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雑木の庭つくり日記

千葉県佐倉市Yさんの庭 竣工4年目の手入れ  平成23年8月2日 
 昨日、3年前に2期工事を終了した千葉県佐倉市Yさんの庭に手入れにうかがいました。



 115坪の敷地に建坪9坪の小さな家、近景に植栽した木立ちも3年を経ていよいよ元気になりました。近景の木立は家屋を美しく落ち着かせて見せてくれます。
 成長した木々が夏の庭に大きな木陰をつくります。木々の成長に伴い木陰が広がるにつれて、厄介な雑草の繁茂が抑えられ、庭の管理はとても楽になってきます。



 縁台側から見た近景の植栽。



 家屋から見た東側主庭の景。雑木の幹枝の連なりが奥深い森の様相を感じさせます。



 東庭から南庭に至る野筋のアプローチ。木立の下、走り回る子供の姿が似合う場所です。



 そして、夏の強い西日から家屋を守る西側の木立の様子。植栽後3年を経て、夏の家屋西面はすっかりと木陰に覆われてきました。
 駐車スペースに面した家屋西面は、改修工事前までは夏の西日がダイレクトに家屋を熱していました。
 駐車スペース際の狭いスペースですが、それでも上空に広がる雑木の枝葉は家屋を覆うのに十分な木陰をつくってくれるのです。

 温暖化に加えて節電省エネの時代、木陰の環境改善効果は絶大です。




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
東京都武蔵野市 茶席の庭  平成23年7月2日
 今日は東京都武蔵野市内の雑木の庭を2件ほど、手入れにうかがいました。
 猛暑の都会にありながら、雑木の庭には随所に木陰があり、、手入れもしやすく、楽しみながら仕事も進みます。
 成長する木々と住空間とを共存させてゆくためには、毎年の手入れは不可欠です。
 必要な手入れのコストがかかり過ぎるようなら、それは一般的ではないでしょう。私の造る雑木の庭は、手入れの労力やコストがかかりすぎないような造り方をしています。
 100坪程度の緑豊富な雑木の庭でも、私たちは数人で1日に2件も3件も、質の高い手入れを施して廻ることができます。
 より多くの人に、木々とともにある豊かな暮らしを味わっていただきたい、そんな思いから、なるべく手入れの手間やコストがかからない庭を、自然の性質を活用しながら造るのです。



 ここは武蔵野市、S先生の住まい件茶室の庭です。庭の竣工後、早くも3年目となりました。
 手入れ後の庭に木漏れ日が降り注ぎ、風が抜けてとても心地よい雰囲気が五感に伝わってきます。



 玄関園路側から樹木越しに広間の茶席を望む。



 縁台から見た庭の様子。密集した住宅地の中の狭い庭スペースでありながら、木々の造る空間は落ち着きと潤いに溢れています。



腰かけとなる縁台から蹲踞を通り、にじり口に向かう路地の伝い。



写真右側、藤棚の下に露地口(にじり口)があります。奥庭への伝いのアイストップには、大振りの燈籠によって景を引き締めています。



 にじり口周辺からの、蹲踞見返りの景。 

 この庭を訪ねる度、一緒にこの庭を造った私の友人、故中山有子さんのことを思い出します。
 風景は人の心象を刻みこんで年月とともに育ってゆくもののようです。
 私が死ぬ時まで、この庭は私自身の手で管理し続けたいと思います。


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東京都杉並区 神田川沿いの家  平成23年7月1日
 ここは杉並区久我山、神田川沿いの緑豊かな土地に2年前に移り住まれたSさん、今日は竣工後初めての手入れにうかがいました。



 家屋の設計は南の島工房の日置拓人さん、庭は一昨年の秋に完成しました。
樹木がよく映える家です。造園後1年半が過ぎてこの家もすっかりと木々の合間に落ち着きました。
 しかし、私の造る庭にしては、、、2階窓正面には枝葉をかぶせておりません。なぜでしょう。。



 その訳は、家屋正面の神田川沿いの桜並木の眺望を活かすために、庭の木々の高さを抑えています。
 これは神田川沿い歩道の対岸から見た家屋の表情です。桜並木越しにいい感じで家屋の佇まいが見え隠れしています。

