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雑木の庭つくり日記

千葉県佐倉市の庭 軒内土間工事  平成23年8月26日
 千葉県佐倉市Aさんの庭、今日で軒内の土間工事が終了しました。



 造園工事は本来、家屋と屋外との接点となる軒内の工事から始まります。また、軒内の足元意匠が家屋の表情を格段と引き締めるのます。

 玄関前の土間の施工中です。マサ土(花崗岩風化土)にこの庭で採取した赤土を配合して塗り込んでいます。



 塗り込んだ後、乾かないうちに表面を洗い出して、土や砂利の表情を浮き出させるのです。土間の主成分は土ですので、家屋の調湿機能があります。夏は土中の水分をゆっくりと揮発し、気化熱を放散して家屋を冷やします。
 また、湿気の多い日には土間が空気中の水分を吸収して、家屋の湿度を緩和するのです。これもかつての日本家屋の偉大な知恵というべきでしょう。



洗い出し後の土間の表情。




軒内の表情。濡れ縁に沓脱ぎ石、軒先の手水鉢、そして土間と、軒内の屋外工事が進むにつれて家屋は一段と引き締まって重厚な雰囲気を増してきます。
 大ぶりの手水鉢も沓脱ぎ石も、元々この敷地にあったものを再利用して構成しています。
 



玄関前の足元の表情。シンプルな構成でこの家屋を端正にまとめていきます。



 庭と家屋の接点が完成してきました。再生民家ふさわしいオーソドックスな仕上げと組み合わせが、飽きることのない家屋の風景をつくります。



 施工中の再生民家室内の様子。味わい深く落ち着きのある、かつての民家がここに再生されつつあります。
 この家屋にふさわしい庭をつくらねばなりません。素晴らしい庭ができそうです。が、きっとこの庭の完成は来年になることでしょう。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 (2011年8月26日 19:46) | PermaLink