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雑木の庭つくり日記

病が教えてくれること     平成29年3月12日


 子供の寝顔ほど、親を無上の幸せに導き癒してくれるものもないものでしょう。
 ここ2か月近く、原因不明の体中の痛みに耐える僕の次男と向き合いう暮らしが続いております。

 お待たせしているお客様、個人的な事情で大変恐縮ながら、家族の病と仕事との両輪の暮らしが続き、仕事の予定がずれこんでしまっております。
 どうかご了承のほどお願い申し上げます。施工が始まれば、私は常にその時の自分の最善を庭環境作りに尽くします。
 人任せにすることなく、私自身が施工の最前線で常に自分の心を投入してきましたし、これからもそうありたいと思います。
 いつもお客様にはお待ちいただくほかないものですが、待ってくださるお客様の存在はとても大きな励みになります。心からの感謝を込めて、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

 息子の不調のことで、大変多くの方に心配をおかけし、そして様々、応援してくださいました。おかげさまで息子は、断続的に強い痛みに襲われながらも、行きつ戻りつ、体の力は回復してきているように感じます。
 この間、自然と一体であるべき体の力を再生する視点での様々な治療、驚くべき効果の療法を知りました。
 環境が壊滅的なまでに急速に衰える今、環境の一部である人も健康でいられるはずがありません。しかも、そのツケは常に小さな命、子供たちが大きく背負うことになります。
 そうした、いのちの連鎖に起因する体の不調に対して、現代医学の視点ではとてもとても問題解決に向かいません。現代土木建築もそうであるように、自然の流れと対峙するあり方の先には、極端な言い回しに聞こえるかもしれませんが、行きつくところ、壊死と行き詰まりしかないのが事実だと思います。

 私の息子は本当にありがたいことに、心あたたかな様々な方々が助けてくださり、優れた「民間療法」と言われるものをいろいろ紹介くださり、おかげさまで体の力も徐々に回復しつつあります。
 病という神秘、今回のことでは本当にこの上ない幸せを、息子も僕も実感させられました。たくさんの人の愛を感じ、そしてまた、世界のすべての命との確かなつながりを実感させられました。

 次男の不調は長い時間をかけて知らず知らずの間に体を傷めてきたもので、一朝一夕に「治る」というものではありません。
 でも、今ほど、息子とのつながり、いのちのきずなを実感できるときはこれまでになく、私たちは間違いなく、本当の幸せの中に包まれる、不思議な実感を共有しています。
 
 幸せとは何か、それは、自然の真理、意志に触れる機会を受け入れるものには確信をもって与えられるもの、そんなことを感じさせられます。



 今日は千葉が誇る自然酒蔵元、寺田本家の蔵祭り、痛みの中にいながら、「どうしても行きたい」という次男を連れて歩く、駐車場からの道中、足の痛みで何度も休憩しながら、酒蔵に向かいます。
 写真は長男が撮ってくれました。僕と次男です。思えば、僕は自分のやるべき使命に追われ、家族のことはほったらかしだったかもしれません。次男の病はそんな私に家族と向き合う時間を与えてくれたのです。どれほど大切な存在か、分かっていたようで実は、おろそかにしていたように思います。

 子供に学び、そして共に育つ、そこにあるのは天地につながる無限の愛以外、なにもありません。
  そんな気付きの機会を与えられたこと、天に地に人に、無限の感謝が沸き起こります。



 そして、小6の長男のこと、卒業前に自分の夢をマップにする、小学校での課題作品。
息子の将来の夢、「人を笑顔にできるような医者」、、そして息子の願いは、家族の健康、世界の平和、豊かな環境、そんな思いがこのマップから感じさせられます。
 自分だけの幸せを求めるのではなく、あらゆるいのち、そして地球上のすべての人たちの平和と幸せを求めて生きられる人になってほしい、それが本当の人の幸せなのだから。そんな親の願いが確実に伝わっていたと思うと、とてもうれしくなります。
 
 今日の投稿は親ばか特集になりました。

 次男の体の再生の切り札となったのが、ある方に紹介されたバイタルリアクトセラピー&ドイツの波動療法バイオレゾナンス、その治療院の先生曰く「人はみんな、地球の中心の一点に向かって立っている。なのに争うなんて、いかに我々はちっぽけな視点で生きていることに気づかされますね」

