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雑木の庭つくり日記

千葉県佐倉市の庭 母屋前の雑木植栽  平成23年9月7日
 お庭の紹介の前に、お知らせです。
 台風一過の昨今、毛虫などの一部の害虫が大発生しているところがあります。
台風のおかげで数日間続いた湿気の多い暖気が引き金となったように感じます。
 ここ1週間、周辺の庭で大発生が確認された毛虫は、モンクロシャチホコ、オオトビモンシャチホコ、チャドクガ、アメリカシロヒトリなどです。
 この時期に発生する毛虫は、あっという間に大量に増殖し、気付いた時には木が丸坊主になっているということがあります。
 人間の病気が早期発見が肝心であるように、木々の病虫害も早期発見に努めることで対処を容易にします。大発生してからでは、手のつけようもなくなることもあります。
 特に、夏の病虫害は広がるのも早いので、早期発見が大切です。できれば卵のうちに処分するのがベストです。
 木々をよく観察し、異常がないか、毎朝あるいは毎夕にでも確認くださいますようお願いします。
 なお、この時期の害虫の種類と対処について、また時間を見つけてこのブログで報告させていただきます。そのうち・・・、気長にお待ちくださいませ。。
 とにかく、庭は放っておいてはいけません。人と同じく病気にもなるし何らかの理由で活力を失ったりもします。快適な庭の暮らしを楽しむために、どうか庭の木々に愛情を注ぎ、見守って下さい。

 さて、今日は千葉県佐倉市Aさんの敷地、母屋周辺の植栽にかかりました。



大きな母屋の窓前にダイナミックに雑木の木立を植栽しています。



 今日植えたばかりの木立の横顔です。木々を植えると家屋も美しく引き立ち、景色ががらりと変わります。



 今日1日で、、家屋際の風景が見違えました。お施主のAさんは、「どこかのリゾート地にいったみたい」と喜んでくれました。
 いつも思うことですが、、木々の力は本当にすごいです。
 広い敷地の植栽はまだまだこれからです。

 

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
千葉県流山市 Sさんの庭   平成23年8月29日
 昨年春に竣工した千葉県流山市Sさんの庭、今日は庭の部分的な改修のためにうかがいました。



植栽した木々も、2度目の夏を越えてこの土地になじみ、のびのびとした生命感を感じさせてくれます。
 家屋の壁面や窓に落ちる木陰の明暗もますます濃さをまして、豊かな表情を見せてくれます。



 夏の庭に木陰を落としてくれる雑木の木立は本当にありがたいものです。雑木の庭も植栽して2年目となると、環境が心地よく変化してゆくことを実感します。
 また、高木がつくる光と影が庭に奥行きを感じさせてくれます。



 本日施工したばかりのウッドチップ舗装の園路。ここはウッドチップを敷いた小道としていましたが、吹き抜ける風にウッドチップが飛散してしまうため、園路の改修に踏み切りました。
 ウッドチップと土、砂、それに海水から精製した酸化マグネシウムを配合して塗り込みました。
 枯れ葉が堆積して土と混じり、そして固まった山道のような、そんな質感を目指します。

 

 芝庭から続くウッドチップを固めた園路に木漏れ日が舞います。 
 あと1年もすると、造りたてのこの園路も、この庭にすっかり溶け込んでしまうでしょう。
 その庭になじむ素材と意匠、決して造りすぎずに凝り過ぎず、私たちの作為はあくまで自然の手助け程度に留めるといったスタンスで、これからも庭をつくり続けたいものです。



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千葉県佐倉市の庭 軒内土間工事  平成23年8月26日
 千葉県佐倉市Aさんの庭、今日で軒内の土間工事が終了しました。



 造園工事は本来、家屋と屋外との接点となる軒内の工事から始まります。また、軒内の足元意匠が家屋の表情を格段と引き締めるのます。

 玄関前の土間の施工中です。マサ土(花崗岩風化土)にこの庭で採取した赤土を配合して塗り込んでいます。



 塗り込んだ後、乾かないうちに表面を洗い出して、土や砂利の表情を浮き出させるのです。土間の主成分は土ですので、家屋の調湿機能があります。夏は土中の水分をゆっくりと揮発し、気化熱を放散して家屋を冷やします。
 また、湿気の多い日には土間が空気中の水分を吸収して、家屋の湿度を緩和するのです。これもかつての日本家屋の偉大な知恵というべきでしょう。



