雑木の庭,造園のことなら高田造園設計事務所へ
HOME>雑木の庭つくり日記

雑木の庭つくり日記

本年の終わりに  これからの活動に向けて  平成28年12月27日


 例年のとおり、年末は来る日も来る日もこれまで作らせていただいた庭の手入れに追われます。
 造園の仕事を始めてまもなく四半世紀になりますが、師走はいつも、休みのない手入れ行脚を乗り越えて、新たな年を迎える、そんな生活をずっと繰り返してきたことになります。

 今年も残すところあと数日、今年の仕事もいよいよ終わりが見えてきました。

 写真は2年前に作った葉山Sさんの外空間、エントランスです。手入れと同時に、継続的な環境改善作業を施し、そして一日の作業を終えると、日は落ちて、夜景の中に浮かび上がります。



 今秋はどこも、見事な紅葉を見せてくれました。ここは4年前に作らせていただいた、千葉市内Sさんの外空間。
 お施主さんの愛情は確実に木々や庭の生き物たちに反映されます。
 私たちが手入れにうかがい、毎年手を触れて木々に語らうだけでも木々は喜び、元気に反応してくれるもので、ましてそこに住む人の木々やいのちに対する愛情と想いが環境を豊かに育てていき、そしてにぎやかないのちの輪の中に調和させてゆくことをいつも実感させられます。

 木々をいたわり、落ち葉にさえも感謝し、落ち葉掃除を心の掃除と考えて、優しい心持で住まいの環境と向かい合う、そんな方々は木々からも小鳥や様々な生き物たちからも歓迎されるのです。



 今年の春、埼玉県草加市のお施主さんから、シジュウカラのひなが庭でかえったという喜びのメールとともに、かわいいひなの写真が送られてきました。



 この写真は今年初めてウグイスが来てくれたという、歓喜のメッセージとともに送られてきた写真です。
 街中のわずかな一点、オアシスのような小さな雑木林の庭空間に、今はたくさんの小鳥たちが訪れて、そしてそこでまた巣を作り、巣立っては帰ってくる、そんな営みがにぎやかに繰り返される場所が、街中の点の空間に誕生するのです。

「小鳥たちにとって気持ちが良いように手入れしてくれればいいですから。」

 お施主のKさんはそう言います。そんな素晴らしいなお施主さん方々に私たちは育てられ、支えられているからこそ、、信念を曲げずに生きていけるのだなと、こうして手入れに回るたびに改めて感じさせられます。 そんなお客さんは何よりの心の宝です。

 手入れに回る中、かつて自分が作った庭の成長を感じるとともに、実はそれは過去の自分が作った庭であるということも、はっきりと感じさせられます。
 10年前の庭、5年前の庭、2年前の庭、、、どれも今の自分の作り方とはずいぶん違いますし、来年はさらに変わってゆくことでしょう。

 もちろん、だれがどんな作り方をしたかなどは些細なことで、植えられた後、木々や庭環境、生き物環境に対する人の愛情の注ぎ方、環境との対話と対処の仕方こそが、その環境を人にとっても他の生き物たちにとっても心地よい、穏やかになって自然の呼び声を感じさせてくれる空間へと育てていきます。
 大切なことは作庭後の環境との付き合い方なのでしょう。人が変わってゆくように、庭も変わっていきます。良い方向へと心地よく育ってゆくように庭を導くのは、お施主の愛情、そして同時に、人と木々の声とを繋いでゆく我々庭師の役目かもしれません。

 師走と言えども手入ればかりでは済まされません・・。今月、手入れの合間にかかり始めた海辺の庭・環境再生工事の様子を少しご紹介します。



 千葉県旭市、海岸平野の砂地の庭の改善工事に着手しました。
 カチコチに締め固められて呼吸しない大地。ここをいのちの息づく豊かな自然環境へと再生してゆくのです。
 海にほど近い砂地で、しかも土壌微生物環境も崩壊した土地に木を植えて、健康で息づく土地へと改善してゆく、その環境改善・植樹の模様をご紹介します。



ここで植樹の際の土壌環境改善資材として用いたのが、大量の廃瓦と、



剪定枝を山中に放置して菌糸の張り巡らされた腐植枝です。



 樹木を植えるために掘った植穴の底に数か所ほど縦穴を開けて、そこに廃瓦と有機物、炭を挟み込みながら、縦方向の通気浸透ラインを作ります。




その上に、植穴底に竹炭、燻炭をまぶして攪拌し、



その上に腐植枝と廃瓦をまぶし、



 さらに腐植枝葉をサンドイッチしながら炭をまぶし、また廃瓦を重ねていきます。



 それに、掘り起こした現地の砂に腐葉土、炭燻炭を攪拌してふんわりとまぶしていきます。
腐植枝、廃瓦、改良砂、炭、これらをサンドイッチするように繰り返しながら、植穴を埋め戻していきます。