 地球の命、我々人間は地球の一微生物、一細胞にしかありません。地球を食い物にする文明の在り方が、難病を増やし、本当の幸せを奪い、いつしか人は自然の一員であることさえも忘れてしまいつつあります。
 
 そんな時代において、いのちのきずなに気づきを得る人も爆発的に増えていることも確かに感じます。

 下記に、私が大きな敬意をもって共鳴する医師の著述を紹介したいと思います。

「私たち人を含む地球上のすべての生き物は、地球の地形が変わったもの、つまり、地球の化身・分身・子供のようなもの、と言えます。
 すなわち、地球を傷つける全ての行為は、まわりまわって、私たち自身を傷つける結果になるのです。
 なぜなら、もとをたどると、私たちの体を作る材料は地球なのですから。
 同時に、未来の子供たちの体の材料でもあります。これを忘れてはいけません。
 「自然は未来の子孫から借りているもの」というネイティブアメリカン・ナホバ族のことわざがありますが、まさにその通り。
 現在、私たちのしていることが未来の子供たちの健康をも左右することになるのです」
(本間真二郎著 病気にならない暮らし辞典より)



 現在施工中の、Kさんの庭。朝の庭の写真とともに送られてきたメールを下記にご紹介させていただきます。

「おはようございます。最近きなこ(柴犬くん)の朝の日光浴の定位置です」



「それを見た愛莉(Kさんの娘)が、内から外へ。朝から楽しい時間が流れています。
おかげさまで庭との距離がぐっと近づきました。ありがとうございます」

心温まる、ありがたいメールでした。


僕は環境の再生、身近な環境劣化の問題の本質を伝えることに奔走しながらも、常に家庭に息づく庭環境を提供し続けています。
 僕は、現代の技術や暮らし方のなかで、劣化した環境を再び、癒しの環境へと導くこと、それが今の僕の庭作りと思い、その想いは今、いささかも揺らぐことはありません。
 そして、人も木々も微生物などの小さな命も心地よく、健康な木々草木に導かれ心身健康に育ってゆく、そんな環境を作り続けたい、気づきの場。
 その中で、子供たちは調和を学び、自然の本質である無償の愛に気づき、そして平和といのちの共存を志向する、そんな人という生物本来の健康で幸せな在りように立ち返る、そんなお手伝いが少しでもできたら、そんな思いを込めて、全力で庭を作り続けてまいりました。

 自然には意志があり、病もその一つで、人が浄化されるべき過程と思えば、しっかりと向き合うことで体も心もより良い方向へと導かれるものと感じます。

 無限の愛、それこそが自然の本質であるということ、今は素直にそのことを受け入れられます。
 心の底から感謝です。

 




 



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
複合発酵酵素のご紹介    平成29年2月9日
ご無沙汰してます。ブログ間隔が大変空いてしましましたが、今回、樹木活力剤として驚くほどの効果を実感している複合発酵酵素について、少し紹介したいと思い、この文章を書こうと思った次第でございます。



 これは以前のブログでもご紹介しましたが、当社で培養している複合発酵酵素生成のためのミニプラントです。
 最短でひと月に、複合発酵酵素水1000㍑と、土壌複合発酵液1000㍑を同時に生成してます。
昨年の春からこの取り組みを開始しましたが、樹木や体、そして環境に対し、驚くほどの効果を実感しておりますので、ここで紹介したくなりました。



 樹木を仮植して複合発酵酵素液を灌水、そして4か月後に掘りあげたところ、その根の出方、菌糸の張り方に、驚くべき動きが見られているのです。



すべてが成長点ではないかと思えるほど、透明度の高い細根が張り巡らされ、そしてたくさんの菌糸が膜状に増殖し、細根と共生して菌根を作り上げていたのです。
 わずか4か月のことです。この4か月間、灌水も一切行っておりませんでした。
 この根の動きは、自然界には見られながらも、移植等の造作においてこうした動きがこれほどのスピードで起こりうることは、休眠したいのちの力が目覚めたという形容がふさわしいように思います。
 この細根の活性の高さ、菌根増殖のスピード、これを説明するに様々な角度からもっともらしい理由を列挙できますが、この自家培養の複合発酵酵素液を用いた際のこの効果はあまりにも特別に感じております。
 もちろん、仮植の際、根茎が活発に動くための土壌環境への配慮は緻密に行っておりますので、実際には様々な好条件を重ね合わせているうえでのことでありますが、それにしても海辺の砂地の環境でありながら葉も傷まず、そしてこの活発な根の動きをみると、これは菌類微生物の好循環を再生する複合発酵酵素液による効果が大きいように感じます。

