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雑木の庭つくり日記

無料公開講座に関するお知らせ      平成24年9月15日       

 先のブログで募集しました千葉県佐倉市の再生古民家での無料公開講座、早速多数のお申込みをいただきましてありがとうございました。
 会場が小さいため、総勢20名くらいまでと考えておりましたが、すでに30名近い方の応募をいただいております。
 これまでにお申し込みの方々につきましては、保留の方も含めて、受付いたしました。
 限られたスペースのため、大変ご不便をおかけすることと思いますが、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

 なお、講座につきましては、とりあえず申込み締切りとさせていただきますが、オープンガーデンにつきましては、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。 
 当日、申込者のキャンセルなど、講座の空きが発生しましたら、締め切り後の申し込みでも聴講いただけますので、ご希望がございましたらその旨をお知らせください。 
多くの方の御来訪をお待ち申し上げます。

どうもありがとうございました。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
オープンガーデンとレクチャーのお知らせ   平成24年9月12日
 オープンガーデンおよび無料講座のお知らせです。

1.場所; 
  千葉県佐倉市 A氏邸 講座は敷地内に解体再生した入母屋民家が会場になります。
2.日時; 
  平成24年10月28日(日曜日)
  オープンガーデン14時から  講座15時から16時くらい(時間のある方はエンドレスでお話ししましょう)
3.庭園の概要;
 敷地面積800坪。
 工場跡地の再開発に伴い、Aさんの自宅敷地を大改修することになったのが2年前。老朽化した大きな入母屋民家を解体し、その古材を再利用して新たに入母屋造りの離れ屋や車庫、かやぶき屋根の井戸小屋などを作りました。
 華やかな庭ではありません。庭の材料も、解体前の庭にもともとあった石材などを、なんでもかんでも再利用しながら庭を再構成し、作為のない自然発生的な田舎の風景となりました。
 都市化が進み木々がますます減ってしまいつつある殺風景な街の中、ここに生き物の気配溢れる自然環境の再生を試みています。将来、この庭の環境が佐倉市を潤す貴重な森となるよう、時間をかけて育てていきたいと思います。
4.講座の内容;
 住環境を豊かにする雑木の庭のお話から、生態系豊かなこれからの街の緑の在り方など、国内外の先進的な事例を紹介しながら、お話ししたいと思います
5.講座定員;
 会場の関係上、先着順20名くらいまで。(なお、オープンガーデンのみの御来訪は申し込み不要です。)
6.講座の申し込み方法;
 高田造園設計事務所 高田宏臣または竹内和恵まで、電話、メール(FBでも受け付けます)、ファックス、にてお問い合わせください。

 今日、Aさんの庭がようやく完成です。10月28日のオープンガーデンは施工直後の秋ですので、木々は葉を落とし始めて、あまり良い状態は見せられないかもしれませんが、多くの方のお越しをお待ちしております。

以下、本日完成直後のAさんの庭の様子を少しばかりご紹介します。



 道路から見た敷地の外観。手前の建物は、古民家の古材で建てた倉庫兼車庫、奥が入母屋民家の2階部分の屋根組をそのまま用いて再生した離れ屋です。
 改修の漆喰瓦塀は道路から後退し、塀外に植栽を繋げ、通りに豊かな緑を提供しています。
 塀の瓦もすべて、解体民家の古瓦を用いています。



 縁側と軒先手水鉢。濡れ縁の材料には古民家の化粧垂木を再利用し、この手水鉢も伝いの石も、その多くは解体前の庭にもともとあった材料です。



 再生した民家の内部。柱などの構造材はもちろん、床の間、欄間、書院、長押に天井板に至るまで、とことん解体民家の再利用です。



広縁に差し込む木漏れ日。



 室内から、広縁越しに感じる木々の気配。広縁越しに差し込む日差しに懐かしさを感じる人も少なくないことでしょう。失われつつあった住まいのゆとりの空間です。



 広縁の掃き出し窓が額縁となって、外の景色を切り取ります。



 離れの前に作ったばかりの小川には、トンボや蝶々、たくさんの小鳥が訪れ、すでに小エビやヤゴなど、さまざまな生き物が勝手に住みついています。



 今日、小川に放されたメダカが元気に泳いでいます。タナゴもここに放されました。どんな生き物たちが繁殖してゆくか、これからが楽しみです。



 庭の中の回遊路。飛び石も石畳の石も、ここにもともとあったものの再利用です。庭の材料は古材の再利用、それこそ千利休の時代からの大切な基本理念です。



木々のトンネルのアプローチ。



 木漏れ日の中のアプローチを登ると、母屋前の明るい広場に至ります。



母屋前の芝生広場。



 玄関ポーチから、木々越しに庭を垣間見ます。



 この建物も、新たに作った洗濯小屋。これも軸組の材料はすべてこの地の入母屋民家の古材を用いて作りました。
 どんな建物も、すぐそばに木立を植えて木々越しに見せてゆくことで、その佇まいが落ち着きます。



