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雑木の庭つくり日記

ダーチャ小屋つくりWSのご案内と、土屋根つくり 平成28年10月7日
 さて、千葉市緑区の高田造園ダーチャフィールドでの、板倉ダーチャ小屋つくりワークショップのお知らせです。
 板倉小屋つくりワークは昨年も行いましたが、大人にも子供にも好評でしたため、今回もまた、みんなで建てるワークショップにて行うことにいたしました。

詳細は下記のとおりです。

日時; 10月29日土曜日 朝9時より (30日に小屋本体完成です)

持ち物; 動きやすい服装、お弁当、水筒、軍手、着替え、タオルなど

費用; 無料です。

主催; NPOちば山、高田造園設計事務所 共催;NPOダーチャサポート、NPO地球守

参加資格;
 大人も子供も大歓迎です。子供はフィールドや小屋でたくさん遊べます。見学やリクリエーションとしても当日は公開ですので、どうぞ遊びに来てください。
 子供に大人気の五右衛門風呂もございます。よろしければ薪で沸かすお湯の気持ちよさを味わってお帰り下さい。

場所; 高田造園ダーチャフィールド(千葉市緑区高津戸町 外房線土気駅より徒歩20分)

申し込み方法;
 
高田造園設計事務所 高田、またはNPOちば山 中村まで電話、またはメールにてお問い合わせください。

 前回のWSの様子を少々、コメントなしの写真のみでざっとご紹介いたします。
















さて次に、高田造園設計事務所敷地内の自然分解バイオトイレの芝屋根施工手順を下記にご紹介します。




 敷地の一角に、自然分解バイオトイレ小屋を建てました。小さな建屋ですが出し桁で屋根をどっしりと設けます。



トイレは穴を掘って落ち葉枝葉、炭を敷いただけの簡素なものですが、頻繁に使ってもまったく匂いはなく、ハエも全く沸きません。腐敗させずに土壌中で分解してゆくサイクルができれば、匂いも腐敗も起こらず、糞尿はきれいに分解消失して、大地の生き物たちへと還元されてゆくのです。



今回は、この屋根を土草の屋根とする工事手順を紹介します。

 野地板、杉皮等を用いた、水を通さない下地の上、トタン波板を葺きます。破風、鼻隠しは土を載せる高さの分、6センチくらい高めに設置します。



 トタンを止めるビスにはしゅろ縄を巻いて防水します。この工法は江戸時代の木製水路の釘止め部分の水漏れ防止に用いられてきた方法で、高い防水効果が持続します。



屋根勾配は一寸から一寸五分程度の緩やかなものとし、軒先の鼻隠しの幕板との間に1寸程度の隙間を設けます。



そしてその部分に枝葉を絡ませていきます。



 軒先部分の枝葉絡み終了。ここに菌糸が絡み、それが土を安定させて大雨の際でも泥水を落とすことはなく、浄化されたきれいな水のみがシトシトト落ちるのです。



 波板の凹部分に木炭を敷き詰めます。これも、ここに微生物菌類が住み着き、常に適度な水と空気を保ちます。



土、もみ殻燻炭、竹炭を混ぜて攪拌し、軽量の屋根土を作ります。



軽く、通気性、保水性たっぷりの土壌となります。



 炭を敷いた上に、この土をかぶせていきます。作業は片面ずつ進めていきます。



 現場で余ったノシバを軒先に張り、それ以外の部分にはノシバの種を播種したうえで植物を繊維状にチップ化したものに燻炭を混ぜて絡ませるようにかぶせます。
 これですぐに菌糸が表層に絡み、大風でも大雨でも飛ばない安定した状態を作ってゆきます。



これに、菌類植物の生理活性のための複合発酵酵素液を散水して完成です。
 照り返しのない、環境にやさしく溶け込む屋根として育ってゆくことでしょう。

 このまま、ノシバとともにこの環境に適応できるコケや草が覆ってくるでしょう。この場で微生物菌類の住み着きやすい環境つくりに配慮すること、そのための植物資材の扱い方がポイントとなります。

 屋根緑化に、大げさな人工資材や、環境に悪いうえに効果の持続しない接着剤、防水剤など、本当は全く必要ないのです。
 屋根を伝う水をも浄化し、照り返しを防ぎ家屋周辺の微気候緩和にも貢献する、まるでかつてのかやぶき屋根のような和やかな風景や健康な空気感を低コストでつくる、こうした屋根も今後普及していくことを願います。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 (2016年10月 7日 08:11) | PermaLink