 これで、砂地においてもしっかりと土壌環境が育ってゆく、そんな下地環境造作がひとまず完了です。



 植樹の前にさらに、再び腐植枝を井桁状に敷き詰めていき、



そしてその井桁の上に、掘り取った大木を載せていきます。
 見た通り、土に埋めるのではなく、砂の重さや根鉢の重さにも圧密されない空間豊富な下地の上に根鉢を載せるのです。



枝葉の井桁に乗っかることで下地土中の通気環境、隙間の空間を保つのです。
 腐植枝葉からすぐに様々な菌糸が伸びてきてその粘性によって砂を捕捉し、生き物の活動によって豊かな土壌へと変えてゆくのです。



 そして、埋め戻しの際にさらに割れた瓦片を根鉢の周りにすき込みます。
多孔質で保水性に富む瓦片に樹木根はすぐにびっしりと張り付いていき、そこで呼吸し、多様な菌類微生物の働きと相まって、この無機的な砂地の環境をいのちの源となる土壌環境へと短期間で変えてゆくのです。

 砂地は粒度一定であることが、多彩で豊かな植物環境が育ってゆくうえでのネックとなりますが、それを踏まえた改良のコツがあります。
 それは、例えば海岸砂丘に草木が生えて安定してゆく過程を見れば容易に掴めることなのです。
 何も特殊な資材や、土の専門家がすぐに勧めたがる培養土や改良材など全く必要なく、その辺の廃材を用いてこそ、恒久的な命の息づく土壌環境へと変貌させることができるのです。

 自然界の働きに沿ったこうした方法は間違いなく、環境を浄化していき、そして眠っていた命が再び目を覚まして、心地よい空気感へと変えていくのですが、人はどうして自然本来の働きの力を借りないのか、菌類微生物、そして植物の力を借りてこそ、我々は安全に快適に暮らせる環境が作れるというのに、それを、「有用微生物」と「有害菌」などと、自然界の命を人間都合で切り離して、都合のよいものばかりを集めようとし、そして都合の悪いものを排除しようとしてきた結果、今の取り返しのつかないバランスの崩壊、環境劣化、環境破壊を招いてきたと言えるでしょう。命はすべてつながっているのですから。
 誰のせいでもなく、我々一人一人の、大地における向き合い方を改めて問い直すときにいる、日々の仕事の中で今年ほどそれを強く感じた年はありません。



 根鉢の周囲を、改良した砂と廃瓦などで埋め戻せば、大木移植の完了です。
この方法で植えれば、支柱もいらなければ灌水も必要ありません。粘性のある菌糸が保ってくれるしっとりした土壌環境に根が完璧に守られるからです。

 これが真実なのです。自然に逆らうことばかりしていると、移植後も土が乾燥し、土壌生物環境は育たず根は守られず、したがって支柱も必要になり灌水も必要になります。
 これまでの狭い常識にとらわれず自然や目の前の事実から素直に学んで、そろそろ根本的に考え方をあらためるべき、人間は今こそそこまで進化しなければなりません。
 そうでなければ、人の存在すべては自然界のがん細胞として、いずれは自らの生存基盤をも失ってしまうことでしょう。



 自然の一員としての人の在り方、地球に対する責任、周辺環境に対する人の責任、そしてそんな配慮が心を豊かにしてくれる、そんなことを伝えたくて、今年は数えてみると、実に30回近い、環境改善講座やワークショップ、レクチャーをこなしてきましたことになります。
 
 今年の活動をじっくりと総括し、そしてさらに学びながら、来年の取り組みにつなげたいと思います。



 今月、おなじみの土気山ダーチャフィールドに新たに建てた山小屋です。
3坪の板倉小屋に屋根のあるデッキを伸ばして、五右衛門風呂と炊事場を一体化したモデルです。



 カラマツの焼き丸太杭を土台とした掘っ立て構造によって土地を傷めずに森の中にそっと割り込ませてもらいます。
 デッキの下のかまどは、五右衛門風呂の焚口です。



 デッキが炊事洗濯お風呂など、生活の場となります。その排水は土中の菌類微生物によって分解消失されるよう、浸透孔をつくり、この土地の環境中へと還していきます。
 命の循環はそこが実は最も大切なことで、還すところから新たな命が力を得てつながってゆく、その当たり前のことすら、今の文明は排除し続けているのです。
 本当の人の在り方を学び思い出す場所、志を共にする仲間たちとそんな取り組みをすすめてゆくために、今月、NPO法人地球守を設立いたしました。
 今年、私たちがやってきたことを継続し、さらに活動の幅を広げ、来年につないでいこうと思います。