 流れの表情。今はまだ完成直後の小川ですが、きっと1年もしないうちに下草に覆われて、自然と同化してゆくことでしょう。



 広大な庭、ようやく工事が終了しました。

 しかし、この庭の本当の意味での完成は数年後のことでしょう。それこそ木々が自立して競い合い、競合しながら淘汰をはじめ、そしてどんぐりや木々草花の実生があちこちで芽吹いて育ち、小鳥が運んだ下草や生き物が自立して共生し始める頃、私たちの目指す庭は本当の意味で完成に近づいたと言えることでしょう。
 これからの時間が庭を育てます。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
不在のお知らせ       平成24年6月29日

 本日午後より7月2日まで、打ち合わせのため台湾出張となります。
 期間中はメール・会社電話でのお問い合わせへのお返事ができなくなります。ご了承くださいますようお願い申し上げます。
 7月2日夕方に帰国します。その後は通常業務再開いたします。
 ご迷惑をおかけしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

 
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
従業員 アルバイト募集のお知らせ   平成24年5月25日
 このたび久々に、従業員・アルバイトを募集することになりましたので、お知らせいたします。

募集人数;1~2名

条件;健康で自然が好きで、汗を流して働くことが好きな人。
    造園の仕事、当社の仕事に関心を持つ人
    年齢は20代から30代。
    要普通免許。事務所まで自力通勤できる方。(通勤車両の貸し出し可)
    朝が早い仕事です。千葉市若葉区への通勤圏40分以内程度までが推奨です。

待遇;本人の経験、資質、配偶者の有無によって考慮します。
    基本的に日当9000円から12000円程度より、年次昇給。また、本人のレベルアップに応じて随時昇給あり。

応募方法;代表の高田(090-1858-0453)までご連絡ください。メールでのお問い合わせも受け付けております。
       2週間程度のアルバイト試用期間を設ける場合がございます。

先着順で検討させていただきますので、興味のある方はお問い合わせくださいませ。
    
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
5月の病虫害の対処について     平成24年5月15日


 5月から6月にかけての季節は、雑木の庭の手入れの時期となります。この季節の手入れによって、夏の木々の成長量や日差しの入り具合を効果的にコントロールするのです。
 樹木が活発に活動するこの時期は、剪定による切り口などのダメージの修復も早く、剪定によって新しく若い枝葉を、芽吹かせたい位置に出させてゆく上でも効果的です。
 
 同時に、この時期は若い葉がまだやわらかい上に、気温が上昇し雨量も多くなり、葉を食害する毛虫や青虫なども活発に活動します。
 特に今年は、連休明けの発生が目立ちます。

 できるだけ早い時期に、お客様の庭の手入れに廻りたいのは山々なのですが、なにしろ私たちが管理する雑木の庭の件数も、半端な数ではなくなってきました・・・。
 お客様におかれましては、ご連絡をいただければ、なるべく優先的にうかがうようにいたします。それ以外の場合も、1件ずつ休み返上で廻りますので、どうかご了承くださいませ。

 なお、病虫害については、慣れてしまえば対処は容易ですので、今の時期はできれば毎日、庭の木々をチェックしてみることをお勧めします。早期の対処は容易ですが、被害が広がってからではちょっと手間がかかります。
 ここ数日間で発生を確認した庭の毛虫について、対処を含めて紹介します。



 これはマイマイガの幼虫で、主に落葉樹の葉を食害します。毒はないので、私は手入れの際に素手で取ってしまいます。 集団発生はしない上、枝葉を丸坊主にするほど食欲旺盛ではないので、それ程心配はいりません。
 木をゆすったり、ホースで下から勢いよく水を吹き付けると大抵落っこちてきます。地面に落ちれば、踏みつけますが、放っておいてもそれがまた木に登ってくる前に天敵が退治してくれることが多いです。
 落としてつぶす。その程度の対策で十分です。対策しなくても、毒はないので人に危害を与えることもなく、鳥などの天敵も多いので、心配するほどのものではありません。



