地内のツリーハウスなど、与えられた施設から離れない、野山に分け入らない、虫を追いかけない、、、そんな様子を見ていると、やはり息づく自然環境の再生こそ、私たちが取り組むべきとても大切なことだと、改めて感じるのです。



 さて、ここは地元千葉市若葉区内の6000坪ほどの山林。これからこの山の環境を改善し、多様で豊かな森を育てつつ、たくさんの子供たちが家族とともに過ごせるダーチャ村を作っていきます。

 その活動の母体として、ただいま申請準備中のNPO地球守(代表理事 高田宏臣)、そしてNPOダーチャサポート、二つのNPOを中心に、全国で連携の輪を広げつつ、地域的に活動を展開していきたいと思います。

 そして同時に、本業の高田造園の仕事を通して、身近な日常生活環境の改善を進めていきます。
 そんな形で今後は造園及び環境再生の両輪を回しながら、背中を押されるままにすべきことをしていきたい、そう思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、最後に、高田造園スタッフ募集です。

 高田造園の活動は、様々な人とかかわりあいながら、仕事以外にも多岐の活動を次々に展開していきます。
 こうした活動を含めて共に長く、楽しく取り組みながら共に成長していける、そんなスタッフを募集しています。

 これまでは職人・見習い募集でしたが、今、総合的な事務スタッフの必要性を感じ、下記条件で募集することを決めました次第です。

 要綱は下記のとおりです。

業務内容;

 高田造園およびNPO地球守事務全般・造園設計製図・書類作成・現場調査補助・イベント世話・企画・ダーチャ村環境整備・畑等の外作業等、多岐にわたります。

募集条件;

要普通免許、自力通勤可能で、早朝出勤できること。
・造園設計製図経験者または仕事として身に着けてゆく意志と素養のあること。
・高田造園の取り組みや趣旨に同意し、人や自然環境に対して興味をもって、取り組める、前向きな方
・長く関わっていただける方。
・学ぶ意欲旺盛な方
・体を使うこと、汗を流すことを厭わない、健康な方

 そんなスタッフを募集したいと思います。興味ある方はぜひ、ご連絡ください。
 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
最近の活動報告     平成28年7月18日

 高田造園ブログをお読みくださる皆さま、大変ご無沙汰しております。高田造園設計事務所の高田です。皆さまお元気でしょうか。私たちも元気に精力的に活動しております。
 大変な多忙の中、ブログの更新がかつてないほどに空いてしまいました。
その間、報告したいことは山ほどございますが、簡単かつ、つれづれなるままに、順不同でご紹介したいと思います。



 まずは竣工した庭環境のご紹介から始めましょう。
 先に一期工事を終えて中断しておりました千葉市中央区の庭が先日竣工です。

 高低差のある敷地を生かして奥行きと変化のある空間が生まれました。



 木々の合間に様々移り変わる光と風の空間を連続させていきます。



 庭側から木々越しに家屋がなじみます。今後木々の成長とともにここは自然環境の中の住まいへと昇華してゆくことでしょう。



 そして二期工事の目玉は、芝生の息づく駐車スペースとそこからのアプローチ。
駐車場の緑化のポイントは、下地の作り方にあります。
 車両の重さで土壌が圧密されることのないよう、石をかませて車重を支え、なおかつその間の空間が円滑に水と空気がしみ込んでゆくよう、様々配慮を重ねます。



完成直後の芝生の駐車スペース。



 縦列駐車場の奥、木々の合間の裏門から庭へと伝います。



 完成直後のアプローチ。すでに心地よい空気が通り抜け、この土地の自然環境としての醸成が始まりだした、そんな気配を感じます。



 そしてここは6月初めに竣工した、長野県鹿教湯温泉内の環境整備工事の模様です。
無機質な工業製品の外壁も、周辺の森林環境とつながる木々の配植によって環境の中に溶け込んでいきます。



 住宅造成に伴う均一傾斜の盛り土斜面枝葉を絡ませて土留め柵をつくり、植栽スペースを作りながら、自然地形へと誘導していきます。



 自然地形を再生し、そのうえで植栽、グランドの保護には周辺の山林内の落ち葉溜めから採取した、落ち葉の下の腐植層を用います。



 周辺林から採取した腐植。分解途中の枝葉に菌糸、樹木根が絡み合い、スポンジのような森の皮膚を形成する、それが健康な森の腐植層です。
 この、森の皮膚移植ともいうべき腐植層の採取には、あくまで採りすぎず、森にダメージを与えないように細心の注意で行います。



 腐植マルチ後の植栽地。自然地形再生のために絡み合わせた枝葉は1~2年程度で良質な土壌へと還っていきます。その時にはすでに樹木の根が表土を張り巡らせて地形を支え、あたかも自然本来の地形のように心地よい姿で安定してゆくことでしょう。



 玄関前の洗い出し仕上げによるステップの敷設のための型枠です。
コンクリート厚はわずか12センチ程度とします。
 凍結深度の深い寒冷地では近年、かなりの深さまでベースコンクリートを打つのが業界の常識となっています。凍結深度を超えるまで深くコンクリートを打たないと冬場の凍結で持ち上がってしまうからです。
 しかし、それは大地に対して多大な負荷を与える誤った方法と言えるでしょう。