 共感してくださる方、ともに楽しく関わってくださる方、どうぞご参加をお待ちしております。

 今年もたくさんの人にお世話になり、感謝の想いに満たされます。来年も力いっぱい生きていこうと思いますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

 皆様、良いお年をお迎えください。地球のすべての平和と安心と温かさをお祈りし、そして皆様のご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。

 どうもありがとうございました。






投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
今年最後の造園工事完了 千葉市花見川区  平成28年12月4日


  全国を飛びまわってきました一年間の締めくくりとなる、今年最後の造園環境工事は地元の千葉市内、Kさんの庭が昨日竣工しました。

 建築は里山建築研究所の安藤邦廣氏による板倉つくりです。安藤氏の板倉住宅は、有機的な建築外観とその呼吸する住まいとしての健康な機能性の高さとしてはおそらく、現代住宅としては最高峰と言えるでしょう。
 外観から醸し出される、どっしりした安定感、質感、重量感、有機的な心地よさは本当に、見ていて飽きることなく、これからの月日とともに、街の景観と歴史を刻んで潤し続けるだけの力があります。

 地域と暮らしと自然環境と密着してきたかつての民家が今、次々と解体され続け、安易で無表情な工業製品住宅ばかりがはびこる時代ではありますが、そんな風潮を全く意に介さずに、あふれるようなエネルギーを得て、生み出し続ける本物もあります。
 安藤氏の板倉住宅は、本物の住まいのみが放つ気品とぬくもりを感じさせられます。
 千葉県で初となる安藤邦廣氏の板倉住宅がここ、千葉市花見川区Kさんの住まいです。



 こうした本物の家屋は、植栽して庭が完成しても全く違和感を感じさせず、季節やその地本来の環境、家屋の佇まいにしっくりと収まっていき、その空間だけがまるで別次元のような時間空間感覚を感じさせます。
 また、こうしたはっきりした意図を持った素晴らしい家屋では、造園における素材の取り合わせに苦労することはありません。有機的で命ある素材の質感を自然と組み合わせていけばそのまま違和感なく調和してくるからです。



 西南のコーナーの収納小屋は、築150年の古民家を解体した際に発生した古材を組み合わせて作り、庭の主要な景として溶け込ませていきます。
 この角度では見えにくいですが、屋根は芝屋根です。屋根の上にもしっとりとした土の空間があることで小屋は一気に有機的な庭の世界に溶け込み、とても穏やかな表情を見せてくれます。



 施工途中の小屋の佇まい。
 基礎は焼き松杭を打ち込み、その上に土台を載せます。こうした工法では土地を傷めることがなく、土中の呼吸環境を健全に保ったままに建てられます。
 建具も壁の板もすべて、徹底的に古材を用いて組み上げます。



 駐車スペースから続く玄関アプローチは、露地の中門のようなたたずまいになりました。
 左の薪棚も木戸も、解体古民家の古材を用いて簡素に作り、四ツ目垣の竹は、古民家の屋根裏で長年囲炉裏の煙にいぶされ続けて飴色を帯びた煤竹を用いてます。



 足元の石も解体の際に引き上げた古材を主に用いて組み合わせています。
 古い材料やかつての民家の建築廃材に再び新たな命を宿してゆくことで、かつての素晴らしい知恵や時代の記憶、ぬくもりを未来につなぐことになるように感じます。



 私たちの庭つくりにおいて、不可欠に重要視していることは、
 「その地に降り注いだ天水が、その土地を潤し、土中の微生物活動によって浄化され、本来の健全な水脈へと清浄な水を還してゆく」 ということです。
 このことの大切さ、それは人にとっても環境にとっても、持続的かつ健全に豊かにその地で暮らしてゆくために絶対不可欠なことなのですが、その説明は、ここでは割愛します。

 駐車スペースとなる接道部分の道路際を溝掘りし、そこに廃瓦やコンクリートガラ、石、炭、枝葉の粉砕チップをサンドイッチしながら、通気浸透ラインに土圧に耐える空隙を土中に作っていきます。