 複合発酵の概念は、健康で豊かな自然界本来の営みにおける正常な動きと言えますが、環境すべてにおいて、この反応が起こるわけではなく、特に最近急速に劣化する環境の下では、微生物相互の健全な循環は起こりにくくなってきたかもしれません。
 この概念を提唱したのは環境微生物博士、高嶋康豪氏です。
 当社の培養は、高嶋開発総合研究所にて開発された酵素水を用いて、生成しております。
 また、これを服用して、様々な改善例が舞い込み続けますが、これについては関連性の確証は私には示せないので、ここでの紹介は控えさせていただきます。
 ただ、樹木、森林、その活力が大きく変わること、それは間違いないことと確信できるだけの実証が示せる段階になりましたので、積極的に用い、そして広めたいという思いになりました。



高嶋博士の科学は従来の微生物学、現代科学の範疇では決して説明できないものです。医学がこれほど進歩しながらも、原因不明の病気がますます増え続けていることと同様に、自然界全体への共感を持たない、狭い範囲での思考にとどまっていては決して理解に近づけないでしょう。
 私自身、完全に理解しているとは決して言えませんが、現象ははっきりと示しています。
 写真、左が複合発酵酵素水。飴色をしてます。これは、植物を発酵させた酵素液に、糖蜜を加えて曝気して合成培養したものですが、密閉環境で決して腐らず、透明度は時間とともに増します。
 ちょうど、植物の種が条件によって何万年も腐ることなく、いのちを保ち続けるのと同様に、なにかのエネルギーを受容して、発酵状態を保っていると言えるのではないかと思います。
 飴色は主に糖の炭素分子の結合によるものですが、これが複合発酵合成がさらにおこると、そのまま右のような透明な液に、変わります。ここには、炭素分子も合成縮合によってさらに微細になり、物質が検出されない無菌状態の真水のような状態となります。常温常圧下における物質保存原子保存の原則はここで破られます。
 物質、原子はどこに行ってしまったか、それはすべて縮合分解合成の中で、原子原子核とも検出されないまでの素粒子レベルにまで、縮合され、融合、エネルギー化したとと考えます。
 そしてそれがいのちの記憶を持つ、清冽な湧き水のようないのちの水になるのでしょう。

 ここ数年の環境崩壊、それを目の当たりにして昨年はある面、地球の未来に対して希望を失いかけていましたが、自然界の法則、複合発酵に接し、そこで起こることを目の当たりにして、地球はまだ保たれるかもしれない、そんな希望をも感じさせられました。

 透明な液を高嶋開発では複合発酵エナジー水、飴色の液を複合発酵酵素水としています。
 
 実際、樹木植え付けや環境再生にここ8か月ほど用いてきましたが、明確な結果を目の当たりにしてます。
 微生物の神秘、いのちの神秘、そんなことを感じ、またそのことから自分の自然界への目が開かれてくること、それを願います。
 
 



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
本年の終わりに  これからの活動に向けて  平成28年12月27日


 例年のとおり、年末は来る日も来る日もこれまで作らせていただいた庭の手入れに追われます。
 造園の仕事を始めてまもなく四半世紀になりますが、師走はいつも、休みのない手入れ行脚を乗り越えて、新たな年を迎える、そんな生活をずっと繰り返してきたことになります。

 今年も残すところあと数日、今年の仕事もいよいよ終わりが見えてきました。

 写真は2年前に作った葉山Sさんの外空間、エントランスです。手入れと同時に、継続的な環境改善作業を施し、そして一日の作業を終えると、日は落ちて、夜景の中に浮かび上がります。



 今秋はどこも、見事な紅葉を見せてくれました。ここは4年前に作らせていただいた、千葉市内Sさんの外空間。
 お施主さんの愛情は確実に木々や庭の生き物たちに反映されます。
 私たちが手入れにうかがい、毎年手を触れて木々に語らうだけでも木々は喜び、元気に反応してくれるもので、ましてそこに住む人の木々やいのちに対する愛情と想いが環境を豊かに育てていき、そしてにぎやかないのちの輪の中に調和させてゆくことをいつも実感させられます。

 木々をいたわり、落ち葉にさえも感謝し、落ち葉掃除を心の掃除と考えて、優しい心持で住まいの環境と向かい合う、そんな方々は木々からも小鳥や様々な生き物たちからも歓迎されるのです。



