| 体感温度を下げる植栽について |
敷地東西の植栽や、2階窓からの景色について
敷地東西の植栽や、2階窓からの景色について
敷地に家を建てる時、南側に主庭を広く設けるケースが多いようです。そして多くの場合、東西あるいは北側には通路程度のスペースを残す他、家が敷地いっぱいに寄せて建てられるケースがほとんどです。
しかしながら、夏の家屋を涼しくするためには東西、特に西側の落葉樹高木植栽がとても重要になるのです。
夏の日中、南側からの日差しは高い位置から差し込みますので、窓を通して室内深くまで直接的に熱せられることはありません。一方、西日の場合、気温が上昇してから夕暮れまでの間、斜めからダイレクトに窓を通して室内や家屋の壁面を熱し続けます。それが建物本体に蓄熱されて、寝苦しい都会の熱帯夜、エアコン廻しっぱなしの不健康な室内を作ってしまうのです。
下記左の図面は西側植栽の参考例です。平面図左側が西で、ここに駐車スペースがあります。照り返しによる輻射熱を防ぐために、駐車場内にもコンクリートを切り掻いて、3か所の高木スペースを設けました。また、玄関アプローチ脇の家屋西側スペースも、夏の壁面や窓を木陰とするような植栽を施しています。
中央の図は平面図の庭。西側植栽イメージ図です。左の写真は家屋西側、植栽直後です。
雑木を用いた環境改善のための植栽配置上、大切な検討事項となるのが2階窓の配置です。このことが旧来の庭造りとは大きく異なる点かもしれません。
庭を作るというより、快適な住環境を造るというのが、これからの雑木の庭造りの大切なコンセプトになると思います。
大抵の家には1階だけでなく2階もあります。「1階は涼しいが2階は暑い。」ということはないでしょうか?
また、「2階窓からの景色は殺風景で自然を感じない。」ということはないでしょうか?
住まいの住環境改善のための植栽を考える際、枝葉の位置と2階窓の関係を考えてゆくことで、どの部屋にいても涼やかな枝葉越しの落ち着いた景色を見せることができるのです。それが同時に、住まいの微気候改善に繋がります。
下右図は東京都練馬区の住宅地の植栽竣工平面図です。
左の写真は図面の庭、西側植栽の様子です。