洗い出し後の土間の表情。




軒内の表情。濡れ縁に沓脱ぎ石、軒先の手水鉢、そして土間と、軒内の屋外工事が進むにつれて家屋は一段と引き締まって重厚な雰囲気を増してきます。
 大ぶりの手水鉢も沓脱ぎ石も、元々この敷地にあったものを再利用して構成しています。
 



玄関前の足元の表情。シンプルな構成でこの家屋を端正にまとめていきます。



 庭と家屋の接点が完成してきました。再生民家ふさわしいオーソドックスな仕上げと組み合わせが、飽きることのない家屋の風景をつくります。



 施工中の再生民家室内の様子。味わい深く落ち着きのある、かつての民家がここに再生されつつあります。
 この家屋にふさわしい庭をつくらねばなりません。素晴らしい庭ができそうです。が、きっとこの庭の完成は来年になることでしょう。

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千葉県佐倉市Aさんの庭 軒内工事   平成23年8月23日  
 1年前も前から購入を迷い続けていたデジタル一眼レフカメラを、ついに価格どっとコムで注文し、昨夜届きました。すごくうれしいです。昨夜は嬉しさのあまりほとんど眠れませんでした。



 そして今日、千葉県佐倉市のAさんの施工現場でデビューです。ブログの写真はかなり縮小していますが、これまでの私の写真と比べて、臨場感が違います。
 これからの現場撮影が楽しみです。



 さて、解体した入母屋古民家の再生材をふんだんに用いて車庫と離れ屋を再生したAさんの庭造り、いよいよ本格的な造園工事が始まりました。
 左の建物が2台分の車庫兼倉庫、右が入母屋造りの離れ屋です。



 造園工事は通常、家屋と庭の接点となる軒内工事から始まります。家屋からの動線も、この軒内工事で決まってきます。



玄関内側の土間工事が終了です。




 そして、軒内の叩きと施工中の雨落ちの様子です。雨落ちの土留めとなる古瓦も、この地で解体した入母屋民家の瓦を再生利用しています。 
 新たな家屋も、軒内が引き締まってくるとようやく安定感が感じられるようになります。

明日はまた、軒内叩き工事の続きです。





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千葉県佐倉市の庭 濡れ縁つくり   平成23年7月30日
 千葉県佐倉市、古材を再生利用した入母屋民家造りの庭、昨日は濡れ縁が完成しました。



 この入母屋民家にふさわしく、重厚に仕上がった濡れ縁の材料も全て、古民家の古材を再生して作りました。
 床材は、マツの垂木(たるき)の古材を用い、手前の幕板(まくいた)は入母屋古民家の杉の破風板(はふいた)をカットして用いています。
 根太(ねた)材には幅1尺の古民家広縁の敷居の桁(けた)を利用しています。古材でなければ贅沢過ぎて、今どきなかなかここまではできません。
 また、古材の再利用だからこそ、今の時代に希少な良材をふんだんに用いて仕上げた濡れ縁も、自然で違和感もなく、ここに収まってゆくのでしょう。



 完成した濡れ縁と再生民家の収まりの様子。素材の選択は全てバランスから考えてゆくことが基本だということが分かると思います。
 かつての日本の民家は、外と中とのつながりの部分に繊細な神経を注がれてきました。
 部屋があって、その外側に広縁があり、そして外と中との中間領域である濡れ縁を挟んで外の空間へとつながります。
 外と中との中間領域の存在が、室内に居ながらも外の雰囲気を心地よく伝え、なおかつ緩和してくれるため、かつての日本ではカーテンなど必要のない暮らしが実現されていたのです。
 今は失われつつある、かつての日本のつつましやかで豊かな暮らし。この民家再生に携わる中で、昔の日本人の知恵を再確認し、感動することばかりです。



 下見板と書院窓の外観。今どきの工業製品住宅とは違って、家屋はそれだけで美しく、潤いと温かさを感じます。

 ハウスメーカー住宅に代表される今の日本の住宅の外観はあまりにも、潤いも温かみも人間らしさも感じられません。それゆえ私は、そんな家屋の外観に潤いや温かみが感じられるよう、外観を重視して樹木を配置するのですが、昔の素晴らしい日本民家は、建物単体でさえ、潤いも温かみも十分に備わっているのです。
 工業化と合理化との名のもとに、失った豊かさ、今回の仕事は入母屋民家を再生するだけでなく、失われつつあった大切な日本の心をも再生するきっかけになるように感じます。



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