 今年の春、埼玉県草加市のお施主さんから、シジュウカラのひなが庭でかえったという喜びのメールとともに、かわいいひなの写真が送られてきました。



 この写真は今年初めてウグイスが来てくれたという、歓喜のメッセージとともに送られてきた写真です。
 街中のわずかな一点、オアシスのような小さな雑木林の庭空間に、今はたくさんの小鳥たちが訪れて、そしてそこでまた巣を作り、巣立っては帰ってくる、そんな営みがにぎやかに繰り返される場所が、街中の点の空間に誕生するのです。

「小鳥たちにとって気持ちが良いように手入れしてくれればいいですから。」

 お施主のKさんはそう言います。そんな素晴らしいなお施主さん方々に私たちは育てられ、支えられているからこそ、、信念を曲げずに生きていけるのだなと、こうして手入れに回るたびに改めて感じさせられます。 そんなお客さんは何よりの心の宝です。

 手入れに回る中、かつて自分が作った庭の成長を感じるとともに、実はそれは過去の自分が作った庭であるということも、はっきりと感じさせられます。
 10年前の庭、5年前の庭、2年前の庭、、、どれも今の自分の作り方とはずいぶん違いますし、来年はさらに変わってゆくことでしょう。

 もちろん、だれがどんな作り方をしたかなどは些細なことで、植えられた後、木々や庭環境、生き物環境に対する人の愛情の注ぎ方、環境との対話と対処の仕方こそが、その環境を人にとっても他の生き物たちにとっても心地よい、穏やかになって自然の呼び声を感じさせてくれる空間へと育てていきます。
 大切なことは作庭後の環境との付き合い方なのでしょう。人が変わってゆくように、庭も変わっていきます。良い方向へと心地よく育ってゆくように庭を導くのは、お施主の愛情、そして同時に、人と木々の声とを繋いでゆく我々庭師の役目かもしれません。

 師走と言えども手入ればかりでは済まされません・・。今月、手入れの合間にかかり始めた海辺の庭・環境再生工事の様子を少しご紹介します。



 千葉県旭市、海岸平野の砂地の庭の改善工事に着手しました。
 カチコチに締め固められて呼吸しない大地。ここをいのちの息づく豊かな自然環境へと再生してゆくのです。
 海にほど近い砂地で、しかも土壌微生物環境も崩壊した土地に木を植えて、健康で息づく土地へと改善してゆく、その環境改善・植樹の模様をご紹介します。



ここで植樹の際の土壌環境改善資材として用いたのが、大量の廃瓦と、



剪定枝を山中に放置して菌糸の張り巡らされた腐植枝です。



 樹木を植えるために掘った植穴の底に数か所ほど縦穴を開けて、そこに廃瓦と有機物、炭を挟み込みながら、縦方向の通気浸透ラインを作ります。




その上に、植穴底に竹炭、燻炭をまぶして攪拌し、



その上に腐植枝と廃瓦をまぶし、



 さらに腐植枝葉をサンドイッチしながら炭をまぶし、また廃瓦を重ねていきます。



 それに、掘り起こした現地の砂に腐葉土、炭燻炭を攪拌してふんわりとまぶしていきます。
腐植枝、廃瓦、改良砂、炭、これらをサンドイッチするように繰り返しながら、植穴を埋め戻していきます。


 これで、砂地においてもしっかりと土壌環境が育ってゆく、そんな下地環境造作がひとまず完了です。



 植樹の前にさらに、再び腐植枝を井桁状に敷き詰めていき、



そしてその井桁の上に、掘り取った大木を載せていきます。
 見た通り、土に埋めるのではなく、砂の重さや根鉢の重さにも圧密されない空間豊富な下地の上に根鉢を載せるのです。



枝葉の井桁に乗っかることで下地土中の通気環境、隙間の空間を保つのです。
 腐植枝葉からすぐに様々な菌糸が伸びてきてその粘性によって砂を捕捉し、生き物の活動によって豊かな土壌へと変えてゆくのです。



 そして、埋め戻しの際にさらに割れた瓦片を根鉢の周りにすき込みます。
多孔質で保水性に富む瓦片に樹木根はすぐにびっしりと張り付いていき、そこで呼吸し、多様な菌類微生物の働きと相まって、この無機的な砂地の環境をいのちの源となる土壌環境へと短期間で変えてゆくのです。