 下地を圧密してふっくらした通気環境をつぶしてしまうから凍結によって持ち上がるのであって、それをせずに呼吸する大地を生かしつつ、ブリッジのように支える構造であれば、冬場の凍結によって持ち上がることはありません。



 ここでは、表面を炭化させた杭を打ち込みます。炭化させることによって表面の通気透水および微生物環境が正常を保ち、そこに菌糸が絡み、樹木根を呼び込みます。そして絡んだ樹木根が杭を支えます。



 打ち込み杭とワイヤーメッシュを軽く連結し、そして下地には土中通気改善の上で、炭とウッドチップをまぶします。



 そしてそのうえで塗り込み、洗い出して仕上げます。
大地を傷めず、周辺木々や微生物環境へ負荷を与えず、まるでふかふかの土壌の上に平たい石を置いたような、そんな仕上げです。そしてその人工石を焼き杭とそれに絡んだ根っこが支え、植物根も土中生物もその下で心地よく生きていけるそんな環境を保ちます。



 完成後の玄関周辺と、寒冷地仕様でなおかつ大地に負荷を与えないコンクリート造作。



 完成直後の外空間。茶色のウッドチップ敷きのスペースは、ノシバの種を播種した駐車スペースです。適正な管理がなされれば、来年には緑の息づく駐車場となることでしょう。



 そしてこの春以降、新たに導入した取り組みの一つとして、複合発酵酵素水の培養設備のご紹介です。
 当社管理のダーチャフィールドに最近設置した複合発酵プラントです。大量の微生物複合増殖、合成、酵素化を同時に行う設備です。



 発酵槽では、無限といっても過言でないほどの多種大量の微生物群を増殖、共生させていきます。
 毎日手を入れて攪拌します。このとき、微生物の状態を把握するためのもっともすぐれた感覚器官は鼻や下、手触りを通した五感すべての複合であることを実感します。微生物の状態は日ごと変化していきます。

 正常な発酵が連鎖すると腐敗の作用は全く起こりません。そんな発酵部屋の空気はよく、山の中なのにハエも蚊もほぼ生じません。



 飴色は増殖した光合成細菌などによるものです。腐敗はありません。



 そして隣の合成槽では、増殖した微生物の合成作用が起こり、透明度の高い無臭の酵素液を増殖します。
 ここにはすでに微生物菌類は存在せず、酵素とエネルギーへと転換されます。



これを土壌や空気中、葉面、そして住環境周辺などのあらゆる環境中に散布することで、本来の正常な微生物の合成作用の循環が再生していく、そのきっかけとなります。
 疲弊気味だった当社フィールドの自然菜園も酵素水散布によって目覚ましく回復し、そして、病虫害もほぼ現れません。訪れる昆虫の種類、特にトンボなどが目覚ましく増え、その一方で蚊やカメムシなどは激減しました。豊かで多様な本来の生き物環境の循環が再生されてきたのでしょう。

 フィールドでのイベントなどの前に、この酵素水を散布すると、驚くほど蚊がいなくなるのです。もちろん、ハエなども激減します。



ここは長野県飯山市、常盤第一地区下水処理場です。ここではおよそ600世帯分の下水を複合発酵技術によって処理、汚泥の消失減量化を行っています。



下水処理槽も汚泥層も、嫌なにおいが驚くほどしません。むしろ、心地よい空気感すら感じます。



 処理水には大腸菌すら消失し、飲用可能なレベルにまで浄化されます。みんなで処理水を試飲します。

 この処理水を周辺の様々な農家の方々がタンクに詰めて持ち帰り、それを農地に散布利用しているのです。
 複合発酵下水処理水を利用して、無農薬無肥料による作物生産がいたるところで実現されている、そんな圃場を見学して回り、想像を絶する微生物世界の神秘的なまでの働きに打たれます。



  ここも長野県内、複合発酵によって家畜のし尿処理を行っている畜産農家の処理施設です。
 大量の牛のし尿を複合発酵酵素によって発酵させて分解、合成処理しています。
 畜産農家のし尿処理施設なのに、驚くほど嫌な匂いがありません。



 そしてハエもほとんど沸きません。驚くべき現実です。
家畜の牛に酵素水を飲用させることでまず、糞尿の腐敗臭が激減します。おなかの中で腐敗作用がおこらず、正常な発酵サイクルが再生されることによるのでしょう。
 そして、酵素水を飲用した家畜は病気にもなりにくく、今の不健康な畜産に欠かせない抗生剤すら、必要としなくなるのです。