さらに、駐車場内の植栽マウンドの際を中心に溝掘りし、



 そこに枝葉を絡み合わせ編みながら立ち上げていきます。



 駐車場内の植栽マウンド通気浸透改善造作終了。
この造作をしっかりと行うことで、植栽の際まで車圧がおよぶ駐車場においても、その影響が木々の根に及ぶことなく、健康に根を土中深部に張り巡らせる環境となるのです。
 そして木々の根は縦穴通気孔に張り付いて深部に至り、それが駐車スペースの下へと張り巡らされることによって、ふかふかで水たまりなど決してできない、ひんやりと呼吸する有機的な駐車場へと育ってゆくのです。



 そして、駐車場の仕上げは、竹炭、単粒砕石、ウッドチップ、燻炭をサンドイッチしながら若干転圧し、水はけがよく、なおかつ車圧に対して安定した構造を作っていきます。
 石の隙間に炭と枝葉粉砕の有機物チップを入り込ませることで、しっとりした路盤の空隙の中に様々な菌糸が絡み、それが地盤を餅のようにふんわりとしたスポンジ構造を作っていきます。
 そして、土中の菌糸を伝う雨水は微生物活動によって浄化されて深部へと浸み込んでいきます。

 呼吸しない大地で人は健康かつ快適に過ごすことは決してできません。今の多くの人が暮らす住環境が、呼吸しない乾いた砂っぽい、非生物的な環境であることすら、今の日本人の多くは忘れてしまいつつあります。

 そんな時代だからこそ、私たちが作る空間は、呼吸する大地の心地よさを、通る人たちにも思い出していただけるような場にしていきたいと思い、今はこんなことばかりしています。



 潤いのある駐車スペースと木々越しの板倉住宅。外壁は杉板を炭化させて用いてます。
 植栽したばかりの冬枯れの雑木の幹はまだ、この住まいの質感に対してほっそりした弱い線ですが、数年後にはこの家屋の外観は雑木林の奥へと包まれてゆくことでしょう。

 さて、今年もあとわずかです。
 駆け続けた一年もあと少しだと思うと、ともすると疲れが一気に現れます。体の中の見えない気の流れとは面白いもので、こうした内なる世界ときちんと対話しながら心身の体調管理してゆくことは、地球の環境、大地の環境に思いを馳せて対話し向き合うことと、全く同じことのように感じます。
 
 まだまだ年内の仕事は山と積まれていますが、一期一会の行く年を楽しく仕上げていきたいと思います。
 皆様もどうぞ心身ともに健康に、師走を乗り切られるよう、お祈り申し上げます。
 
 

 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
植物酵素作り講座のご案内と、つくば市緑地環境再生経過報告 平成28年11月14日


 秋の雑木林、それに向かい合い静かに心を通わせることで、駆け抜けてきた一年間の心身疲れは心地よく癒され、その空気の優しさに包まれる中で、来年へと、未来に向けてすべきことを指し示してくれるようです。
 秋の紅葉と雑木林の静けさはいち早く年の瀬を感じさせてくれます。




 健康な森の林床ではこの時期、降り落ちたミズナラのどんぐりが根を出し、冬越しの準備を急いでいるかのようです。
 
 最近、荒れた森ばかり目にすることが多くなった中、まれにこうした健康な大地に踏み入ると、心からの安堵とともに、無性に愛おしさを感じ、体内のエネルギーが高まる気がします。
 大地の営み、いのちの輪、それを健康な形で未来へとつなぐため、こうしたいのちの息づく森の心地よさに背中を押される思いです。それを一身に背負ってこれからもさらに、頑張っていきたいと思います。

さて、遅くなりましたが、11月23日勤労感謝の日に予定しております、手作り野草酵素つくり講座は下記のとおりです。

講座名; キロン手作り野草酵素作りワークショップ&講座

講座内容;
 身近な植物、野草、果実を発酵させることによって、安全でおいしく、そして体に良い植物酵素の培養を学び、実際に各自作りながら、ノウハウを学びます。
 秋の果物や、周辺に普通に生えている野草、野菜から、酵素を作る方法を学びます。

講師; 
 「キロン癒しの自然食」山室紀子氏(五風十雨農場事務局)