 砂地は粒度一定であることが、多彩で豊かな植物環境が育ってゆくうえでのネックとなりますが、それを踏まえた改良のコツがあります。
 それは、例えば海岸砂丘に草木が生えて安定してゆく過程を見れば容易に掴めることなのです。
 何も特殊な資材や、土の専門家がすぐに勧めたがる培養土や改良材など全く必要なく、その辺の廃材を用いてこそ、恒久的な命の息づく土壌環境へと変貌させることができるのです。

 自然界の働きに沿ったこうした方法は間違いなく、環境を浄化していき、そして眠っていた命が再び目を覚まして、心地よい空気感へと変えていくのですが、人はどうして自然本来の働きの力を借りないのか、菌類微生物、そして植物の力を借りてこそ、我々は安全に快適に暮らせる環境が作れるというのに、それを、「有用微生物」と「有害菌」などと、自然界の命を人間都合で切り離して、都合のよいものばかりを集めようとし、そして都合の悪いものを排除しようとしてきた結果、今の取り返しのつかないバランスの崩壊、環境劣化、環境破壊を招いてきたと言えるでしょう。命はすべてつながっているのですから。
 誰のせいでもなく、我々一人一人の、大地における向き合い方を改めて問い直すときにいる、日々の仕事の中で今年ほどそれを強く感じた年はありません。



 根鉢の周囲を、改良した砂と廃瓦などで埋め戻せば、大木移植の完了です。
この方法で植えれば、支柱もいらなければ灌水も必要ありません。粘性のある菌糸が保ってくれるしっとりした土壌環境に根が完璧に守られるからです。

 これが真実なのです。自然に逆らうことばかりしていると、移植後も土が乾燥し、土壌生物環境は育たず根は守られず、したがって支柱も必要になり灌水も必要になります。
 これまでの狭い常識にとらわれず自然や目の前の事実から素直に学んで、そろそろ根本的に考え方をあらためるべき、人間は今こそそこまで進化しなければなりません。
 そうでなければ、人の存在すべては自然界のがん細胞として、いずれは自らの生存基盤をも失ってしまうことでしょう。



 自然の一員としての人の在り方、地球に対する責任、周辺環境に対する人の責任、そしてそんな配慮が心を豊かにしてくれる、そんなことを伝えたくて、今年は数えてみると、実に30回近い、環境改善講座やワークショップ、レクチャーをこなしてきましたことになります。
 
 今年の活動をじっくりと総括し、そしてさらに学びながら、来年の取り組みにつなげたいと思います。



 今月、おなじみの土気山ダーチャフィールドに新たに建てた山小屋です。
3坪の板倉小屋に屋根のあるデッキを伸ばして、五右衛門風呂と炊事場を一体化したモデルです。



 カラマツの焼き丸太杭を土台とした掘っ立て構造によって土地を傷めずに森の中にそっと割り込ませてもらいます。
 デッキの下のかまどは、五右衛門風呂の焚口です。



 デッキが炊事洗濯お風呂など、生活の場となります。その排水は土中の菌類微生物によって分解消失されるよう、浸透孔をつくり、この土地の環境中へと還していきます。
 命の循環はそこが実は最も大切なことで、還すところから新たな命が力を得てつながってゆく、その当たり前のことすら、今の文明は排除し続けているのです。
 本当の人の在り方を学び思い出す場所、志を共にする仲間たちとそんな取り組みをすすめてゆくために、今月、NPO法人地球守を設立いたしました。
 今年、私たちがやってきたことを継続し、さらに活動の幅を広げ、来年につないでいこうと思います。

 共感してくださる方、ともに楽しく関わってくださる方、どうぞご参加をお待ちしております。

 今年もたくさんの人にお世話になり、感謝の想いに満たされます。来年も力いっぱい生きていこうと思いますので、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

 皆様、良いお年をお迎えください。地球のすべての平和と安心と温かさをお祈りし、そして皆様のご健康、ご多幸をお祈り申し上げます。

 どうもありがとうございました。






投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
植物酵素作り講座のご案内と、つくば市緑地環境再生経過報告 平成28年11月14日


 秋の雑木林、それに向かい合い静かに心を通わせることで、駆け抜けてきた一年間の心身疲れは心地よく癒され、その空気の優しさに包まれる中で、来年へと、未来に向けてすべきことを指し示してくれるようです。
 秋の紅葉と雑木林の静けさはいち早く年の瀬を感じさせてくれます。




