雑木の庭,造園のことなら高田造園設計事務所へ
HOME>雑木の庭つくり日記

雑木の庭つくり日記

健康な庭を作る        平成24年7月10日


 一昨日、手入れのため、3年前に竣工した千葉市緑区Hさんの庭にうかがいました。
季節外れの台風の後にもかかわらず、木々は青々と精気にあふれ、ますます健康な庭となってきました。



 家屋北側カーポート際の雑木です。
 もともとこの付近の住宅地一帯は、山林を大規模に削って造成されたため、山砂むき出しの非常に悪い土壌条件だったのです。
 そのような条件の悪い土地で、ここまで木々を健康にしてゆくためには、それなりの努力が必要になります。
 木々が健康に生育できる植栽配置や組み合わせはもちろんのこと、有機物漉き込みなどの土壌改良は、植栽時だけでなく、その後も毎年の管理作業の際に継続的に行ってきました。

 その結果が、この健康な木々の姿です。



 家屋北側のコナラ。大きな家屋の外観を和らげるため、ここには最初から高さ8m程度の雑木を何本も植栽しました。
 植栽直後の1~2年程度はこの木もずいぶんと害虫にやられたものです。しかし、しっかりと根を張った今は、病虫害の被害はほとんどなくなりました。
 人間と同様、植物だって本来健康であれば病気などに負けないのです。健康に育てることが大切なのです。



 カーポートから玄関に至るアプローチ沿いの木々。真夏でもここには冷気が溜まり、訪れる人が涼むと言います。
 Hさんのお話では、先日宅配に訪れた宅急便の人が、「ここは涼しいなあ。」と言って、しばらくここで休んでいったそうです。。。



 玄関ポーチから見た北側の雑木植栽。この北側の木立こそ、家屋を涼しくするのにとても大切な役割を果たしてくれるのです。



 そして南側の主庭も、木々がしっかりとした木陰を広げて、メリハリのある庭となってきました。
3年を経て、庭はますます健康に育ち、そして住まいはさらに快適になっていきます。
 それこそ私たちの理想の庭つくりです。

 そして、敷地280坪のこの広大な庭の手入れは、4人1日で終わります。管理作業の手間がかかり過ぎないということも、健康な雑木の庭の特徴です。
 自然の性質に逆らわない管理の仕方、育て方こそ、木々の健康の秘訣でもあります。

 植栽の仕方、管理の仕方がまずければ、木々は決して健全にその効果を発揮してくれません。

 庭というものは、住む人にとって、日々の疲れを癒し、鋭気を養う場所なのですから、そのためには庭の木々が健康であるということは何よりも大切なのです。

 そのためにも庭を作り育てる際、人にとってだけでなく、木々にとっても心地よい環境を作っていかねばなりません。




投稿者 株式会社高田造園設計事務所 (2012年7月11日 19:05) | PermaLink