講師略歴;
 弟の障害により福祉職を歩み、医療の実態を目の当たりにし、現代医学や薬に疑問を持ち自然に即した生活を営む。
 子供の植物アレルギーやアトピーに悩み、抜本的な改善を模索する。
 美味しさや体の喜びを追求し、手軽に継続できる「手作り酵素」つくりに魅了されて8年目。
 2年半前に埼玉県から山梨県北杜市へと移住。
 南アルプスの麓、安全でエネルギーあふれる食材に恵まれ、天然素材でより効果的な酵素研究を続ける。
 現在、関東各地で、移動販売&酵素を作る会を開催。全国の自然栽培農家さんを応援するため、農産物での酵素作りも実施。

キロンさんが作る手作り酵素の特徴

 健康な土地のエネルギーあふれる山野草や、天然のフルーツ&野菜で発酵。
 植物性乳酸菌をたっぷり含み、ミネラルとビタミンを意識し、絶えず酵素の力を高める工夫を続ける。
 大根から作られた甜菜糖を愛用しつつも、極力糖分を減量し発酵にこだわり作っています。
 非加熱のため、酵素は生きたまま体の隅々まで届き、瞬時に体温が上昇します。
 腸が活性化しデトックス効果も高まります。子供からお年寄りまで、どなたにも効果的に用いていただけます。


日時;11月23日(水) 勤労感謝の日
 午前9時15分開場 30分講座開始 14時~15時くらい終了予定

主催;NPO法人地球守 後援・協力;五風十雨農場、高田造園設計事務所
   講座担当 竹内和恵(NPO法人地球守理事 セルフ庭作り設計、風和里代表)

開場;千葉市緑区高津戸町 高田造園ダーチャフィールド(外房線土気駅より徒歩15分)
  駐車場あり。お申し込みの際、交通手段をお知らせください。

募集人数;ワークショップ作業参加者合計10名程度のほか、オブサーバー参加5~6名程度まで受付いたします。
 また、お子様連れ大歓迎です。小さな子も安心してお連れください。
 *実際に皆さんが作れるようになっていただくよう、濃密な内容の講座とするため、人数制限を設けさせていただきました。ご了承いただければ幸いです。

申し込み方法;

担当者まで電話または、高田造園設計事務所等にてメールでも受付いたします。
担当竹内和恵090-5501-4956

参加費; ワークショップ参加者;5000円(講習費・材料費込み。作った酵素は持ち帰りいただきます)
     オブサーバー参加者;3000円 講習に参加いただき、実際に作る作業は見学いただきます。

ワーク参加者各自の酵素仕上がり量;2キロ酵素原液 約一リットル弱
出来上がりまでの流れ
1.当日、会場で仕込み、種菌を投入自宅へ持ち帰り
2.5日前後、自宅で材料を混ぜる
3.発酵 容器に2度漉し1週間熟成
4.完成、保存
 

持ち物;
 屋外作業ですので動きやすい服装。雨カッパ、長靴、タオル、お弁当、

 ワーク参加者;包丁まな板、大きめの笊またはカゴ(*希望があればこちらで事前に用意いたしますので、その際は必ずお申し付けください)
 酵素を入れる仕込み容器 (果実酒8㍑サイズがベスト。混ぜるので、間口に手が入る大きさ*こちらでも容易可能) 
 他、使いたい果物など、600グラム程度(*なければ構いません)
 果物購入のポイント
・国産・旬・新鮮・種のあるもの・可能な限り無農薬無化学肥料(果物を酵素液に漬けおくことで農薬成分を分解することもできます)

詳細は電話またはメールにてお問い合わせください。

さて、ついでに、一昨年の秋、つくば市内の住宅開発地の緑地環境改善にかかりました、春風台住宅地の改善経過を、写真にて簡単に報告いたします。



 環境改善・植樹後2年経過。大型宅地開発の影響で土が固く締まり土中の水が広範囲に滞ってしまい、街路の樹木も健全に育たない環境を改善、植栽しました。
 改善実証区はその一部、街路延長約100mにて、実施しました。
 平坦な土地に溝を掘って土中の空気と水を動かし、そして土中の微生物環境多様化と共存効果を期して、植栽マウンドごとに密植混植を施しました。

 吹きさらしの開発地にあって木々は健全な樹勢を保ち、風景としても環境としても育ってきている様子がわかります。



 一方、実証区の隣接地に、同じ時期に従来の植栽方法によって植えられた木々は、土中滞水の影響を受けて根が伸長できず、枝先は枯れて成長せず、不健康な様相を見せていました。
 道路を挟んで向かい合う対照区を比較すると、土中の水と空気を動かすことが健康な環境再生のための決定的なカギとなることが明らかに見えてきます。