 健康な森の林床ではこの時期、降り落ちたミズナラのどんぐりが根を出し、冬越しの準備を急いでいるかのようです。
 
 最近、荒れた森ばかり目にすることが多くなった中、まれにこうした健康な大地に踏み入ると、心からの安堵とともに、無性に愛おしさを感じ、体内のエネルギーが高まる気がします。
 大地の営み、いのちの輪、それを健康な形で未来へとつなぐため、こうしたいのちの息づく森の心地よさに背中を押される思いです。それを一身に背負ってこれからもさらに、頑張っていきたいと思います。

さて、遅くなりましたが、11月23日勤労感謝の日に予定しております、手作り野草酵素つくり講座は下記のとおりです。

講座名; キロン手作り野草酵素作りワークショップ&講座

講座内容;
 身近な植物、野草、果実を発酵させることによって、安全でおいしく、そして体に良い植物酵素の培養を学び、実際に各自作りながら、ノウハウを学びます。
 秋の果物や、周辺に普通に生えている野草、野菜から、酵素を作る方法を学びます。

講師; 
 「キロン癒しの自然食」山室紀子氏(五風十雨農場事務局)

講師略歴;
 弟の障害により福祉職を歩み、医療の実態を目の当たりにし、現代医学や薬に疑問を持ち自然に即した生活を営む。
 子供の植物アレルギーやアトピーに悩み、抜本的な改善を模索する。
 美味しさや体の喜びを追求し、手軽に継続できる「手作り酵素」つくりに魅了されて8年目。
 2年半前に埼玉県から山梨県北杜市へと移住。
 南アルプスの麓、安全でエネルギーあふれる食材に恵まれ、天然素材でより効果的な酵素研究を続ける。
 現在、関東各地で、移動販売&酵素を作る会を開催。全国の自然栽培農家さんを応援するため、農産物での酵素作りも実施。

キロンさんが作る手作り酵素の特徴

 健康な土地のエネルギーあふれる山野草や、天然のフルーツ&野菜で発酵。
 植物性乳酸菌をたっぷり含み、ミネラルとビタミンを意識し、絶えず酵素の力を高める工夫を続ける。
 大根から作られた甜菜糖を愛用しつつも、極力糖分を減量し発酵にこだわり作っています。
 非加熱のため、酵素は生きたまま体の隅々まで届き、瞬時に体温が上昇します。
 腸が活性化しデトックス効果も高まります。子供からお年寄りまで、どなたにも効果的に用いていただけます。


日時;11月23日(水) 勤労感謝の日
 午前9時15分開場 30分講座開始 14時~15時くらい終了予定

主催;NPO法人地球守 後援・協力;五風十雨農場、高田造園設計事務所
   講座担当 竹内和恵(NPO法人地球守理事 セルフ庭作り設計、風和里代表)

開場;千葉市緑区高津戸町 高田造園ダーチャフィールド(外房線土気駅より徒歩15分)
  駐車場あり。お申し込みの際、交通手段をお知らせください。

募集人数;ワークショップ作業参加者合計10名程度のほか、オブサーバー参加5~6名程度まで受付いたします。
 また、お子様連れ大歓迎です。小さな子も安心してお連れください。
 *実際に皆さんが作れるようになっていただくよう、濃密な内容の講座とするため、人数制限を設けさせていただきました。ご了承いただければ幸いです。

申し込み方法;

担当者まで電話または、高田造園設計事務所等にてメールでも受付いたします。
担当竹内和恵090-5501-4956

参加費; ワークショップ参加者;5000円(講習費・材料費込み。作った酵素は持ち帰りいただきます)
     オブサーバー参加者;3000円 講習に参加いただき、実際に作る作業は見学いただきます。

ワーク参加者各自の酵素仕上がり量;2キロ酵素原液 約一リットル弱
出来上がりまでの流れ
1.当日、会場で仕込み、種菌を投入自宅へ持ち帰り
2.5日前後、自宅で材料を混ぜる
3.発酵 容器に2度漉し1週間熟成
4.完成、保存
 