 そしてこの処理水も周辺農家が積極的に利用し、農薬化学肥料などの環境を汚染する余計な造作をせずに健康でおいしい農産物を高い収量で生産されているのです。

 驚くべき技術、自然界の真理は、これまでの微生物学の常識の範疇にとどまるものには決して理解されることはないでしょう。

 私たちが取り組む果てしない環境の再生に、この技術を生かし始め、そしてその目覚ましい効果を日々実感しています。



 ここは今年に入って千葉市内に新たに借りた、6000坪ほどの山林です。この山林を整備、育成利用しながら、ここに20世帯程度のダーチャ村を作り、週末に家族とともに自然とともに暮らしてゆくことを望まれる、心ある方々と共にコミュニティと環境を育てていく、そんなことを計画し、環境再生整備を始めています。
 
 都市近郊の里山の多くは放置され、荒れていき、そして相続のたびに代々の地主の手から他者へと買い取られていきます。
 都市近郊で今、こうした土地を取得するのは多くは土木建設会社の資材、残土、ごみ置き場、そして廃棄物処分場、太陽光パネル設置用地など、、、。その果てに環境は一気に荒れていき、そこはもはや、それまでの穏やかで心地よい田舎とは全くかけ離れてしまうのです。
 先祖代々住み慣れた故郷が壊れてゆく、心ある地主さん方々の多くはそれを望んでいません。
 しかし、後継者がいない、息子も部落を離れてしまい、人手もない、そんな中、選択肢が限定されてゆくのが今の時代。
 里山も農地も、その土地の先人が育んできた、大切な宝です。それを新たな形で活用し、そして地主さん方々にとってもメリットとなる形にしてゆくこと、そんな形で日本を再生していきたい、そんな思いでダーチャ作りの活動を今、はじめております。



 荒れた山を改善する、その作業は大勢でやれば楽しく、はかどり、なおかつみんなの学びになります。
 今回、この山の心臓部ともいえる谷筋のラインにおける空気通し改善作業を40人のワークショップで実施しました。

 かつては村で共同で行う、結(ゆい)の作業が村落の環境を守り支えてきました。それに代わる現代の結(ゆい)、それがこうしたワークショップなのでしょう。こうした作業にたくさんの人が集まり、そして楽しみながら作業が進む、良い時代に変わりつつある希望をも感じます。



 そしてこの日の作業は杉林の皮むき間伐作業です。樹皮をはがし、下からみんなで引っ張ってはがしていきます。

 放置されて細長く不健康な林となった人工林の間伐には、この皮むき間伐が最適で、今全国で急速に普及しつつあります。



 樹皮をはがし、立木のままゆっくりと時間をかけて枯らしていきます。
 そして、徐々に枯れていき、水分が抜けていき、光が徐々に入り込むことによって周辺の木々が枝葉を広げ、林床の植生が回復する、皮むき後2年くらい後に伐採し、天然乾燥材として利用されるのです。
 こうして自然乾燥した木材の重量は生木の3分の一以下になり、搬出も容易で大きな機械を必要とせず、大きな道をつけずとも森を荒らすことなく山から木材を運び出すことができます。



皮をむいた立木は水分を含んで美しくきらめき、その手触りや香りに誰もが魅了されます。



 なるべく高い位置まで皮をむきたい、つるつるの木に登ってみたり、肩車してみたり、あらゆる方法でにぎやかに作業が進みます。



 従来の間伐の場合、劣勢木を中心になるべく均質な密度を保つよう、まばらに均等感覚で間引きを行うのですが、ここでは違って、数本単位で集中的に間伐してゆくことで、杉林の中に50㎡程度のパッチ状の開口空間を点々と作っていきます。
 一本単位の間伐ではなく、こうしてまとまった開口を作ることによって、広葉樹等の新たな侵入木や林床植生の発達、多様化を促し、健全で多種共存の針広混交林へと短期間で誘導してゆくのです。



今回皮むき間伐を行った林分に隣接するシノダケの藪。シノダケ以外に何も生育できない、荒れはてた場所。
 これは数年前に杉林の一斉皆伐が行われ、重機で蹂躙されて環境を壊してしまった場所の跡地、ここまで荒らしてしまうともはや自然の力だけではなかなか健全な森へと移行していきません。
 しかし、こんな藪でも、適切に手を打つことで、驚くほど短期間に健全な森へと遷移させてゆくことができるのです。



猛烈な勢いで覆いつくすシノダケをすべて伐採するのではなく、まずは地形形状や笹のハエ具合などを読み取りながら、空気の通り道を開けていきます。
 これだけでこの土地の生物環境はみるみると改善に向かい、硬化した土壌は回復し、シノダケは徐々に勢いを弱めていきます。そして、もう少し藪がまばらになってきたところで、次の作業として、さらに横に風道を開いていきます。そうしているうちに、徐々にシノダケ以外の植生が侵入をはじめ、生態系が回復してゆくのです。

 環境再生は自然との共同作業であって、人間がすべてをやろうとしないこと、今回のワークでそんなことを多くの人に伝えたいとの思いを込めます。



 4年前から整備を始めたダーチャフィールドも、日ごと月ごと心地よい環境へと変貌し続けていきます。
 森には子供が似あいます。僕たちの子供のころのように、森に虫の声、鳥の声、子供の声、そんなものが響き渡る豊かな大地が広がってゆくことを願い、猛烈に忙しい日々を生き抜いていきます。





投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
     
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