よく見るとのん気でかわいい顔をしています。私は嫌いな毛虫ではありません。ただ、あまり発生させないためには早期発見と葉水が一番です。



 結構厄介なのがこの、シャチホコガの幼虫です。これはオオトビモンシャチホコと言います。食欲旺盛で集団でたかって枝葉を丸坊主にしてしまいます。ここまで発生したら、もう枝を切除して、袋に詰めてつぶすしかないでしょう。



 大発生している枝を、高枝鋏で切り落とします。脚立と高枝鋏は、雑木の庭の必須アイテムです。
 毛虫は、慣れないうちは気持ち悪いものでしょうが、慣れてしまえばそれほどでもありません。シャチホコガも毒はありません。



 シャチホコガには、無農薬スプレー「セルコートアグリ」がよく効きます。「セルコートアグリ」とは、液体セルロースが主成分で、噴霧によって虫の気門に幕を作り、窒息させます。
 写真はスプレーで撒いていますが、被害が広がってからの場合は噴霧器で散布するとよいでしょう。
 噴霧器は小さくても構いません。使いやすさと洗いやすさが大切です。使いにくい噴霧器では、いずれめんどくさくなってしまいます。自分が使いやすい噴霧器も雑木の庭の必須アイテムです。



 セルコートアグリ噴霧後、毛虫は弱り、ぼとぼとと落ち始めます。



 数分後、木をゆするとこうしてぼとぼと落ちてきます。ほぼ動きは止まっています。



落とした毛虫は、ミ(大きな塵取り)と手ぼうきで掃きとって、野原に捨てる、水没させる、埋めるなど、ちょっと残酷な気もしますが、とにかく処分しましょう。もちろん残しておいても、すぐに他の虫や鳥が食べたり分解したりしてくれます。
 ただ、気持ち悪いでしょうから、処分したほうがよいというだけのことです。

 これも早期発見していれば、葉水で簡単に対処できます。



 これはハバチの幼虫が葉を食べています。新緑の柔らかい葉を食べて、穴だらけにしてしまいます。鳥やカエル、カマキリや蜘蛛、寄生蜂など、天敵も多いのですが、植栽したばかりで葉の芽吹き速度が遅い場合や、比較的弱った木によくつきます。大型の毛虫類に比べて青虫はなかなか葉水では落ちにくいのですが、私はもちろん手で捕獲してつぶします。
 発生の時期は新緑が出るころと限られますので、発生しやすい木には、その時期に限ってニンニク木酢液などを予防的に散布し、ハバチが卵を産みに来ないようするのも一つの有効な手です。
 また、とにかく新緑の頃には葉水を吹き付けて、こうした害虫の卵などを洗い落とすことが効果的です。
 
 もちろん一番良いのは、木が健康であることです。健康であれば、それほどやられません。その土地の気候風土に適応する木を、良い環境条件で植栽してあげること、本当はそれが一番です。



 有翅のアブラムシを食べているのはテントウムシの幼虫です。人によってはグロテスクに見えて益虫と知らずに駆除されてしまいますが、テントウムシやカゲロウの幼虫など、大変な働き者ですので、よく気を付けて大切にしてください。

 とにかく生き物は繋がっています。それを農薬散布でやっつけようとすれば、益虫も鳥も来なくなってしまいます。なるべく農薬に頼らず、虫に慣れることです。慣れてしまえば害虫対処など、簡単なことに感じてくるでしょう。また、こうした対処をしてゆくことで、生態系というもののすごさに気づき、庭をより深いレベルで楽しめるようになります。
 私たちが提供する雑木の庭は、形や見た目だけの庭でなく、なるべく木々にとっても心地よい自然環境、つまり人を含めた生態系をそこに作ろうとするものですので、なるべく生き物の繋がりを尊重し、自然のサイクルによってバランスを取ってゆくようにしています。



 昨日手入れにうかがった千葉市緑区のIさんの庭に、こんなものが木にぶら下がっていました。
 落花生のネックレスで、針金で固定しています。Iさんは、これでシジュウカラやコゲラなどの野鳥を呼ぶと言います。
 シジュウカラなどが庭に来訪するようになれば、毛虫青虫の番人となります。そして、コゲラがくれば、カミキリムシの幼虫など、幹の中を食い荒らす虫を見つけて、突いて穴をあけて食べてくれます。
 落花生の数珠は庭の景色を面白くしていました。病虫害との付き合いも、庭の楽しみの一つとなるのです。
 

 

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
             
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