持ち物;
 屋外作業ですので動きやすい服装。雨カッパ、長靴、タオル、お弁当、

 ワーク参加者;包丁まな板、大きめの笊またはカゴ(*希望があればこちらで事前に用意いたしますので、その際は必ずお申し付けください)
 酵素を入れる仕込み容器 (果実酒8㍑サイズがベスト。混ぜるので、間口に手が入る大きさ*こちらでも容易可能) 
 他、使いたい果物など、600グラム程度(*なければ構いません)
 果物購入のポイント
・国産・旬・新鮮・種のあるもの・可能な限り無農薬無化学肥料(果物を酵素液に漬けおくことで農薬成分を分解することもできます)

詳細は電話またはメールにてお問い合わせください。

さて、ついでに、一昨年の秋、つくば市内の住宅開発地の緑地環境改善にかかりました、春風台住宅地の改善経過を、写真にて簡単に報告いたします。



 環境改善・植樹後2年経過。大型宅地開発の影響で土が固く締まり土中の水が広範囲に滞ってしまい、街路の樹木も健全に育たない環境を改善、植栽しました。
 改善実証区はその一部、街路延長約100mにて、実施しました。
 平坦な土地に溝を掘って土中の空気と水を動かし、そして土中の微生物環境多様化と共存効果を期して、植栽マウンドごとに密植混植を施しました。

 吹きさらしの開発地にあって木々は健全な樹勢を保ち、風景としても環境としても育ってきている様子がわかります。



 一方、実証区の隣接地に、同じ時期に従来の植栽方法によって植えられた木々は、土中滞水の影響を受けて根が伸長できず、枝先は枯れて成長せず、不健康な様相を見せていました。
 道路を挟んで向かい合う対照区を比較すると、土中の水と空気を動かすことが健康な環境再生のための決定的なカギとなることが明らかに見えてきます。



 この住宅地は接道部分12mもの幅の緑地帯を持つ、緑住農一体型の住宅地として計画されましたが、開発に伴う大規模造成によって壊してしまった土壌環境にいくら木を植えてもなかなか健康には育ちません。
 植樹の周囲だけ良い土に入れ替えようが、根本たる土地の通気透水環境が改善されない限り、入れ替えた良土もすぐに硬化し、いのちを失います。

 大地の力を徹底的に衰えさせてしまった現代において、我々は土の中の見えない世界にきちんと目を向けていかねばなりません。





 一方で、土壌通気環境を改善して植樹した環境再生実証区の緑地帯は今や、開発によって激しく傷んだ環境にあってもここだけは力強く、良い環境を再生しようとしているようです。

 木々が健康に育つ環境、それは人の健康にとっても大切です。植物も健全に育たない環境で人間だけ健康に生きられるなど、長い目で見れば本来あり得なるものではないはずです。

 その土地に向き合い、あらゆるいのちが息づくことのできる大地の呼吸環境を取り戻すことこそ、豊かな環境を再生、蘇生してゆくカギとなる、この実証区の木々はそのことを証明してくれます。



 一昨日、所用で訪ねた長野県諏訪郡の井戸尻遺跡。心地よいところです。縄文時代、この周辺には縄文集落が集中し、当時の日本の人口の10パーセントがこの地域に集中していたと言います。
 八ヶ岳や南アルプス周辺の山々と、そこから土中に流れる清冽で力強い水脈環境が、豊かな土地を育み、そしてその土地の生産力の高さゆえに多くの人口を養いえたのでしょう。

 豊かな環境、と言うと、つい目に見える緑ばかりを想いがちなものですが、本当の環境の豊かさは、見えない土の中の正常な呼吸と循環によって成り立つもの。
 豊かな未来の環境を見据えて、コツコツと歩んでいきたいものです。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
板倉小屋つくりワークショップ 御礼とご報告  平成28年10月31日


 先の土曜日、高田造園ダーチャフィールドにて開催いたしました板倉小屋つくりワークショップ、たくさんの方のご参加をいただき、おかげさまで無事終了いたしました。
 参加くださった皆様、そして、高田造園及びNPO地球守とともに、この素晴らしい場を主催いただいたNPOちば山の皆さま、まずはお礼申し上げます。
 
 ごく簡単ですが、この素晴らしい一日の様子や想いを、少々ここでご報告いたしたいと思います。



 杜の中に小屋を建て、人の営みを宿すということ、そのためには周辺の森の環境がそれによって傷むことのないよう、そんな配慮が大切です。
 環境の中での造作において、人はこれからその土地の自然環境の仲間入りをさせていただくのですから、その場の環境に受け入れられるような心構えと配慮を忘れてはなりません。