 この住宅地は接道部分12mもの幅の緑地帯を持つ、緑住農一体型の住宅地として計画されましたが、開発に伴う大規模造成によって壊してしまった土壌環境にいくら木を植えてもなかなか健康には育ちません。
 植樹の周囲だけ良い土に入れ替えようが、根本たる土地の通気透水環境が改善されない限り、入れ替えた良土もすぐに硬化し、いのちを失います。

 大地の力を徹底的に衰えさせてしまった現代において、我々は土の中の見えない世界にきちんと目を向けていかねばなりません。





 一方で、土壌通気環境を改善して植樹した環境再生実証区の緑地帯は今や、開発によって激しく傷んだ環境にあってもここだけは力強く、良い環境を再生しようとしているようです。

 木々が健康に育つ環境、それは人の健康にとっても大切です。植物も健全に育たない環境で人間だけ健康に生きられるなど、長い目で見れば本来あり得なるものではないはずです。

 その土地に向き合い、あらゆるいのちが息づくことのできる大地の呼吸環境を取り戻すことこそ、豊かな環境を再生、蘇生してゆくカギとなる、この実証区の木々はそのことを証明してくれます。



 一昨日、所用で訪ねた長野県諏訪郡の井戸尻遺跡。心地よいところです。縄文時代、この周辺には縄文集落が集中し、当時の日本の人口の10パーセントがこの地域に集中していたと言います。
 八ヶ岳や南アルプス周辺の山々と、そこから土中に流れる清冽で力強い水脈環境が、豊かな土地を育み、そしてその土地の生産力の高さゆえに多くの人口を養いえたのでしょう。

 豊かな環境、と言うと、つい目に見える緑ばかりを想いがちなものですが、本当の環境の豊かさは、見えない土の中の正常な呼吸と循環によって成り立つもの。
 豊かな未来の環境を見据えて、コツコツと歩んでいきたいものです。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
板倉小屋つくりワークショップ 御礼とご報告  平成28年10月31日


 先の土曜日、高田造園ダーチャフィールドにて開催いたしました板倉小屋つくりワークショップ、たくさんの方のご参加をいただき、おかげさまで無事終了いたしました。
 参加くださった皆様、そして、高田造園及びNPO地球守とともに、この素晴らしい場を主催いただいたNPOちば山の皆さま、まずはお礼申し上げます。
 
 ごく簡単ですが、この素晴らしい一日の様子や想いを、少々ここでご報告いたしたいと思います。



 杜の中に小屋を建て、人の営みを宿すということ、そのためには周辺の森の環境がそれによって傷むことのないよう、そんな配慮が大切です。
 環境の中での造作において、人はこれからその土地の自然環境の仲間入りをさせていただくのですから、その場の環境に受け入れられるような心構えと配慮を忘れてはなりません。

 建築造作において、大地の環境に対してもっとも配慮すべきことは、土台の下の基礎の構造です。
 我々は山に小屋を建てる際、土地を造成することなくそのままの地形を生かして、松の焼き杭を打ち込み、それを基礎にして土台を据えていきます。

 この、大地に柱を直接埋め込む掘っ立て構造は伊勢神宮と同じです。周辺環境に対する畏敬と配慮の心を人類の未来永劫忘れないために、伊勢神宮では20年に一度の式年遷宮を今に至るまで繰り返してきました。
 そんな偉大な古人の知恵は忘れ去れて久しい中、こうした姿勢は今後ますます輝きを放つ時代へと進んでゆくことでしょう。
 そんな姿勢こそ、私たちが皆さんと共有しながら伝えていきたいことなのでした。



 松杭の基礎の上に土台を回します。木材はすべて、地元千葉県産のヒノキと杉の自然乾燥材の手刻みです。
 その土地の気候風土に慣れ親しんで育った木で建てること、建物にとっても人にとっても、そして環境にとっても健康で、共に長く息づく小屋の魂が宿ります。

 木の本来の機能を生かすため、ちば山の家つくりでは必ず、地元の木を手間と時間をかけて自然乾燥させて用いてきました。
 我々ちば山に限らず、知恵と心のある建築者は、今の時代においても必ず自然乾燥材を用います。

 ところが現在の多くの木造建築においては、人工的に熱を加えて乾燥させるため、木材の細胞は死んでしまい、通気性も吸湿性もほとんどなくなります。そんな人工乾燥材で建てられる家はもはや、健康な木の家としての本来の機能に程遠く及ばず、しかも材の耐久性も自然乾燥材に比べてはるか及ばず、建てたと同時に劣化を始めてゆくのです。
 