 

家屋の縁側から見た庭越しの桜並木。都内沿線沿いの住宅地でありながら、この豊かな緑。住環境というものは何物にも代えられない宝であることを改めて感じます。



実際に、神田川に面した庭は猫の額ほどの小さなスペースですが、周囲の環境がよければ、庭は屋外にまで繋がり、広がっていきます。
 庭つくりは形ではありません。その場所その環境の良さを活かし、ネックを補い、そして一期一会の最善の住環境を生みだしてゆくことが、現代求められる良い庭造りというものではないかと思います。



 日陰の坪庭スペースに植えたアオキの葉。とてもきれいで、健全な色合いに感動です。
都会の庭でありながら、木々の枝葉は非常に美しく、他の雑木も虫食いの跡一つありません。もちろん化学農薬の散布などは全くしておりません。

 この場所の環境と、日々庭の木々を愛でてくれるSさんの愛情が木々に伝わるのでしょう。


 お施主のSさんの主催する「野の花を生ける会 草平」のウェブアドレスは下記のとおりです。
http://www16.plala.or.jp/nonohana-souhei/


 
 


 
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都内の手入れ2件     平成23年5月25日
 春の手入れが集中するこの時期、やりかけの造園工事も詰まっており、忙しさに目が廻ります。
 どんなに忙しくなっても、自分で作った庭はいつまでも自分自身の手で管理して廻りたいものです。

 工事中断中のお客様方々には大変心苦しく思いますが、全て一期一会の想いで庭を完成させ、そしてその後は私自身が責任もって誠心誠意、庭の管理にあたります。どうか気長に、庭の完成をお待ちくださいますようお願い申し上げます。

 久々の晴天、今日はまず、東京都江戸川区Uさんの庭の手入れにうかがいました。



 竣工後2年目の春です。周囲は駅前の再開発に伴い、新たに区画整理された灼熱のコンクリート住宅地でありながら、この庭だけは別世界のオアシスです。



玄関側から見る庭への伝いの表情。



ウッドデッキからみら庭の様子。



 木漏れ日の中の石張りテラス。



 菜園側からの庭の見返りの景。どこから見ても落ち着いた明るい雑木林の中の空間を感じます。
 とても美しい庭に育ってきました。



 そして2件目に手入れに訪れたのが、東京都板橋区 のざわ動物病院の雑木の下の駐車場です。この駐車場は昨年6月に竣工しました。初めての春ですが、昨年に比べて緑は一段と濃さを増してきました。



駐車場のデッドスペースを利用した植栽面積はごくわずかですが、上空に大きく枝を張り出す木々が心地よい木陰を落とし、アスファルトの駐車場でさえ、美しく潤いを感じさせる空間へと変えます。



木々の木陰になる場所に、駐車スペースを配しています。
 景色に潤いをもらたす雑木の効果は絶大です。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
埼玉県坂戸市 クリニック中庭の手入れ  平成23年5月23日
 工事も手入れも予定が詰まっている中、この雨続きには滅入ります。こんな時は雨の合間を縫って近場の手入れに廻るしかありません。

 昨日は午前中の晴れ間を縫って、埼玉県坂戸市、町野皮ふ科の庭空間の手入れにうかがいました。



 病院待合室側からみた、手入れ後の中庭の様子です。この庭は、ちょうど1年ほど前に竣工しました。庭は順調に育っています。



庭園内のメダカ鉢。



水鉢の佇まい。



樹木越しの病棟。



 庭の守り神、テントウムシの幼虫です。1匹の幼虫が成虫になるまでの間に、約500匹ものアブラムシなどの害虫を食べてくれるそうです。
 農薬散布をしない庭では、こうした益虫が増え、病原菌の蔓延を防いでくれる有益な微生物の活動も活性化します。
 また、毛虫が発生すればそれを捕食する鳥の来訪も増えます。
 私たちの目指す雑木の庭は、生き物が共存する健全な半自然空間です。



 この庭はすでに、多様な生き物が共存するバランスのとれた生態系が生まれ始めています。
 


投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | PermaLink
           
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