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雑木の庭つくり日記

湯河原温泉 宿の庭 着工         平成25年5月7日 


 ここは神奈川県の名湯 湯河原温泉の老舗旅館。今日から造園改修工事にかかり始めました。



 数寄屋造りの品のよいエントランスも、木々がなければ無機質なものです
これからの改修工事によってこの温泉旅館が美しく生まれ変わります。



 今日の作業は、大きくなりすぎた主庭建物際の木々の選択伐採から始まります。
 この空間が、蛍舞う木々の下の苔と水の空間へと生まれ変わるのです。

 収益に関わる商業施設でありながら、私の都合で大変お待たせしての着工です。
 待っていただいた分、また、命を懸けて、素晴らしい空間造りに全霊を注ぎたいと思います。


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
連休の高尾山              平成25年5月6日


 今年の連休は、造園工事打ち合わせや山歩きに没頭しつつ、無事に過ぎ去り、そして明日からまた本格業務再開です。

 写真は一昨日の高尾山。まるで都内の繁華街のように、たくさんの人が涼しげな木々の下を歩きに来ています。



 高尾の森はなかなかの森です。コナラの大木など、なかなか見られるものではないのですが、ここには胸高直径1mにも届きそうなコナラの巨木が見られます。



 都内の貴重な森、高尾山の森。
 多摩に住んでいた学生時代に何度も訪ねた思い出の森です。
 
  

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横浜市 Iさんの庭 竣工。    平成25年5月2日


 あいにくの雨、連休を前に横浜市Iさんの小さな庭が完成、引渡しです。
隣接道路から階段を上り、そしてその上に住まいがあります。



 とても狭い庭ですが、それでもゆったりした空間が必要です。



木々の枝葉の下となる、足元はすっきりと。



 木々のトンネルを抜けて階段を上り、そして家に帰る。木々が迎える小さな住まいとなりました。


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
苗木を育てる           平成25年4月29日


 世間では連休2日目、今日は早朝から樹木ポットの水遣りに廻ります。
ここはヒノキ林の下で、高さ2m以上のポット苗を生産しています。

 2mクラスのポット苗は、これまではなかなかまとまった生産がなされてきませんでした。効率が悪いせいでしょう。
 しかし、このサイズの自然樹木苗は、今後の森の再生や都市緑地に自然を再生するうえで大きな可能性を感じています。



 今年から本格的に始めた規格外のポット苗つくり、しかも、これまでの緑化造園樹木以外の自然植生樹木を多種類生産を目的としたポット苗つくりです。
 
 今はまだ数千ポット、これで緑化できる面積は、広大な地球の中のわずか数千㎡に過ぎません。



 会社の敷地にも所狭しとポット苗が並びます。
毎日の水遣りが欠かせません。

 これまでのように、カシと言えば、主にシラカシアラカシしか生産してこなかったのが、緑化生産の現場だったと思います。効率を考えると仕方なかったことですが、長い間の緑化木生産の在り方が、自然の種を狭めてしまってきたことに気づかないといけません。

これからの時代の緑化は、未来のための多様な種の育成が、私たち緑に関わる仕事をする者の大切な使命となります。

 ここには今、カシだけでもアカガシ、ウラジロガシ、イチイガシ、ツクバネガシなど、なるべく多種類の種を多数取り入れ、本当に豊かな緑化、未来につながる造園緑化を目指そうとしています。

 多種類生産は、大変なコストがかさみます。

 日々欠かさず水を撒くのは、小さないのちを活かすため、それ以外の理屈はないのですが、毎日早朝の水遣りは気持ちよいものです。

この、多種類規格外の苗木つくり、何のためにやろうとしているのか、水遣りをしながら、小さな木々に問いかけます。

 地位のためでも名誉のためでも、もちろんお金のためでも生活のためでもありません。

  これからの環境をよくするために、自分ができること、誰かがやり始めないといけないこと。
 そしてそれが広がっていけば、いろいろ変わってくることと思います。

 それと同時に、小さな木々との対話が楽しいから、希望があるから、なのでしょう。




 水を撒いた苗木たちは、太陽に向かって生き生きとしています。
 
 水撒きの時間は貴重な時間。
 
 なんでも仕事を忙しくするべきではないと感じます。
 自分の心をすり減らしては、どんな仕事をしても価値などない、木々が語ってくれます。

 温かな心で生きていこう、そんな気持ちにさせてくれるのも、この木々のおかげです。



 どんぐりからの苗つくりは、当社の体制では全く採算などあいません。
でも、小さな命がとても貴重なもの、そこに採算も生産もなく、私たちの心を育てるためにやり続けようと思います。

 私にできることなど、ほんの小さなことですが、こんな私のやり方が、おのずと社員たちも、やさしく温かな心を育むことにつながったかもしれない。そう思うと、生きる勇気が湧いてきます。

 ありがたいことに、どんなに早出の朝でも、社員が交代で朝早くきて水遣りしてくれます。

 造園という仕事はどこもせわしなく忙しく、何かを見失いがちです。
 これからは、大切なものを大切にしながら、ゆっくりやろうと思います。
 木々がゆっくり時間をかけて育ってゆくように、心を育てていきたいものです。


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房総 大福山、梅ヶ瀬渓谷探訪     平成25年4月28日


 2月に退院後、初の山歩きです。
早朝、山歩きを思い立ち、房総のローカル線小湊鉄道 上総大久保駅を出立し、大福山に向かいます。



モミジ林の合間から、神々しい光が差し込んできて、何か明るい日差しに感じます。

 心身のリハビリのつもりで思い立った山行です。



 標高300mに満たない大福山の頂から、房総丘陵を見渡します。

たまには山に行って鋭気をいただかないといけません。

 8キロも体重を落とした体は予想外に軽やかで、ふと、これまでの間、知らず知らずのうちに自分の心身に余計な贅肉がつきすぎていたことに気づかされます。




緑鮮やかな梅ヶ瀬渓谷を下ります。



房総特有の砂岩を削って流れる渓流。



 何も考えずにひたすら山を歩く。
 忙しさの中、見失ったものをこれから取り戻していこうと思います。





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