 それでも人工乾燥材ばかりが建築界を席巻する理由は、単に材が狂わずに機械ロットで扱いやすいという、効率だけの理由であり、それは心豊かな暮らしのために木の家を選択する人の想いに全く反することだということを、関係者に考えていただきたい、そう思うのです。



 みんなで作り、形がどんどんできてゆく!、子供たちも真剣にそれを見つめます。




 板倉つくりではその構造上、柱や土台などの骨組みと同時に、床も壁も仕上がっていきます。
 床が仕上がると、真っ先に子供たちはその感触を確かめようと上がってきます。



杉林の中の杉の床。子供たちは素足になってその心地よい感触を五感で感じようとします。



 松杭に乗っかる小屋は優しく、森の中に浮かんでいるようにも見えます。周辺の木々も喜んでいるようです。



大人の男たちも、



女性陣も、



そして子供たちもみんなで楽しむ小屋つくり。



 フィールドの森の中をお母さんが子供に引っ張られて歩き回り、



そして五右衛門風呂の火焚きは子供たちに任せます。



 火を扱ったことのない子も火に慣れている子も一緒になって、周囲から枝葉を集めてはかまどにくべて、夢中で火をおこします。



 大人の笑い声がこだまし、夢中で楽しんでいるそばこそが、子供たちが安心して解放される、心から楽しい時間になります。
 今日ここで初めて会った子供たちも、気づくといつの間にか打ち解けて名前を呼びあい、一緒になってはじけるように遊ぶのです。

 今の時代の子供たち、、、ますます子供の心にとって窮屈な住環境や、大人とお金と効率優先の社会の中で、私たちはこうしたフィールドのイベントを通して、心から楽しい一日の記憶を子供たちの心に刻まれることを祈ります。

 たった一日の記憶であっても、必ずそれはこの子たちの将来の大きな支えと指針になることでしょう。
 その記憶が大人になってからもこの子たちを支え、そしてそれが未来のよき社会への種まきになると思うと、本当に、こうした活動をさせてもらえることに心から幸せと喜びを感じます。



 大人も子供も、そして参加者も主催者もとても楽しい素晴らしい一日となりました。
そしてまた、新たな小屋の誕生と同時に、この場で新たなたくさんの出会いが生まれます。
 いつも思うのは、こうしたイベントに参加してくださる方々の心地よさです。

「人の出会いは発酵のようなもの」誰かがそんなことを言いました。良い出会いはそこから新たな素晴らしいものを無限に生み出していきます。
 そんな出会いをこれからも重ねていきたいと思います。

 子参加くださった皆様、応援協力くださった方々、改めて感謝申し上げます。どうもありがとうございました






投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
長崎の庭環境つくり 竣工     平成28年10月20日


 5年前から計画を進めてきた、長崎市のNさんの住まいと庭がようやく竣工しました。
 建築設計は安藤邦廣氏(筑波大名誉教授 茅葺き文化協会代表理事 里山建築研究所代表)、これに今回は照明デザイナーの福多佳子さんが屋内外の照明をデザインされています。
 日中の庭も良いのですが、巧みな照明のデザインによって夜もまた見ごたえ豊富な空間が現出されました。
 今回は夜の風景から簡単に紹介します。



 写真中央左側に玄関、右の小さな小屋は薪小屋です。
 玄関アプローチは叩き土間の駐車スペースを兼ねており、打ったばかりの土間が手前足元で温かみのある光沢を放っております。
 こうした,素材の質感が生きてくるのも、照明の効果なのでしょう。



 一階および2階正面の景を潤す南側デッキ際部分が、この住環境のメインの植栽と言えるかもしれません。
 家屋に寄り添う木立の姿、家と木々、その密接な在りようを巧みな照明が示してくれています。



 正面道路からの景。
 豊かな開口、外空間とのつながり、そして周辺環境、それこそが本来日本の心豊かな住環境なのでしょう。
 今回の庭環境つくりで、そんなことに改めて気づかされた想いです。



 土中環境改善作業中。降り注いだ雨がしっかりと土中に吸い込まれて浄化され、そして自然が作る水脈へと還してゆく、そのための土壌通気性、浸透性改善のための造作をはじめに行います。

