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雑木の庭つくり日記

御殿場市 倫理研究所の自己完結型ノンインフラへの取り組み 平成29年8月10日
 

 ここは静岡県御殿場市、一般社団法人倫理研究所、富士教育センターです。
ここでは人の生き方を問う先進的な様々な取り組みが行われております。
 その中でも、近未来の日本、地球、人類にとって、もっとも重要な取り組みの一つが、沼津市の民間研究所、高嶋開発工学総合研究所のイノベーション技術である、複合発酵による生活排水の完全リサイクルのシステムを、この広大な施設の中で実証すべく、様々実践しつつ、驚くべき成果を示しているのです。
 昨日、ここを訪れ、施設を見学いたしましたので、報告したいと思います。



教育センター宿泊棟です。管理事務所および宿泊棟のトイレ等の生活雑排水のすべてを、100パーセント飲用可能な水にまでリサイクルされます。
 しかも、ただ単にリサイクルするだけでなく、様々な汚染をエネルギーへと転換した処理水は、河川の浄化、農業利用、土壌環境の再生、生物の生理活性と、様々活用して目覚ましい成果をあげております。



 これは一般的な大型浄化槽ですが、生活雑排水はまず、ここに入ります。
この段階で、無限の微生物が共存、無限増殖する複合発酵培養液を毎日5リットルほど入れて曝気します。
 一般的な浄化槽は特有の嫌な臭いがしますが、ここでは驚くほど悪臭がないのです。



 通常の浄化槽では汚い泡が濁った水に沸き立ちますが、複合発酵培養液を用いたこの浄化槽では、この段階ですでに腐敗は断ち切られ、微生物の複合的な連携が現生して、発酵のサイクルへと向かっているのが分かります。



大型浄化槽に空気のエアレーション装置。



そして、浄化槽から、こちらの発酵槽、合成槽へと排水は導かれて、汚泥等の排出もなく、すべての汚染が生物生理活性のエネルギーへと転換し、清らかで無菌状態の水へ昇華するのです。

 ここも全く匂いはなく、むしろ心地よい空気感すら感じさせられます。



 6つの発酵槽を通り、そのあと合成発酵、合成槽へと処理水を導きます。



 合成槽は6つの曝気槽を通って完全に浄化されていきます。
 バイオ加工されたカーテン状の不織布に住みつく無限の微生物の連携と情報伝達による、あらゆる物質の消失とエネルギー転換がここで起こります。



発酵槽の微生物増殖を促す嫌気発酵系基礎資材。
スターターとして用いますが、ひとたび菌床ができればもう補充は必要なく、無資材で完全循環していきます。



 合成槽を抜けた最終処理水は、そのまま活力の高い活性水として飲用できます。
 風呂トイレ洗濯、台所排水のすべての汚染が発酵浄化され、完全リサイクルがここで実現しているのです。



富士山の伏流水をくみ上げて、ここで複合発酵処理水を希釈攪拌され、そしてそれが様々な素晴らしい結果を表すのです。




ここは施設内の池。水は澄んで、たくさんの生き物がいながらも、川底の水も全く腐敗変敗が起こっていないのです。
 複合発酵処理水を導かれた昨年から、驚くべき水質の変化が見られたといいます。



大量の鯉をはじめ様々な魚はじめ、たくさんの生き物がこの人工池に生育しつつ、それでいて水は驚くほど清らかに澄み渡り、そして鯉の元気さ、病気の不発生が印象的です。

 複合発酵処理水を導入する以前は、フンが汚泥となって池底に堆積し、その汲み出しのたびに、軽トラック2台分くらいの汚泥が発生していたと言いますが、複合発酵処理水導入以来は、汚泥はほぼ完全に消失して、汲みだしが完全に不要になったばかりでなく、様々な生き物がここに集まるようになったと言います。

 

敷地内には田んぼと畑、ビニールハウスがあり、これも複合発酵処理水によって無農薬無肥料のバイオ農法によって健康に生育しています。



ビニールハウス内。



 御殿場市の運動公園に設けられている、高嶋開発による複合発酵バイオトイレです。
バイオトイレは様々試みられてますが、汲み取りも給水も不要な完全リサイクル自己完結型のバイオトイレは、この複合発酵技術以外にないことでしょう。

 すべての汚染は、それを好んで取り込み分解してゆく微生物の複合的な働きを現生させて生態系のエネルギーに変えてしまう、それがこの技術の本質と言えるかもしれません。

 このことに私は、地球人類の未来への希望を抱いております。
汚染を排除するのではなく、むしろ積極的に生態系の循環に取り込んでエネルギーに変えてしまうことで、汚れ尽くされた地球においてもいのちを養う力をむしろ高めてゆくことができる、そんな可能性を感じております。

 すべての汚染の分解消失、そのプロセスは現代科学のレベルでは解明に至りませんが、そもそも自然のことなど、ちっぽけな人間がすべてを理論的に把握できることなど、ありえない話です。
 事実が示してくれるのであって、その自然界で起こる想定を超える事実から、人は謙虚に学んでいき、活かしていかねばなりません。
 
 私もこれから、この技術の普及に努める活動を本格的に始めたいと思います。それが子供たちが生きる未来の地球のために必要なことと思うので、やっていこうと思います。

 次代に先駆けてこうした素晴らしい取り組みをされている倫理研究所、ご案内くださり、どうもありがとうございました。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所 (2017年8月10日 18:49) | PermaLink