 建築造作において、大地の環境に対してもっとも配慮すべきことは、土台の下の基礎の構造です。
 我々は山に小屋を建てる際、土地を造成することなくそのままの地形を生かして、松の焼き杭を打ち込み、それを基礎にして土台を据えていきます。

 この、大地に柱を直接埋め込む掘っ立て構造は伊勢神宮と同じです。周辺環境に対する畏敬と配慮の心を人類の未来永劫忘れないために、伊勢神宮では20年に一度の式年遷宮を今に至るまで繰り返してきました。
 そんな偉大な古人の知恵は忘れ去れて久しい中、こうした姿勢は今後ますます輝きを放つ時代へと進んでゆくことでしょう。
 そんな姿勢こそ、私たちが皆さんと共有しながら伝えていきたいことなのでした。



 松杭の基礎の上に土台を回します。木材はすべて、地元千葉県産のヒノキと杉の自然乾燥材の手刻みです。
 その土地の気候風土に慣れ親しんで育った木で建てること、建物にとっても人にとっても、そして環境にとっても健康で、共に長く息づく小屋の魂が宿ります。

 木の本来の機能を生かすため、ちば山の家つくりでは必ず、地元の木を手間と時間をかけて自然乾燥させて用いてきました。
 我々ちば山に限らず、知恵と心のある建築者は、今の時代においても必ず自然乾燥材を用います。

 ところが現在の多くの木造建築においては、人工的に熱を加えて乾燥させるため、木材の細胞は死んでしまい、通気性も吸湿性もほとんどなくなります。そんな人工乾燥材で建てられる家はもはや、健康な木の家としての本来の機能に程遠く及ばず、しかも材の耐久性も自然乾燥材に比べてはるか及ばず、建てたと同時に劣化を始めてゆくのです。
 
 それでも人工乾燥材ばかりが建築界を席巻する理由は、単に材が狂わずに機械ロットで扱いやすいという、効率だけの理由であり、それは心豊かな暮らしのために木の家を選択する人の想いに全く反することだということを、関係者に考えていただきたい、そう思うのです。



 みんなで作り、形がどんどんできてゆく!、子供たちも真剣にそれを見つめます。




 板倉つくりではその構造上、柱や土台などの骨組みと同時に、床も壁も仕上がっていきます。
 床が仕上がると、真っ先に子供たちはその感触を確かめようと上がってきます。



杉林の中の杉の床。子供たちは素足になってその心地よい感触を五感で感じようとします。



 松杭に乗っかる小屋は優しく、森の中に浮かんでいるようにも見えます。周辺の木々も喜んでいるようです。



大人の男たちも、



女性陣も、



そして子供たちもみんなで楽しむ小屋つくり。



 フィールドの森の中をお母さんが子供に引っ張られて歩き回り、



そして五右衛門風呂の火焚きは子供たちに任せます。



 火を扱ったことのない子も火に慣れている子も一緒になって、周囲から枝葉を集めてはかまどにくべて、夢中で火をおこします。



 大人の笑い声がこだまし、夢中で楽しんでいるそばこそが、子供たちが安心して解放される、心から楽しい時間になります。
 今日ここで初めて会った子供たちも、気づくといつの間にか打ち解けて名前を呼びあい、一緒になってはじけるように遊ぶのです。

 今の時代の子供たち、、、ますます子供の心にとって窮屈な住環境や、大人とお金と効率優先の社会の中で、私たちはこうしたフィールドのイベントを通して、心から楽しい一日の記憶を子供たちの心に刻まれることを祈ります。

 たった一日の記憶であっても、必ずそれはこの子たちの将来の大きな支えと指針になることでしょう。
 その記憶が大人になってからもこの子たちを支え、そしてそれが未来のよき社会への種まきになると思うと、本当に、こうした活動をさせてもらえることに心から幸せと喜びを感じます。



 大人も子供も、そして参加者も主催者もとても楽しい素晴らしい一日となりました。
そしてまた、新たな小屋の誕生と同時に、この場で新たなたくさんの出会いが生まれます。
 いつも思うのは、こうしたイベントに参加してくださる方々の心地よさです。

「人の出会いは発酵のようなもの」誰かがそんなことを言いました。良い出会いはそこから新たな素晴らしいものを無限に生み出していきます。
 そんな出会いをこれからも重ねていきたいと思います。

 子参加くださった皆様、応援協力くださった方々、改めて感謝申し上げます。どうもありがとうございました






投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
   
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