 豊かな住環境つくりのために我々が常に最重視していることは、まずはその土地を健康な状態へと戻してゆき、自然界の根本たる呼吸環境を取り戻すことにあります。
 庭は竣工時が完成では決してありません。その後、木々や土中の生き物環境が健康に育ち、その土地の環境としてより豊かに育まれてこそ、人にとっての本当の快適さと心の原風景となる故郷の記憶が生まれるもの、そのためには、見た目の造作以上に、見えない部分である土中の環境改善に対して、幾倍もの労力と時間を徹底的に費やすのです。

 まずは敷地の低い位置、道路際に、この庭の表層水脈水を集めて、より深い水脈へと誘導する、敷地内最終の浸透孔の処理から始めます。



 土中の浸透ラインの水脈環境を恒久的なものとするためには、植物枝葉をよくすき込み、そしてその分解に伴って増殖する多様な微生物菌類の健全な力を借りるほかにないのです。
 現代の建築土木造作の中では顧みられない、かつては当たり前に行われていた造作の中に、人が自然界と敵対せずに快適に暮らしていける知恵が隠されているのです。



敷地の外周塀際など、土中の水が溜まって腐敗しがちな箇所に溝を掘り、枝葉は炭をすき込んみます。



 デッキの下は通常、コンクリートなどで固められてしまうことが多いのですが、実はそれはかえって床下の温度湿度変化を不自然で過剰なものへと増幅してしまい、木材寿命を損ないます。
 当然ここでは床下のコンクリート打設はせず、炭と土を交互に挟み込んで、安定した温度湿度環境を保つことで家にも人にも優しい環境つくりを心がけます。



土中環境改善作業の上で、いよいよ植栽です。植栽する地盤を掘って炭を攪拌した上、腐植の進んだ太い枝葉を井桁状に敷きます。
 この上に、掘り取った重たい根鉢を置くことで、下地土壌の圧密を防ぎ、根の呼吸できる環境を保つのです。



 また、どんなに固く、植栽に不向きな地盤であっても、我々はその土地の土を排除して入れ替える、ということはしません。
 その土地の土に炭、燻炭、樹皮たい肥、そして良質な腐植土を混ぜて埋め戻します。
 土は、育てるものだからです。
 根鉢の周りだけをどんなに良い土に入れ替えてても、その土中の通気浸透環境が悪いままであれば、せっかく入れ替えた良質な土もじきにバランスを失って腐り、硬化してきます。
 一方で、死んだ土、あるいは眠ってしまったような土であっても、土中環境さえ生き物が呼吸できる状態へと改善していけば、土壌は再びいのちを生み出し、恒久的に育み続ける豊かな環境へと短期間で変貌してゆくのです。



こうした環境改善作業の上で、やっと木々を植栽してゆくのです。
美しく快適な暮らしの空間つくりのために、まずは目に見えない部分の改善から始めるのです。



植栽が進むにつれて、美しい家屋はその土地になじんでいきます。



 家屋東西南北の植栽完了。
 それまで空間を感じさせてくれるものがなかった敷地に奥行きと潤いと落ち着きが同時に生じ、人も木々も心地よく生きていける心地よい環境が一気に誕生するのです。



 薪小屋に薪が搬入されると、暮らしの風景がますます整います。薪棚は植栽の合間で大切な風景要素になります。



 植栽の足元には、お施主のNさんと一緒に長崎県内の里山で採取した林床の腐植落ち葉を混ぜてマルチします。
 これが植栽したばかりの表土の改善にとても効果的な上、見た目にも潤いある庭の落ち着きが感じられます。



 ノシバ張芝後の主庭



 デザインと造形技術だけでは決して良い空間は生まれません。土地全体が呼吸している空気感こそ、これからの庭作りに求められることでしょう。
 そのためには、その土地の環境改善が決定的なカギとなるのです。仕上がってしまえば土中環境改善の苦労の跡は見えなくなります。しかしそこに、この土地に恒久の魂を宿す、とても大切なものがあるのです。



デッキ脇の植生を揺らして反射する木漏れ日



狭い主庭であっても、木々によって奥へと広がる空間の奥行きが見えてきます。



 長崎の港町に一つ、新たな住まいの命が宿りました。今後、この土地の暮らしを刻みながら風景の深みが日ごと増してゆくことでしょう。

 安藤邦廣先生および里山建築研究所の皆さま、大工の池上一則さんとスタッフの皆さま、照明デザイナーの福多佳子さま、造園施工に際し終始協力くださったグリーンライフコガの古閑社長、阿蘇ランドスケープ古閑舎、古閑英稔君とスタッフの皆さま、そしてお施主のNさまご家族の皆様他、現地で協力くださいましたすべての方に、この場をお借りして心よりお礼申しあげます。







投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
   
3